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「主要な地区に連絡は終わりました」
「外壁門は連絡し開放済みです」
「門外の地域に治安維持部隊は到達済みです」
ホールに向かうとギルド職員たちが慌ただしく情報交換をしている
移動可能な机と情報板を中央に固めておそらく上席と思われる職員が避難先などの選定に追われている様子だった
その少し外れた場所では普段ではダンジョン外で見る事はないダンジョン採掘用の銃器や爆薬が所狭しと積み重なっている
その中心ではロレーヌが何かのリストと現品を照らし合わせるように確認していた
「随分早く集まったんだな」
私がそう声をかけると一瞬戸惑ってから「服装が違うから誰かと思ったわ」と答えが返ってくる
「ダンジョンからも強烈な反応が観察されたから探索部隊を編成する予定だったのよ」
「なるほどね・・・おそらくその装備で中に入ったらすぐに音信不通になるね」
私は昨日見た新型の魔道具が沢山並んでいる様子を見てそう答える
「これ・・・一応傑作と言われている滅多に見ない高性能汎用型なのよ」
「昨日試した出力を見てる限りだとおそらく歯が立たないモンスターが出現しているからね」
ロレーヌは少し唖然とするがその中から4本の銃と飛行用魔道具を取り出し手渡してくる
「それでも用意できる最高の物ね・・・弾薬用のムースと爆弾はありったけ持って行ってかまわないわ」
そう言って少し外れたところに所狭しと銃型の魔道具に取り付けられる(ムース:魔力電池)が加工された弾倉とムースを一気に爆発エネルギーに変える魔道具を取り付けた使い捨ての爆弾が山積みされている所を指さす
すると空間がぼんやりして急にポーラが姿を現す
「フリオさん この量の荷運びは大変に苦労しますけど・・・ポーターは必要でないですか?」
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バイクとスケートボード型の飛行用魔道具に乗って私とポーラはダンジョンの入口へと急いでいた
「ポーターに守秘義務なんて馬に念仏って話ですよ」
「信用できないだろそれじゃ」
「世のポーターが全員そうだとは思いませんけど・・・財布の中から夜の趣味趣向まで触れるような職業ですから信用をしてもらうしかないですね」
ギルドから貸与されている左手の腕輪を撫でながら死んでも付いていくという意思を曲げないポーラに折れて同行を許しそれなら見たことは他言無用と念を押して言った答えがこれである
それと同時にロレーヌから白黒のオーラが通り過ぎた後から魔道具の通信機器は使用不可能になっていると言われた
調査目的でマーセラとバージルと新人のジムとアリーがダンジョン内に居るそうだが連絡が取れないので発見次第緊急帰還を伝えて欲しいと依頼を受ける
「フリオさんダンジョンの入り口ってあんな色でしたっけ?」
虹色に輝いているダンジョンの入り口を見て俺は首を横に振る
「嫌な予感しかしないですね」
「それだったら今でも引き返した方がいいよ・・・本当に命の保証は出来ないからね」
ギルド会館と区画は一緒ではあるがダンジョンからのスタンピードを防ぐために設けられた防御壁を上から超えて一気にダンジョンへと侵入する
外とダンジョンの境目を抜けた辺りでむわっとした熱風を感じたとたんに一帯の景色は溶岩が空から流れ落ち火口へと注ぎ込まれている火山に変化する
「うわ!なんですかこのフィールド」
ポーラが驚きの声を上げるがそれを気にも留めずに足場になりそうな位置にバイクを下すとポーラがそれに従う
「フリオさんは全く驚かないんですね?」
ポーラが飛行用の魔道具をしまい込むとすぐに身隠し用の装備を纏って準備をする
普通のダンジョンでは現実離れした光景を再現されることはほぼないがインスタンス・ダンジョンでは割と普通な光景だ
あまりポーラに口外するわけにもいかないので言葉にはせずにブックを開くと昨日使ったばかりの(蜜蜂:虫 B)のメダルを取り出し召喚スロットに投入する
(クールタイム中:1d5h32m)と表示をされるがブックの機能であるクールタイム短縮機能を使うと銀貨1枚で1日短縮できるので2枚払って召喚する
「自壊しないように注意を払って周囲探索 探索優先目標は人と腕輪 ポーラに数体補助で付いて通信補助」
何もないところから無数に青色の発光が発生すると無数の(蜜蜂)達が飛び出す
ポーラがその光景に驚きながら見つめているが私が与えた指示を蜜蜂達が把握すると一気にそれぞれが飛び去る
「ポーラ 通信の魔道具は私だけに通じるようになると思う 周囲地図は私とリンクして見てくれ」
腕輪からサングラス型の魔道具を取り出すとポーラに伝える
ポーラは短く頷くとすぐに姿を消した
少しずつ地形情報と敵性反応の情報が上がってくるがその反応はまだまだまばらだ
その合間にブックの階層情報を確認すると【 1 / 9ョ 】となっておりもしかすると機能してないこと確認する
5分ぐらいすると下層階への通路が見つかるが今のところ人や腕輪らしきの発見情報はなかった
だが敵性反応のいくつかがこちらに感付いて近づいて来ている兆候が出る
「ポーラ 下階への通路を発見したがこのフロアの探索が終わってないので徒歩で移動する」
私の通信にポーラは了解のサインを通信機越しに返してくる
「それと道中戦闘になるが今のところ手出しは不要 状況開始」
腕輪から(水:凍結)属性系統の魔法杖のカードを取り出しブックにセットすると杖が具現化する
その杖を空中に固定するとギルドから借りた掘削銃を装備して移動を開始する
500mぐらい進んだところでファーストコンタクトとなる
相手はダンジョンコア内では見る事のない(ファイヤエレメント)とブックで名がつけられた魔石のコアが宙に浮かび揺らめくことはないが半透明のオレンジ色の炎を身に纏った魔力の塊のようなモンスターだ
50mぐらい接敵したが相手はまだ気付いていない
銃の切り替えを(凍結)にしチャージが終わるとすぐに発砲する
凍結も発射音は殆ど無い
ピィィィィン ピシャァァッ
銃弾を受けたファイヤエレメントは体の一部凍り付くがすぐにその部位を切り離した後に欠けた部位を炎で覆うとすぐに再生する
銃のチャージはその再生が終わった後で60%ぐらいだった
やはり火力が劣っている
ブワオォォォォッ
ファイヤエレメントは銃撃で発生した魔力の残渣を頼りに反撃をしてくる
だが炎の速度は目で見て買わせる程度の速度だ
私はすぐに炎を回避し同時に銃を捨て魔力杖を装備すると(フリーズ:凍結)の力の言葉を開放する
ファイヤエレメントは青白い光に包まれると一気に凍結する
シュゥゥゥ パキン パシャーン
それに耐えられなかったファイヤエレメントは真っ白に凍結した後コアごと砕け散る
「フリオさん・・・今のは・・・」
通信機からポーラの声がするが魔法杖を宙に固定して先ほど放り出した銃を拾って構えなおすとモニターでポーラの反応が見えているあたりに向かって「シィー」とハンドサインを出した
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その後下階への通路に着く前にこのフロアの探索は完了したが人の気配はなかった
敵性反応もファイヤエレメントばかりだったため昨日のダンジョン探索でも使った飛行用魔道具を使い移動を加速する
移動中何回か敵と遭遇したが時間をかけられないので力の言葉で圧倒する
下階への移動は予想通り(転移門)だった
飛行用魔道具から降りてポーラをしばらく待つとポーラは姿を現して近くに寄ってくる
「ポーラ この門をくぐるがその先は世界が変わったようになる 門の付近は敵が出ないから覚えておいて」
ポーラは私に何かを言いたそうな雰囲気を出すがそれを気にせず門をくぐる
門をくぐるとフィールドは溶岩と火山から打って変わって一面海に覆われた孤島の砂浜に変わる
私の後に遅れて門を通過してきたポーラはその光景にまた驚く
私はブックを確認すると階層の表示が【 1ィ / ?? 】となっており表示バグが続いていることを確認する
「蜜蜂 周囲探索を開始」
青い光から無数の蜜蜂が先ほどと同じように出現すると階層が変わって空白になっていた地形情報が埋まり始める
この階はそれほど広くなく500m四方程だったので探索がすぐに終わる
敵性反応も人の反応もないが転移門がある位置付近に1つだけ大型の反応ありと結果が出る
「ポーラ 危険な反応があるのでここで待機しててくれ」
私がポーラに伝えるとポーラは深く頷きその場に座った
私は歩いて移動を開始するとその大型反応は砂の中に潜んていることがわかる
掘削機は役に立ちそうもないので腕輪にしまい新しい装備カードを手にするとそれをブックにセットして具現化する
(雷:電撃)属性系統の大槌だ
装備の柄を握るとそれに呼応した槌は魔力を帯び始める
私が歩いている足音は既に気付いていると思うがそれにも鳴りを潜める相手に手痛い先制攻撃を加えるべく私は魔力が十分に溜まった大槌を地面に振り落とした
バチィィィイィィン
大槌は叩かれた地面を中心に目に見えるほどの電撃と火花を散らせる
ピュグァァッァァ
その衝撃と威力に驚いた大型反応の主は堪らず地面から這い出す
(シーザース・ターズ)と名付けられた大型蝦のモンスターだ
這い出した巨体は10mぐらいの体長で2mぐらいの大きな鋏を両腕に構える
まだ全身が這い出す直前に私は(インパクト:衝撃)の力の言葉を発する
巨体を跳ねて躱そうとするがすぐに(蜜蜂)から到達予想の軌道が表示されたのでそれに合わせて大槌を投げ込む
ドォォム バチィィィイィィン
インパクトは躱されるが同時にシーザース・ターズの飛び跳ねた先に強烈な電撃が瞬く
ピュグァァァァ ドォン
シーザース・ターズは力なく悲鳴を上げると地面にたたき落されその場で痙攣している
私は魔法杖を手に握ると凍結の力の言葉を発し追撃する
シュゥゥゥ ピィィィィン パキン
シーザース・ターズは青い魔力に包まれると全身を一気に氷が覆う
まだコアは砕けていなかったので魔法杖を宙に固定し大槌に向かって(テレキネシス:念動)を発動すると手元に引き寄せる
柄を握りしめしっかりと魔力が帯びた大槌をシーザース・ターズの頭に向かって振り落とす
ゴッガァッ バチィィィイィィン パシャーン
大槌の衝撃と電撃に耐えられなかったシーザース・ターズは巨体が割れてコアが砕け散るとそのまま覆っていた氷ごと霧散した
私はふぅっと一息付くと先ほどから後ろから覗いている影に向かって
「ポーラさんはあんまりデバガメしてると身を亡ぼすんじゃないですか?」
と言い放つとしばらくの沈黙の後にバツが悪そうな面持ちでポーラが姿を現す
「まさかこの隠匿まで見破るんですね・・・フリオさん」
ポーラが何とも言えない表情で聞いてくるが何がどのくらい凄いのかはわからなかったので両手を宙に仰いで「さぁ?」と言った
「まだ中にいるというマーセラ達と会えてないですから急ぎましょう」
私はそう言うとシーザース・ターズが張り込んでいた転移門を指してそのまま歩き始めるとポーラを急かした
書いてる途中ですがうまくいったら次話まで今日出せると思います




