証拠写真、投下されました
無理
証拠写真、投下されました
ある朝。
しゅいがいつものように廊下を歩いていると、みおととすれ違った。
「おはよう」
「おはよー」
軽く挨拶を交わし、そのまま通り過ぎようとした――そのとき。
「お前さ、せなのこと好きだろ」
突然、耳元で囁かれた声に、しゅいは飛び上がりそうになった。
「!?!?!? え……な、なんの……こと……///」
「当たりだな」
にやりと笑うなぎと。
しゅいは顔を真っ赤にしながら、思わず後ずさった。
なぎとには、好きな人の話なんて一度もしていない。
なのに、なぜ……。
「なんで……分かったんだよ……///」
「だってお前、せな見てるとき、顔赤いし」
その一言に、しゅいの膝がガクッと崩れそうになる。
「証拠もあるぞ」
そう言って、なぎとがスマホを取り出した。
画面には、せなとしゅいが並んで立っている写真。
距離がやたら近くて、しゅいの顔は真っ赤だった。
「お前……い、いつの間に……!」
「撮ったらダメなんて言われてないし?」
「捨てろ!」
「嫌だねー」
しゅいが取り返そうと手を伸ばすが、なぎとの方が少し背が高い。
ひょいっとスマホを掲げられると、指先は届かない。
「返して!」
「無理ー」
「こうなったら……!」
しゅいは、全身の力を込めてジャンプした。
「うわっ!」
なぎとがバランスを崩し、よろける。
「今だー!」
あと1ミリ。
しゅいの指先が、スマホに触れた――と思った、その瞬間。
「……あれ?」
スマホは、手の中にない。
ふたりの視線が、同時に下を向いた。
「なぎと! お前、どこやったの!?」
「知らない……どっかに落としたのかも……」
「ま、まさか……!」
ふたりが立っていたのは、リビングの吹き抜けの上にある中廊下。
床はしっかりしているが、廊下の外側には腰の高さほどの木製の柵があり、
その隙間から下のリビングが見える構造になっている。
その柵の向こう――
リビングの床に、スマホが裏返しで落ちていた。
「おいおいおいおい!!//」
「ご、ごめん……! でも、まだ朝ごはん前だし、誰も来てな――」
そのとき。
リビングのドアが、カチャリと開いた。
現れたのは――
せなだった。
最悪のタイミング。
しゅいの心臓が、止まりかけた。
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次回予告(セリフは仮)
「それ俺の!」
「これ、なんの写真?」
(見る)
「え……これって……」
「見るなって……言ったのに……」
無理




