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ドヤ顔の変態と真顔の変態




 茶会が終わり自室へ戻る前に、ヘタレな父親の顔を見に行く。相変わらず変わらない表情だが、周りには花が咲いているように見える。


「で、伝えられましたか?」


「………はじめてたくさん話せた」


「母上の反応を見る限りも上手く行ったとは思えないのですが…」


「……………………伝えようとしたんだ。ちょうど側近が」


「側近が行くまで30分ありましたよ…。なにか進展はあったんですか?」


「ふっ…名前を呼ばせてもらえる許可を得た」


 そのドヤ顔はどこからくるのだろうか。ルークはポカンと口を開けてしまった。

 名前を呼ぶのに何年かけてるんだ。小学生の青春ですか?とルークは額に手を当てる。


「父上、普通は婚約した頃には名前を呼び合うんですよ。それで喜んでは駄目です。まだ、なにも進めてはいません。」


「…そうだな。まだエレたんには名前で呼ばれてないからな」


「いや、そこではない。父上、まずは母上の誤解を解かないとですよ。それと次はプレゼントを用意したほうがいいかと。」


「そうだな。プレゼントは何がいいだろうか。エレたんには色々とプレゼントはしたが着けてはくれなかったしな…」


「それなら、花はいかがでしょうか?花なら心の優しい母上は捨てないかと思います。」


 それからレイモンドの行動ははやかった。翌日には黄色と水色というTHE俺の色という主張の激しい花束をエレオノーラにプレゼントする。エレオノーラはというと、「……ありがとうございます」と一言。表情は硬い。だが、部屋には綺麗な花が花瓶に生けられていた。

 この調子で大丈夫だろうとルークは監視カメラだけをつけて、「見てますからね」とレイモンドに伝えると自室に引き籠もる。


 ルークには気になることがあった。父親であるレイモンドは別居中に母親であるエレオノーラに大量のプレゼントをしていたと。だが、以前メイド達の会話でプレゼントを貰っているようには聞こえなかった。


そうプレゼントが消えているのだ。


「手紙は書くはず…それにプレゼントを受け取っていれば少しは関係が改善していたはずだ。ならば、誰かが…」


『手紙か…もしくはプレゼント両方を捨てたんだな。手紙だけ捨てればプレゼントだけ母上の手元に届く。知らない人からのプレゼントなんて気持ち悪くて受け取れないしな。捨てたんじゃないか?』


「あのメイドが父上のプレゼントだと勘づいてたから、残している可能性は…低いか」


『手紙のこともある。母上のメイド達の身辺調査をした方がいいかもな』














ここまで読んでいただきありがとうございます。

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