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裏切り



「コホッコホッ……う……」


室内には赤い煙が充満している。それを吸い込んだエレオノーラは咳をしていた。


「おい!!ルーク!!エレたんに害は無いと言っていたではないか!!」


「害はないですよ?これ、唐辛子なんで」


「…なんでお前は平気なんだ」


「私の周りに結界張ってます」


「…それを先に言ってくれ」


レイモンドはエレオノーラをルークに預けると、魔法で窓を開けた。見えるのは唐辛子によって、目を押さえているメイドである。


「メリッサ大丈夫!!」


「母上近づかないでください。そのメガネは裏切り者です。」


「何を言っているの?そんなわけ…」


メリッサが変な動きをされないよう魔法で拘束をするとルークはくるくると指を動かし風魔法で空気中にある唐辛子を外へと出した。


「母上は何がなんだか分からないと思いますので、一から説明いたします。まずはこちらをご覧ください」


ピッと魔道具のボタンを押すと、白い壁にレイモンドの部屋が映される。


「おいっ、ルーク話と違「では、まずこちらにある資料ですね。こちらは、父上が母上に贈っていたはずのものです」」


「………え?こんなに?…あれ、どこか見たことある気が…」


そこにはいままでエレオノーラに贈っていたはずの、指輪のデザインなどがあった。


「これは、手紙付きで母上に父上がわざわざデザインまでしたそうですよ。重いですね…何がとは言いませんが」


「やはり旦那様からのものだったんですね!おかしいと思ってたんです。あんなに主張の激しいの!」髪を団子のようにまとめたメイドが鼻息を荒くしながらペラペラと話しだした。


「手紙がないプレゼントなんて普通は無いんですよ。誰かが手紙を意図的に処分してた。ルーク様そういうことですね!」


「その通りです。そして、その犯人は今回も父上が母上に贈っていた花束にあった手紙にも手を付けていました。」


「わっ私はそんなことしていません!エレオノーラ様!信じてください!それにっ、私がやったという証拠はありませんよね?」


「今回の手紙にはルークが仕掛けをしていた。エレオノーラが開ければ発動はしないが、それ以外の者が手紙になんらかの衝撃を加えるとトラップが発動するようになっている。」


この世界にはない指紋認証というシステムを取り入れた手紙には、触れただけで本人か本人ではないかを識別できるようになっている。そして凄いことに、本人以外が手紙を破いたり燃やしたりするとトラップが発動するのだ。


「私は確認しようとしただけです!」


「それはありえない。他人が手紙を開いてもトラップは発動しない。しかし、このように破こうとすれば…」


ルークが落ちた手紙を拾い破く。バン!と音とともに、赤い粉末が舞う。


「ほらね?お前がこの手紙を処分していた明確な証拠だ。でも馬鹿だよな。本人の前で破くなんてさ。私はてっきり他の場所で処分するのかと思っていたよ」


「……………指が滑ってしまっただけです」


「はぁ…ではこれを見ても言い逃れはできるか?」


壁に映し出される動画の場面が切り替わる。場所はごみ処理場である。







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