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あたり前の時間  作者: HARU
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あたり前の時間

第13話


●二人の想い




○津盛家



「真裕ちゃん」と、智耶さん。



お姉ちゃんと智耶さんの二人の光景を、ずっと心にしまったまま、津盛家で会う事になった智耶さんと私。


晴輝も今日は愛澤家で会う話をしていたのか、お姉ちゃんが言ってきた。


「晴輝君が家に来るから」と ――――



私は、あの出来事を目の当たりにして、今後付き合っていく気にはならないと思っている。


晴輝も時間の問題だと。



「何ですか?」

「話があるんだ」

「話……ですか?」

「ああ」




○愛澤家



「晴輝君」

「はい」

「話があるの。晴輝君……私の事好きなんだよね?」

「それは」

「だったら……私の事、抱いてくれても良いでしょう? 私達、付き合っているのよ」



そう言うとキスをし押し倒される俺。



「ちょ、ちょっと夏奈さん、どうしたんですか?」

「私、あなたの事好きなのに……どうして? もしかして真裕が好きなの?」

「真裕?」


「……年も一緒だものね」

「夏奈さん……」

「私、色気ない?」

「いや……色気ないとかあるとか……正直……自分の想い今、ハッキリしてなくて複雑な毎日送ってます」


「えっ? 晴輝君……」

「夏奈さんは、本当にこのままで良いんですか? 話があるとか言って目的違うし! 第1、兄貴とキスしておいて関係も持っておきながら良く平気でこういう事出来ますね」


「晴輝君……」


「正直……今の俺……夏奈さんとこのままやっていく自信なんてないです。正直……あなたの事……好きでした……今の俺には……それしか言えません……」


「……過去………系?」


「それに……俺も人に言える立場じゃなくて……アイツといる方がありのままの自分でいられます。アイツに触れたくて……気付いたら……アイツの事一人の女として見てて……」


「……晴輝君……」


「夏奈さんが兄貴と関係持った様に、あの日、アイツと関係持つ事、平気で出来る勢いだったから……だから…ごめんなさい!」




俺は部屋を飛び出した。





○津盛家


「このまま、俺への想い変わらない?」

「えっ? ……智耶さん…?」

「真裕ちゃんの中には誰がいるの?」

「……私は……」

「晴輝?」



ドキン

名前を聞いて胸が大きく跳ねた。



「それは……」


「俺……真裕ちゃんに謝らないといけない事があるんだ」

「えっ?」

「アイツ、夏奈が、かなり飲んでいた日があった日、アイツと関係持った」


「……知ってる…」

「えっ!?」

「バイトから帰ってきた時、偶々、遭遇して…関係持つ前だったみたいで……お姉ちゃんが智耶さんを求めてる様な…二人キスしてたし……」


「そっか……夏奈も自信なくしていた感じだったから……真裕ちゃんの事好きなんだけど、夏奈が心配で仕方がなかった。晴輝に自分の想い伝えたら?」



「えっ? 智耶さん」

「アイツの中には、夏奈と真裕ちゃんの想いが行ったり来たりしているんだと思う……いや……真裕ちゃんへの想いが強いかもな」



そこへ ―――――



「ただいま」


「おかえり。晴輝」

「ただい……ま……あっ! 悪い……二人一緒だったんだ……すぐ出掛ける……」

「良いよ。俺、出かけるから」

「えっ? だって……」

「ていうか、お前、夏奈と一緒だったんじゃ」

「……あ、まあ……今……別れてきた」


「そっか……」

「自分の想い複雑だったし……このままやっていく自信ないって思ったから…夏奈さんには、すっげぇ悪い事したかも……」


「晴輝……そっか……じゃあ、俺、夏奈の所に行くから、真裕ちゃん、ゆっくりしてって」

「智耶さん…」

「アイツが心配だから」

「はい、宜しくお願いします」



智耶さんは出て行った。



「お前、良かったの?」

「えっ? あ、うん……私達、別に付き合っていた訳じゃないから。友達以上恋人未満?」

「そうだったんだ」

「うん」



「…………」



「晴輝も色々大変だね」

「あー、お陰様で。恋愛に振り回されっぱなしだし。なあ」

「何?」

「お前の中には誰がいんの?」


「えっ?」


「兄貴? それとも……」



ふわりと抱きしめられた。


ドキン



「俺?」


「……それは……」

「正直……俺はお前が好きだけど?」



ドキン



「えっ? 晴輝……」


「喧嘩してバカしあって……時々……お前の事、一人の女として見ている自分いた。でないとキスなんてしねーし。お前に触れたくて仕方がなくて……」


「晴輝……」


抱きしめた体を離すとキスされた。



「俺との事、考えてくんね? 真裕」



ドキン


「…………」


「そんなの……言われなくても……晴輝以外いるわけないよ」


「えっ!?」


「お姉ちゃんと付き合う事なって……二人の時間なくなる事に凄く寂しさ感じて……私がこっちに来て四人で出掛けるようになって……晴輝のお姉ちゃんちゃんへの想い知って、あたり前に過ごした時間が増えて来てから、気付かなかったんだと思う」


「真裕……」


「私……晴輝が好きなんだと思う。こうして一緒にいる時間が凄く幸せだから」


晴輝は再びキスをし深いキスをされた。



私の手を掴み、部屋に連れて行く晴輝。


キスをされ、ベッドに倒れる私達。


「お前の事、抱きたいけど……今日は辞めとく」

「えっ?」

「焦って後悔したくねーから。夏奈さん振って、お前に手を出すなんて寂しさ紛らわすみたいで俺が嫌だから」

「晴輝……」

「これからも宜しくな!」

「晴輝……うん……」




私達は再びキスをした。


































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