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その頃、1と2
その頃、1のお話
普通の家庭の、料理が得な母親に、平社員の父親。
そんな普通の人たちの間に生まれた私―――月炬。
唯一変わっているのは名前だけ。
今まで十四年間、平凡に平凡に過ごしてきた私。
それはもしかしたら妄想かもしれない。
本当は。
その頃、2のお話。
目が覚めたとき、少し色あせた天井が視界に飛び込んだ。
「―――……?」
しばらくぶりの心地よさ。
鼻につく薬品のニオイ。
「おはよう」
ショートッカットの女の子。
私の顔を覗き込み、微笑む。
「三日間ぐらいかな。…今回ははやかったね」
窓の外からは人の話し声や笑い声。
カーテンの向こうからは食欲をそそる香り。
「ごはん、いまもってくるね」
リズムを打つような機械音。
全部じゃまだった。
1と2一気投稿です☆
文字数足りなかったもので…