真実の愛を見つけた!〜愛ってなんだろうニャ?〜
名前を借りました。
愛ってなんだろうニャ?
は、某白猫のセリフ。何となくつけました。
「お前とは婚約破棄だ!」
ある日の夜会で、婚約者ワットが言った。
「さようでございますか」
私、ジュールは冷静に言った。
「俺は、この真実の愛の相手、アンペアと婚約する!真実の愛だ。政略結婚で婚約したお前は、勿論、婚約破棄に同意するよな?」
ワットはドヤ顔で言った。
隣にいる、浮気相手のアンペアが、ワットに腕を絡ませて、ニヤニヤ笑っている。
「真実の愛なのだ。俺の事を愛しているなら身を引け!」
ワットが言ったので
「後悔しませんね?」
内心の呆れを隠し、ワットに確認した。
「真実の愛だからな!後悔などするか!」
ワットは、またドヤ顔した。
婚約した頃は、優しかったワット。
上手くいくと思っていたのに、学園に入ってモテだしてから調子に乗り始め、アンペアと出会ってから傲慢になってしまった。
私は、ワットの浮気を知るまでは、本当に好きだった。
浮気を知って、とても悲しかった。
めちゃくちゃ泣いたので、ちょっと落ち着いたが、痛いのには変わらない。
「では私は身を引きますね。お幸せに」
と言って、家に帰った。
とても虚しい。
婚約破棄は、簡単になされた。
ワットの家に援助していた父が、ブチ切れて、援助を打ち切り、婚約もワット有責で破棄した。
我が家の援助が無くなり、更にワットは私に慰謝料を払う事になり、ワットは借金塗れになり、没落した。
そして、浮気相手アンペアに逃げられたのだった。
「ジュール!お前、俺の事好きだっただろ?」
そろそろ来る頃だと思っていたが、やっぱりワットがやって来た。
「どうなさいました?」
私は、わざと聞いた。
「俺と結婚してくれ」
ワットが言った。
「何故です?」
「アンペアに逃げられたんだ」
「真実の愛だったのでは?」
私が言うと、
「俺が間違っていた。真実の愛はお前だった」
と、ワットが言った。
「真実の愛を見つけたと仰ったので私は身を引きました。今はもう結婚しています」
私は冷たく言う。
「何故なんだぁ!」
ワットがテーブルを叩いた。
「真実の愛の相手とお幸せに」
私は笑顔で言う。
「逃げられたんだ!」
「真実の愛ではないのですか?」
私は首を傾げた。
「没落したら逃げられたんだ」
「そうですか」
「やり直そう」
ワットが立ち上がって言った。
「無理です」
「俺を愛しているんだろ?」
断ることは無いと思っているようだ。バカにしている。
「昔の事です」
ワットの浮気を知った時に好きな気持ちは壊れていき、婚約破棄を言われた時に、とうとう消えたのだ。
浮気を真実の愛と言い張り、政略結婚の為の婚約を勝手に破棄するバカは、私には必要無い。
傷付いた心は、新しい生活で癒された。
もう、ワットは過去の男なのだ。
「俺が迎えに来て嬉しいだろ?」
ワットが私に手を伸ばしてきた。
「過去に縋るな」
その手を叩き落としたのは。
「誰だ?」
ワットが驚いている。
「ジュールの夫だ」
私の夫オームだ。婚約破棄した後、婚約を申し込まれ、それから半年後に結婚した。
「はぁ?」
ワットが目を見開く。
「私の妻に手を出すな」
オームの言葉に
「浮気したのか!?」
ワットが叫んだ。
「浮気者は、他人も浮気すると思い込む。最低だな。ジュールには、お前と婚約破棄した後に婚約を申し込んだ。お前は、自分から婚約破棄した女に縋るとか、情けないとは思わないのか?」
オームが正論でワットを殴った。
「ぐっ…」
ワットは言葉に詰まった。
「浮気したのはお前だろう?真実の愛なんて、バカな夢を見て、金目当ての女に騙されたお前が悪いんだよ。もう手遅れだ。お前を本当に愛していたジュールは、本当に愛していたからこそ、お前の幸せを願い、身を引いた」
オームが淡々と言う。
「そして、私と婚約し、結婚して幸せに暮らしているのだ。ジュールを愛しているなら、ジュールの幸せを願い身を引け」
ワットは項垂れた。
自分が言った事が返ってきた。
オームが合図すると、執事がワットを家の外に連れて行った。
「良かったのか?」
オームが心配そうに聞いた。
「勿論。今が幸せですから」
私はオームに擦り寄った。
ホッとした顔で私を抱き締めるオーム。
「ジュール…愛している」
「愛しているわオーム」
こんなに幸せに暮らせるとは思わなかった。
浮気して婚約破棄してくれてありがとうワット。
ワットの事は2度と思い出さないくらい、私はオームと幸せになった。
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