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消えたプレゼントはどこへ





 消えたプレゼントが気になるルークは、メイド達の部屋へとやってきた。これは不法侵入になるのでは…しかし、しなければならないことがある。まずは監視カメラを設置し、所持品全てを写真に収める。


 何が何やら分からないが一人だけ身分には合わない物があった。


『この指輪…父上の色と似ているな』


 これほど主張の強い指輪は初めて見た。大きな青いサファイアの宝石に純金でできたリングは、なんというか女性が身につけるには少し恥ずかしい。売れば相当な額になるだろう。


 母親の側使は3人。眼鏡をかけているのがリーダー格のように見える。あとの2人は髪を団子のようにまとめており、屋敷に務めて5年程。そのうち1人はレイモンドからの贈り物に気づいていた。勘が鋭いようだ。

ちょうど手帳のようなものがあり、軽く読むとその日のエレオノーラの様子などが記録されている。



ハート2/4───奥様が旦那様が浮気したと泣いて、お子様である小さなお子様を置いて実家へと帰ってしまわれた。なぜ浮気だと思われたのか分かりませんが、お二人の間で何かあったのかもしれません。屋敷に残されたルーク様が心配です。

奥様はずっと片想いをされていたので、心が折れてしまわれたのかもしれません。旦那様は仕事人間ですし夫婦仲が上手くいかなかったということでしょうか。使用人である私は申すことはできません。これからどうなるのでしょうか。


───奥様宛の謎のプレゼントが届きました。どなたか分かりませんがセンスがないです。


…毎月届くセンスのないプレゼント、もしかしたら旦那様からかもしれません。奥様が捨てるよう言われてたので、もう無い可能性が…不味いことになったかもしれません。


…奥様と従兄弟様な仲が噂に。私にはそんなふうに見えません。どこの誰かが噂を意図的に流している?


…奥様の耳に旦那様の隠し子の噂が…奥様が屋敷に戻るとのこと。修羅場だわ


…この子がまさかの隠し子?でもセレーナ様と旦那様は似てません。奥様は隠し子と信じているようです。旦那様から説明もないため、色々と拗れているような気が…


…奥様は離婚を決めたようです。しかし、旦那様から断られたよう。このギスギスした雰囲気、逃げたい。


…旦那様から花束を貰った奥様。嬉しそうです。いつの間にか旦那様が奥様の名前を呼んでました。旦那様の一方通行な気がしますが…

やはりあのセンスのないプレゼントは旦那様ですね。花束、主張が激しくて私はドン引きです。


…毎日届くよ花束が〜朝昼晩と奥様の部屋は花だらけです。目がっ目が痛い。奥様は少し困っているような喜んでいるような。


…やはり気になる、プレゼントの手紙泥棒。



 手帳を閉じたルークはそっと元の場所に戻すと、自室へと戻った。さて、あの手帳を書いた使用人は団子のヘアスタイルである。ここでルークは悩んでいた。


「どっちだ…」


 使用人2人のヘアスタイルも顔も似ているため、どちらが手帳を書いたかが分からないでいた。この世界のモブキャラはほぼ茶髪設定のため、顔で判断するしかない。


『なんだ変態、あの手帳のメイドと手を組むのか?』


「いや、少し利用しようとだな…」


『あの団子メイドが犯人かもしれないしな。警戒したほうがいいだろう。』


 消えたプレゼントは父親に直接確認した方がいいだろう。もしかしたら、なにかしらマークをつけているかもしれない。



 日が沈みセレーナを寝かしつけると執務室へと向かった。父親はまだ仕事をしており、側近の顔には濃い隈ができている。大切な話があるため、側近には席を外してもらい、2人きりにさせてもらった。


「父上、別居中に母上にプレゼントを送ったと話されてましたよね?それって手紙も書きましたか?」


「なんだ?そんな話か?手紙も書いたぞ。戻ってきて欲しいと。その…いろいろとな」


「それが、そのプレゼントとやらが母上の手元には届いてないらしいのです。こちらを聞いてください」


▶再生


『母上、父上からの花束…凄いですね。』


『そうね、どういう風の吹き回しかしたら?あの人からプレゼントなんて今まで一度も貰ったこともなかったのに』


『え?そうなんですか?』


■停止


「どういうことだ?私はいつもエレたんに贈っていたぞ。こうして、デザインも考えて」


そう言って父親はデザイン絵を出した。そう大量の…


「おお…証拠になりそう。これを直接母上に確認できればいいのですが…」


「エレたんに見せた所で疑われるだけだ。これを見て気持ち悪いと言われたら悲しくなるしな」


「ではどうしますか?プレゼントを隠した犯人を探しますか?可能性としては全て売られていると思いますが…」


「私のデザインにはサインが入っているから見つけられるが…」


 デザイン絵に書かれたサインにはオシャレにレイモンドと日付が。


「この日付って…」


「私がエレたんと出会った日だ」


『結婚記念日ではないんだな…というか重いな』


 どこかで見たことのあるサイン。確か、、、


「あっ!これ、あのメイドの部屋にあった指輪だ!」


「メイド?」


「父上、母上以外にプレゼントしてませんよね?」


「当たり前だろ。俺はエレたん一筋だ」


「実はこのサイン見たことがあるんです。これを見てください」


 写真にはあの青いサファイアの指輪である。それを見てレイモンドは溜め息をついた。


「指輪だけか?」


「今の所…」


「使用人には入室の許可を得たのか?」


「………いえ。聞けば隠されると思い」


「仕方がないな。この事は内密にしよう。これ以上調べるのはお前では難しいだろう。あとは私に任せろ。それと、ルーク…これはどこで売っている?」


 父親が指したのはカメラである。ルークが作製したものであり、国中さがしても無いだろう。


「これは…売っていません。」


「どいうことだ?確かに陛下すら持っていなかったが…」


「それは私が製作者ですから」

















ここまで読んでいただきありがとうございます。

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