Episode.17 生存
「まず俺達の現状を整理しよう」
紅一が切り出した
4日ほど前からいわゆる”ゾンビ“のようなものが現れ、街が崩壊したこと。
ラジオからの情報で、ゾンビは世界中で発生していると推測できること。
「家の中に籠城するとして、まずは俺達の衣食住がどんだけ保つか確認しよう」
「衣は洗濯機があるし、2階のベランダに干せばいいからどうにかなるよ」
桃がテーブルの前に座りながら言う。
「そうだな。次に食だが、これもしばらくは保つと思う」
現在家にある食料は、缶、レトルト食品、乾物などの非常食。そして冷蔵庫の中のものだ。
「何日分ぐらいあるんだ?」
紅一の正面に座った蒼が聞く。
「飽きる事は間違いないが、5人なら1ヶ月弱は保つはずだ」
「水はどのぐらい保つの?」
紅一が確認していることを紙に書きながら、雪が聞く。
「水もぎっしり用意されてた。それに電気もガスも止まったが水道は生きてるからしばらく保つと思う」
「最後に住だが、ゾンビの侵入はないと思っていい」
窓からゾンビに姿を見られたり、声を聞かれなければゾンビは寄ってこない。
「あっ、うちはソーラーパネルのおかげで電気使えてるけど、蓄電池の容量見たらそんなに余裕はなかったよ」
「そうだな。ずっと晴れ続けることもないだろうし、冷蔵庫とエアコンはもう止めたいな」
「じゃあまずは冷蔵庫の中身から食べないとですね」
葵が冷蔵庫の中身を思い浮かべながら言う。
「そうだな。まとめると、今後俺らは家にこもったまま約一ヶ月は生きられる」
「じゃあその後どうするか、か。」
蒼が呟く。
「救助って来そうなんですか?」
雪が曇った顔になる。
「分からない」
全員の顔が曇る。
「だが可能性はあると思う」
「最近のラジオは機械音声で利用可能な避難所をえんえん流してるだけだ。聞くたびに減ってるけどな」
「だが、避難所として自衛隊基地も呼ばれてた。生きてる自衛隊基地があるってことは救助もありうると思う」
「じゃあ俺らの目標は救助まで生き残ることだな」
それができる可能性が低いだろことは皆分かっていたが、あえて口にする者は居なかった
「そうだな。そしてまず俺らはやらなきゃいけないことがある」
その言葉に、全員が緊張して紅一を見る。
「さしあたってはまず、ゲーム大会をする!!」
「「「「はぁ?」」」」
「どうせ暇だろ?付き合えよ」
紅一はどこからかゲーム機を取り出す。
数時間後、ゲーム大会が終わった。優勝したのは葵で、ドベは紅一だった。
ゲーム大会は思いのほか盛り上がり、4日に一度定期的に開催することが決まった。
それからは、読書やゲーム、竹刀の素振りと、各々が好きなように過ごした。
そしてごはんは税金で集まって食べる。
そうして一ヶ月が経過した。
自その間に自衛隊は活動を開始し、ゾンビの掃討がはじまった。




