年下男子のむくれ顔が反則級可愛いんですが
無理
年下男子のむくれ顔が反則急に可愛いんですが
その後、なぎとと他愛もない話をしていると、廊下の向こうから軽い足音が近づいてきた。
扉が開き、昼の光が差し込む中、しゅいが顔をのぞかせる。
「お、なぎととせなじゃん」
「あ、しゅい! おはー」
「おはよ」
しゅいはいつものように太陽みたいな笑顔を向けてくる。
その明るさに、部屋の空気が一段階ふわっと軽くなった。
「ねぇ、しゅい。さっきね、なぎとが私の事めちゃくちゃ心配してくれ……」
「あー、黙れ黙れ黙れ! 言うな!」
なぎとは慌てて私の口を手で塞いだ。
その手は少し震えていて、顔は耳まで真っ赤。
“照れてる”なんて言葉を使わなくても、見れば分かる。
「ど、どしたの?」
「だから……なぎとが……」
「言うなって言ってるだろ! もう黙っとけ!」
「言いたかったのに〜!」
「誰にも言うな!」
なぎとはそう叫ぶと、逃げるようにソファーへ移動し、
膝を抱えてぶつぶつ何かを呟き始めた。
その背中が妙に可愛い。
「せな……」
「ん? 何?」
しゅいが少しだけ声を落とし近づいてくる。
「あの、ひばりとロッカー入ってた時、あれ何があったの?」
「あ、えっと……そうだね……。……ひばりとだけの秘密だよ!」
「めっちゃ気になるんだけど〜!」
「教えません〜」
私が笑いながら言うと、しゅいはむくれたように頬を膨らませた。
その表情があまりにも子供みたいで、思わず吹き出してしまう。
「しゅい、可愛すぎ笑笑」
「な……! だから……! せなより年下だからってバカにすんな!」
「いや、してないよ。私の方が年上なのに、身長、しゅいより低いし。さっきのは、普通に子供みたいで可愛くて」
「……可愛いじゃなくて、かっこいいだったらもっと嬉しかったのにな……」
「今、なんか言った?」
「な、何も言ってません!!」
しゅいは耳まで真っ赤にしてそっぽを向く。
その仕草がまた可愛くて、胸がくすぐったくなる。
ふと横を見ると、なぎとがこちらをじーっと見ていた。
眉間にしわを寄せているのに、頬だけほんのり赤い。
「なぎと、どしたの?」
「べ、別に……」
私が一歩近づくと、なぎとは慌てて視線を逸らした。
その動きが分かりやすすぎて、胸が温かくなる。
「……もしかして〜嫉妬してる? 私が他の男と話してるから」
からかうように言うと、なぎとはビクッと肩を跳ねさせた。
「は、はぁ……! し、嫉妬って……! お前のことなんて好きな訳……!」
「うんうん。好きな訳?」
「ないはず……なんだよ……」
「はずって?」
「あーもう! お前深掘りすんな! もうこの話はやめだ!」
「勝負から逃げたー」
「勝負じゃねぇし!」
なぎとは怒鳴りながらも、顔は真っ赤で耳まで熱そうだった。
その不器用さが愛しくて、私は思わず笑ってしまう。
「ねぇ、なぎと! せな王しない?」
「は……? なんだそれ」
なぎとは眉をひそめるが、興味はあるらしい。
「私、なぎとの順で命令を出し合っていく簡単なゲーム。……あ、なぎとの後しゅいね」
「なんで俺も……!?」
しゅいは驚きつつも、結局は頷いた。
「じゃあ、命令! 私のいい所を3つ言って!」
「は……!? なんでそんな事……言わないといけないんだよ……っ。
一つは……た、たまに優しいところ……で、二つ目は……その……色々教えてくれるところ……。
み、三つ目は……っ……」
なぎとは言葉を絞り出すたびに、顔がどんどん赤くなっていく。
「うんうん!」
私が期待いっぱいの目で見つめると、なぎとは耐えきれず顔を覆った。
「え……っ、笑顔……その……笑顔が……可愛い……んだよ……」
言った瞬間、なぎとは自分の言葉にビクッと肩を揺らし、
頬が一気に赤く染まる。視線は床に落ちたまま上がらない。
「え〜? 何何? もう一回〜」
「なっ……! お前ほんっと……っ、
だ、だから!! 笑顔が可愛いって言ってんだよ……!
2回も言わせんなって……っ、バカ……!」
叫んだあと、なぎとはソファーに倒れ込み、
顔を真っ赤にして天井を見つめていた。
耳まで真っ赤で、呼吸が少し乱れている。
「お、俺は……まずは優しいところ……。後、頼りになる所……。最後に……せなの事見てたら……たまに癒される所……。……っ! い、今のはもう忘れて!」
しゅいも同じように顔を覆い、なぎとの上に倒れ込む。
二人とも真っ赤で、照れ隠しのケンカを始めた。
その光景があまりにも可愛くて、
私はしばらく笑いが止まらなかった。
無理




