Episode.4 SOS!―Ⅱ
「大丈夫。天井のシミを数えてる間に終わるから──」
「──あ゛あ゛ーースッキリした。」
その時、紅一がドアを勢いよく開け、髪をガシガシ拭きながら戻ってきた。
そして蒼と桃の様子を見て固まる──
紅一は血相を変えて怒鳴った!
「おい桃! うちの蒼に何やってんだ!」
「「逆じゃね!?」ない!?」
紅一はズンズンソファーに歩いていくと、桃の首根っこを掴んで子猫のように連れていき、椅子にストンと落とした。
桃は連れて行かれる途中、真っ赤な顔でジタバタして、椅子に落とされると紅一に食ってかかる。
「確かに今回は私が悪いけど、ちょっとひどくない? あーゆ一時は普通妹の心配するよねっ!」
「お前とアオイとじゃアオイの方が信用できるからな。お前の日頃の行いが悪い。」
紅一は淡々と言い放つ。
桃は悔しさと恥ずかしさが混ざったような顔をして、椅子の上で膝を抱え込んで小さくなってしまった。
そんなやりとりをしていた時、蒼のスマホの着信が鳴った。
──蒼はスマホの充電を切らしていたので、 風呂に入っている間、充電させてもらっていた。
動けない蒼は紅一にスマホを持ってきてもらう。確認した宛先は 雪 (蒼の妹) だった。
その宛先を見て、蒼は目を見開き息を呑んだ。そしてスマホを強く握る。
──雪が生きていてくれた。
紅一はもはや腕を動かすのも辛いのでスピーカーにして電話に出る。
瞬間
心臓に重いものがのしかかった様な、嫌な圧迫感を感じる。
繋がった電話の奥からはヤツらの声──
──ゾンビたちの声、声、声。おそらく十匹ではきかない量のうめき声が聞こえてきた。
「雪?」
蒼は震えた声でスマホに問いかける。嫌な予感に口の中は乾き、身体中に脂汗をかく。
紅一と桃も固唾を呑んで蒼を見ていた。
「......お兄ちゃん?」
電話の奥から微かな声がした。
「雪!大丈夫か!?……ッッ!」
雪の声に、蒼は思わず飛び起きる。そして反動で痛む背中に顔をしかめる。
「やっと.......繋がったっ」
電話の向こうから鼻を啜る音が聞こえる。その声は泣きじゃくるように震えている。
「お兄ちゃん………………お願い.......たす...けて」




