"遊園地"って、そんな破壊兵器だった?
ちよっと、無理
"遊園地"って、そんな破壊兵器だった?
しゅいが顔を真っ赤にして自分の部屋へ逃げていったあと、
せなは、まるで力が抜けたように、机に突っ伏した。
頬が熱い。心臓がうるさい。
さっきの“あの瞬間”が、何度も頭の中でリピートされて、消えてくれない。
「どうだった?」
あおばが、ニヤニヤと意地悪そうに笑いながら、机の向こうから覗き込んでくる。
「……」
返事ができない。
恥ずかしすぎて、喉がぎゅっと詰まってしまった。
声を出そうとしても、唇が震えて、何も出てこない。
「あ……えっと……」
かろうじて出た声は、かすれていて、まるで風の音みたいだった。
「せな、照れすぎ〜」
みおとが、からかうように笑う。
その声に、せなは思わず顔を上げたけど、目の端まで真っ赤になっていて、
いつもの迫力ある声も、今日はか細くて、まるで子犬の鳴き声みたいだった。
「う、うるさい……!」
そう言いながらも、声は震えていて、怒ってるというより、泣きそうに聞こえる。
「でも、いいですね〜。私も、好きな人に撫でられたいです」
みのが、頬を染めながらぽつりと呟く。
その言葉に、せなはさらに顔を伏せた。
「……嬉しかったけどさ……」
机に額をつけたまま、ぽつりと漏らす。
その声は、どこか夢見心地で、でも現実に戻りたくないような、そんな響きだった。
「せなって照れてると……意外と……その……」
あおばが、少しだけ照れたように言いかける。
その言葉の続きを、せなは聞き取れなかった。
(ここから、せなは聞こえていません)
でも、みのが代わりに言った。
「可愛いんでしょ? せなさん」
「……! なんで分かったんだよ、みの……っ!」
あおばは顔を上げて、みのを睨もうとしたけど、
目が合った瞬間、また顔が真っ赤になって、視線を逸らした。
「っ、ってか! 可愛いなんて言うつもりは……! ただ、なんか迫力がないから……子犬みたいだな……って……」
「私は?」
みのが、いたずらっぽく微笑む。
「めっちゃ可愛……。なんでもない!!!///」
あおばは、耳まで真っ赤にして、椅子の背もたれに顔を埋めた。
その姿を見て、みのは小さく笑った。
(……ふふ……///////)
※ここまで、せなには聞こえていない。
「と、とにかく! よかったじゃん。撫でられて」
「そうだけど……夜ご飯の時、顔向けできないよ……」
「まぁ、頑張れ!」
「頑張れじゃないー!」
せなは、顔を真っ赤にしたまま、少し怒ったように言う。
そのとき、階段の方から、誰かの気配がした。
ふと顔を上げると、しゅいが階段の影から、そっとこちらを覗いていた。
目が合った瞬間、せなはびくっとして、慌てて顔を逸らす。
しゅいは、ゆっくりと近づいてきた。
その頬は、朝焼けみたいに赤く染まっていた。
「あ、あの……さっきは……ごめん……」
しゅいは、目を逸らしながら、か細い声で言った。
「……許さない……」
「え……?」
「ゆ、許さない!」
せなの声は震えていたけど、どこか甘えているようにも聞こえた。
「え……」
しゅいは戸惑ったように目を見開く。
「ちょっと耳貸して……」
せなは、そっとしゅいの袖を引いて、耳元に顔を寄せた。
「私の頼み、聞いてくれたら許してあげる」
その声は、囁くように小さくて、でも確かに甘かった。
「……は、はい……」
しゅいは、顔を真っ赤にしながら、こくんと頷いた。
何を頼まれるのか分からず、心臓がバクバクしていた。
(動画編集……? それとも、もっとヤバいやつ……?)
嫌な予感しかしなくて、しゅいはその場で倒れそうになった。
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翌朝
「……眠……」
しゅいは、布団の中で大きくあくびをした。
まだ外は薄暗く、家の中も静まり返っている。
(なんで俺、こんな時間に起きてんだ……)
昨日の夜、せなに「明日の朝、誰も起きてない時間に部屋に来て」って言われた。
そのときのせなの顔が、ほんのり赤くて、目を逸らしてたのを思い出す。
(やっぱ動画編集……? それとも……)
ため息をつきながら、しゅいは重い体を起こし、せなの部屋へと向かった。
「来たよ……」
「は、入って」
ドアを開けると、せながソファーに座っていた。
カーテンの隙間から差し込む朝の光が、彼女の髪を柔らかく照らしていた。
「で、何? 頼みたいことって。動画編集?」
しゅいがそう言うと、せなは一瞬、目を泳がせた。
そして、ほんの少しだけ顔を赤らめながら、小さな声で言った。
「……ゆ、遊園地……行かない……?」
その言葉は、まるで夢みたいにふわっとしていて、
でも、しゅいの心臓にはっきりと届いた。
少しだけ描きます。
えっと、このお話も、毎日(?)朝9時30分投稿にします。
よろしくお願いいたします。




