照れ顔のまま、恋も会議も進展中
はい、今回は全員出しました。
照れ顔のまま、恋も会議も進行中
そして、次の日。
いつものように、ミラクルサーチのメンバーはリビングに集まり、
次の動画企画について話し合っていた。
窓の外は、冬の光がやわらかく差し込んでいて、
ホットココアの湯気が、ほんのり甘い香りを漂わせている。
「みんなー。企画どうする?」
テーブルの端で、たゆとがのんびりと声を上げた。
その声に、みおとは眉をひそめる。
「そんなこと言われてもな……急に言われても浮かばないし……」
「じゃあ、お菓子爆食い企画とかどうですか!」
元気よく手を挙げたのは、みの。
目がきらきらしていて、すでに食べる気満々だ。
「それじゃあ、みののための企画じゃん」
らおが笑いながらツッコミを入れると、
みのは「えへへ」と照れ笑いを浮かべた。
「……あ、いいこと思いついたー!」
たゆとが、ぽんっと手を打つ。
「カップル対決ー! とかどう?」
「……は、はあ!? お前、何言い出して……!」
しゅいが思わず声を上げる。
その隣で、あおばが「えっ」と固まり、
みのは一瞬で顔を赤くして、視線を逸らした。
「だって〜、視聴者さんからさ、
“こんなに仲良いなら誰か付き合ってるんじゃないですか?”とか、
“あおみのカップルみたい!”とか、コメント来てたし〜」
たゆとは、いつも通りのんびりした口調で、
とんでもない爆弾をさらっと落とす。
「お、俺と……みの……!?」
あおばは、耳まで真っ赤にして固まっていた。
その横で、みのも小さく肩をすくめて、
「うぅ……」と声にならない声を漏らしている。
「だからさ〜、やってみてもいいかなって!」
一瞬、空気が止まった。
……が、意外にも、全員が「まぁ、いいかも」と頷いた。
あおばは、目を泳がせながら言った。
「ま、まぁ……? 視聴者さんが楽しんでくれるなら……やるだけで……
べ、別に……みのとくっつきたいとか、そんなんじゃ……!」
「……あおばさん? その言い方……もしかして……」
みのが、そっとあおばを見つめる。
その頬は、りんごのように赤く染まっていた。
「ほ、本当に考えてないってば! ……たぶん……」
みのは、手元のマグカップをぎゅっと握りしめながら、
小さな声で言った。
「わ、私は……その動画を上げた後のおやつタイムを楽しみにしてます……!」
「もう、違う感想やんけ」
みおとが、呆れたようにツッコむ。
「……ま、まぁ……これ以上メンバーと仲良くなれるのは……
いいんじゃない……? って思うけど……別に……好きな人は……その……」
みおとがぼそぼそと呟くと、ひばりがすかさず食いついた。
「みおと、誰が好きなの??」
「だから、おらんってば! ……多分……」
「“多分”って……絶対いるやつだよね」
「だ、だから……!」
みおとは顔を真っ赤にして、クッションを抱きしめた。
「ま、まぁ……えっと……別に……。どっちでも……。やっても……いいけど……?」
しゅいが、目を逸らしながらぽつりと呟く。
「顔真っ赤じゃん〜」
なぎとがニヤニヤしながら突っ込むと、
しゅいは「うるさい、なぎと!」と叫んだ。
その頬は、まるで湯気が出そうなくらい赤かった。
「なんか、盛り上がりそうだね〜」
たゆとは、マイペースに笑う。
「たゆとは好きな人いないの?」
せなが、少しだけ首を傾げて聞いた。
「んー。今のところ、分かんないや〜。でも、誰かのこと好きになるのって、楽しそうだよね〜」
「そっか〜」
せなは、それを聞いて微笑んだ。
「まぁ……いいんじゃね? 俺、関係ないしー」
なぎとがソファに寝転びながら、気だるそうに言う。
「おま……なぎとは、絶対参加させてやる……!」
あおばが、拳を握りしめて宣言すると、
なぎとは飛び起きて叫んだ。
「なんでそうなるんだよ!」
「お前がサボろうとするからー。ってか、お前、好きな人いないの?」
「は……は!? い、いるわけないだろ! あおばのアホのバカの大バカ!!」
なぎとは、顔を真っ赤にして、クッションを投げつけた。
「……え、それはひどくない!? でも……へぇ……なきとがね……」
「だから、いないっていってんだろ!」
「じゃあ、好きな人の名前、最初の一文字だけ言ってみ?」
「もしいたとしても……な、なんでだよ! 言うわけないだろ!」
「もしかして……“せ”だったりする?」
あおばがそう言った瞬間、なぎとと、せなの顔が一瞬で赤くなる。
「っ……ち、ちがうし!! ぜ、ぜんぜん違うし!!」
「“ぜんぜん”って言う時点で怪しい〜!」
「う、うるさいうるさいうるさい!!」
なぎとは更に顔を真っ赤にして、叫んだ。
「まぁ、いいんじゃ……ない? 視聴者さんが楽しんでくれるのが私たちの役目……だよね?
だから、リクエストに答えるのはいいと思うよ。でも……やっぱ……その……。うん……なんでもないです」
せなが、少しだけ頬を染めながら、目を逸らす。
「なんなんだよー!」
なぎとが茶々を入れると、
「なぎとには関係ないでしょ!? 個人情報ってやつ!」
せなは、ぷくっと頬を膨らませて抗議した。
「いいんじゃない? 俺、別に……何も思ってないし。まぁ……照れるけど……」
らおが、照れ笑いを浮かべながら言うと、
「らおは可愛い系彼氏だね〜」
「ち、違うよー!」
らおは、顔を赤くしながらも、楽しそうに笑った。
「僕は照れるタイプじゃないので、全然OKですよ。
別に……その……好きな人も……いないですから……」
ひばりが、目を泳がせながら言う。
「もう照れてるじゃん」
「そ、それは……! いや、あの……YouTubeのキャラではそういう設定を作ってるだけで、裏では……その……」
「はいはい。で、好きな人誰?」
しゅいがニヤニヤしながら聞くと、
「だから……いない……ですってば……!」
ひばりの声は震えていて、最年長らしからぬ可愛さがにじみ出ていた。
こうして、ミラクルサーチの新企画「カップル対決」は、
満場一致(?)で決定した。
この動画で、いったいどんな“照れ”が見つかるのか――
それは、まだ誰も知らない。
ごめん、無理。




