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真実の愛を見つけた!〜愛ってなんだろうニャ?〜

作者: 井上さん
掲載日:2026/05/11

名前を借りました。


愛ってなんだろうニャ?


は、某白猫のセリフ。何となくつけました。

「お前とは婚約破棄だ!」


 ある日の夜会で、婚約者ワットが言った。


「さようでございますか」


 私、ジュールは冷静に言った。


「俺は、この真実の愛の相手、アンペアと婚約する!真実の愛だ。政略結婚で婚約したお前は、勿論、婚約破棄に同意するよな?」


 ワットはドヤ顔で言った。

隣にいる、浮気相手のアンペアが、ワットに腕を絡ませて、ニヤニヤ笑っている。


「真実の愛なのだ。俺の事を愛しているなら身を引け!」


 ワットが言ったので


「後悔しませんね?」


 内心の呆れを隠し、ワットに確認した。


「真実の愛だからな!後悔などするか!」


 ワットは、またドヤ顔した。


婚約した頃は、優しかったワット。

 上手くいくと思っていたのに、学園に入ってモテだしてから調子に乗り始め、アンペアと出会ってから傲慢になってしまった。


 私は、ワットの浮気を知るまでは、本当に好きだった。

浮気を知って、とても悲しかった。

 めちゃくちゃ泣いたので、ちょっと落ち着いたが、痛いのには変わらない。


「では私は身を引きますね。お幸せに」


 と言って、家に帰った。

とても虚しい。




 婚約破棄は、簡単になされた。


ワットの家に援助していた父が、ブチ切れて、援助を打ち切り、婚約もワット有責で破棄した。



 我が家の援助が無くなり、更にワットは私に慰謝料を払う事になり、ワットは借金塗れになり、没落した。

 そして、浮気相手アンペアに逃げられたのだった。




「ジュール!お前、俺の事好きだっただろ?」


 そろそろ来る頃だと思っていたが、やっぱりワットがやって来た。


「どうなさいました?」


 私は、わざと聞いた。


「俺と結婚してくれ」


 ワットが言った。


「何故です?」


「アンペアに逃げられたんだ」


「真実の愛だったのでは?」


 私が言うと、


「俺が間違っていた。真実の愛はお前だった」


 と、ワットが言った。


「真実の愛を見つけたと仰ったので私は身を引きました。今はもう結婚しています」


 私は冷たく言う。


「何故なんだぁ!」


 ワットがテーブルを叩いた。


「真実の愛の相手とお幸せに」


 私は笑顔で言う。


「逃げられたんだ!」


「真実の愛ではないのですか?」


 私は首を傾げた。


「没落したら逃げられたんだ」


「そうですか」


「やり直そう」


 ワットが立ち上がって言った。


「無理です」


「俺を愛しているんだろ?」


 断ることは無いと思っているようだ。バカにしている。


「昔の事です」


 ワットの浮気を知った時に好きな気持ちは壊れていき、婚約破棄を言われた時に、とうとう消えたのだ。

 浮気を真実の愛と言い張り、政略結婚の為の婚約を勝手に破棄するバカは、私には必要無い。

 傷付いた心は、新しい生活で癒された。


もう、ワットは過去の男なのだ。


「俺が迎えに来て嬉しいだろ?」


 ワットが私に手を伸ばしてきた。


「過去に縋るな」


 その手を叩き落としたのは。


「誰だ?」


 ワットが驚いている。


「ジュールの夫だ」


 私の夫オームだ。婚約破棄した後、婚約を申し込まれ、それから半年後に結婚した。


「はぁ?」


 ワットが目を見開く。


「私の妻に手を出すな」


 オームの言葉に


「浮気したのか!?」


 ワットが叫んだ。


「浮気者は、他人も浮気すると思い込む。最低だな。ジュールには、お前と婚約破棄した後に婚約を申し込んだ。お前は、自分から婚約破棄した女に縋るとか、情けないとは思わないのか?」


 オームが正論でワットを殴った。


「ぐっ…」


 ワットは言葉に詰まった。


「浮気したのはお前だろう?真実の愛なんて、バカな夢を見て、金目当ての女に騙されたお前が悪いんだよ。もう手遅れだ。お前を本当に愛していたジュールは、本当に愛していたからこそ、お前の幸せを願い、身を引いた」


 オームが淡々と言う。


「そして、私と婚約し、結婚して幸せに暮らしているのだ。ジュールを愛しているなら、ジュールの幸せを願い身を引け」


 ワットは項垂れた。

自分が言った事が返ってきた。


オームが合図すると、執事がワットを家の外に連れて行った。


「良かったのか?」


 オームが心配そうに聞いた。


「勿論。今が幸せですから」


 私はオームに擦り寄った。

ホッとした顔で私を抱き締めるオーム。


「ジュール…愛している」


「愛しているわオーム」


 こんなに幸せに暮らせるとは思わなかった。

浮気して婚約破棄してくれてありがとうワット。



 ワットの事は2度と思い出さないくらい、私はオームと幸せになった。



読んでいただきありがとうございます

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