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11,引越しからの大告白2 アレクセイside




 領地全土の移動が終わる直前、魔力濃度で苦しんでいたセレーネが倒れた。


 咄嗟にロルフが背中に乗せていなければ体力のないハルイと筋肉のない僕では支えきれていなかったと思う。剣の扱いが下手なのは才が無いのではなく、体づくりに問題があるからかもしれない。セレーネが目覚めたら教えを乞おう。



 今は公爵邸のセレーネの部屋に寝かせている。酷い熱だ。少し触れただけで火傷してしまうのではないかと思うほどの高熱が3日、続いている。


 『ねえ、あなた、原因わかる?セレーネは私の子でもあるのよ。失うのは嫌よ』

 白竜が夫の黒竜に問う。

 『恐らく、他の竜が無理矢理セレーネの精神に干渉している。それが何かはわからないし目的もわからない。干渉している竜が諦めるか、セレーネ本人がそこから抜け出さない限り、熱は下がらないはずだ』


 沈黙が訪れた。セレーネを失うのは僕も怖い。

 「黒竜殿が干渉することは…?」

 アリオ殿が聞いた。


 『今の状況では不可能だ。俺か妻が単体で干渉することはできる。加護と祝福があるからな。だが、どの竜が干渉しているかわからない状態で干渉するとセレーネは最悪の場合、キャパオーバーで死ぬ。だから相手がわからない以上下手に干渉することはできない。今できるのはセレーネの目覚めを願いただ待つことだけだ』



 セレーネが死ぬ…?



 いつも強くて僕を引っ張ってくれて、でも女の子らしい弱い部分も見せてくれて僕の心を満たしてくれるセレーネが…?嫌だ。嫌だ嫌だ。死ぬな。セレーネ。


 そこからどのくらいの時間が経っただろうか。日付けが変わり、時計が12時を知らせた時だった。




 「私はセイと結婚するって決めているんです!」




 ずっと眠っていたセレーネがガバッと起き上がり、そう叫んだ。一体どんな夢を見ていたのか。


 自分がなぜこんなことを口走ったかわからないと言うようにセレーネは考え、呟いた。

 

 「リアルな現実の世界……」


 そうですよ。ここは夢の世界じゃない。どうやら夢の中だと思っていたようだ。僕の背中に突き刺さる視線が痛い。


 「〜〜っ〜!」


 ベッドの側に立つ僕達を認識した瞬間、セレーネは真っ赤になって顔を覆ってしまった。

 

 え、可愛い。でも、結婚…結婚…。セレーネと僕が結婚…。


 僕の顔も熱くなっていく。

 どうしよう。嬉しくておかしくなりそうだ。

 目の前の格好良くて可愛い人を僕の手で幸せにしたい。



 未だに顔を覆って恥ずかしがるセレーネを見て僕は再度決意した。


今回の登場人物

・セレーネ・バークレイ(13)

・アレクセイ(14)

・バークレイ一家

・黒竜

・白竜

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