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あたり前の時間  作者: HARU
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あたり前の時間

第8話


●クリスマスイブ



ある日の事 ――――


3人は私を励まそうと、4人で出掛けた。

向かった先は遊園地。


私達は楽しんだ。




「今日はありがとうございました! お陰様で元気になりました」


「真裕、ほら、お前にやるよ」

「えっ?」



袋を渡された。

お土産屋さんで買われたと思われる袋だ。



「特別、俺からのサプライズプレゼント。じゃあ、またな」

「……うん、ありがとう」




私はお礼を言い、兄弟と別れた。




「真裕、1日楽しめた?」

「うん」

「そうか。ねえ、真裕。晴輝君と付き合ったら?」

「えっ!?」

「クラスメイトだし、今日の提案、晴輝君が智耶にお願いして頼んだらしいわよ」



「えっ?」



≪晴輝が?≫


内心、意外な相手の名前が出て驚く。



「……そうだったんだ……」




だけど、お姉ちゃんがいう、クラスメイトだからと付き合う理由なんて何処にもない。

それに、晴輝は、お姉ちゃんが好きなんだから私が何か言った所で何も変わりはしないだろう。

私は言いたかったが黙っていた。



「クラスメイトでも、お互いの気持ちがないんじゃ」

「友達から付き合ってみたらどう?」




友達。

既に友達である私達。

もし、付き合うならお互いの想いがない以上、それ以上の進展はない。



「ううん。今のままで良いよ」

「そう?」

「うん。恋愛感情ないし、あるなら行動起こせるけど私達は、ただのクラスメイトで友達だから」



「そうか」

「うん」



ある日の学校帰りが事だった。



「真裕ちゃん」

「智耶さん? どうしたんですか? まだ、仕事じゃ」

「今日は、有給貰ったんだ。それより、ちょっと付き合ってもらえるかな?」


「えっ? 今からですか?」

「都合悪い?」

「いや別に大丈夫ですけど」

「じゃあ、取り敢えず車に乗って」

「分かりました」



私は助手席に乗り込む。



「どう? あれからバイト見付かった? チェックしているのあったりする?」



車の運転をしながら、智耶さんが尋ねた。



「いいえ。早く見付けたい所なんですけど……」

「そうか」



そして、車はとある場所に到着。



「ここは?」

「俺の友達がオーナーをやってる雑貨屋さんなんだけどやってみない?」

「えっ?」


「ここからなら学校からも遠くはないし、俺の職場からも遠くはない。今、人探しているんだって。バイト探してる最中なら取り敢えず、どうかな? と思って下見で連れて来た」


「私なんかで大丈夫ですか?」

「クリスマスシーズンとか特別のイベントがあると、特に忙しいらしいけど人気あるお店だから」

「そうなんですね」



私は取り敢えず面接をしてみる事にした。

面接当日。



「合格!」

「えっ?」

「明日から早速来てもらえるかな? 夕方5時位からどう?」

「はい!ありがとうございます。宜しくお願いします!」



智耶さんの友人。

朝伊紫 和幸さん。20歳。




バイト初日 ―――



「朝伊紫さん」

「和幸で良いよ」

「じゃあ…和幸さんは、20歳で、オーナーって凄いですね!」

「そう? 元々、アクセとか好きだったけど、高卒して独学で猛勉強して要約って感じだけど」



「いや、でも凄いですよ! 所謂、自分の趣味とか夢が、こういう風に形になっているんですから。私は夢も何もないので毎日平凡です」


「平凡は平和な証拠で良いんじゃない?」

「そうですか? 毎日、刺激があった方が良くないですか?」

「えっ!? 余り刺激あるのも……」



私達は、色々話しをしながらバイトをしていた。




そんなある日の事 ――――――



「真裕ちゃん」

「あっ! 智耶さん」



私のバイト先に智耶さんが訪れた。



「頑張ってる?」

「はい! せっかく紹介して頂いたのに辞める訳にはいかないし。というより、すっごい楽しいので辞める気はないんですけど」


「そう? それは良かった」

「よぉー、智耶。お疲れ!」と、和幸さん。

「よぉー、お疲れ! どう? この子」と、智耶さん。


「全然頑張ってくれてるから助かってるよ」

「そうか」



私は二人に茶化されつつ少し話をしていた。




「真裕ちゃん、クリスマスとか何か予定ある?」



ある日のバイト中、和幸さんが尋ねてきた。



「いいえ! 全くといって良い程、何もありません」

「可愛いのに勿体ないね」

「じゃあ、立候補しますか? な~んて。私じゃ恋愛対象になりませんよね?」

「検討してみようかな?」


「えっ!?」

「な~んて嘘! あいにく俺、彼女いるから。いなかったら立候補しても良かったけど」

「えっ? いなかったらって…冗談…」

「いやいや、冗談抜きで」

「冗談がうまいなぁ~私は騙されませんよ!」

「そう?」

「そうです!」



私達は、色々話しをしていた。




その日の夜 ―――



「お姉ちゃん。24、25日は、智耶さんとデート?」

「一応ね」

「一応って…」

「お互い年末に向けて色々と忙しいから、どうなるか分からなくて」

「そうか」


「真裕はバイト?」

「うん。遅くなると思うよ。24、25日は忙しいらしくて」

「そう。大変ね」



私達姉妹は色々と話しをし、愛澤家の夜は更けていく。




12月24日。クリスマスイブの日。



「真裕ちゃん、イブなのに御免な」

「いいえ、大丈夫です。どうせ暇なんで。それより、和幸さんは良かったんですか? せっかくのイブなのに彼女さん淋しいんじゃ……」


「大丈夫! 仕事終わったら会うように予定入れてあるから」

「そうかぁ~……良いなぁ~……私、相手いないから凄く羨ましいです」


「でも、真裕ちゃん可愛いし告白してくる子いそうなんだけど。どうなの?」

「全然です。確かに告白する事はあったんですけど……良い恋愛してないんです」

「そうかぁ」




そして ―――――



PM 9:00



私のバイト時間は終わった。

外は空から雪が降り始め、街中はクリスマスのイルミネーションで輝き、カップルや家族で賑わっていた。



「クリスマスイブかぁ~……ううっ……寒っ!」




グイッ ビクッ

背後から突然肩を抱き寄せられた。



「きゃあ!」


「ねぇ彼女、一人? 遊びに行かない?」

「えっ!? ご、ごめんなさいっ! 私……」

「シングルベルの愛澤 真裕さん」

「えっ!?」


ドキッ


振り向く視線の先には至近距離にある晴輝の姿。



「晴輝ぃぃっ!? 何でいるのっ!?」

「二人に頼まれたから」

「えっ?」

「二人?」

「兄貴と夏奈さん」

「あー…二人一緒に過ごす事になったんだ……晴輝、良く辛くないね」

「えっ?」


「私は良いのに。一層の事、想い伝えたら?」

「別に良いし!」

「……でも……」

「片想いだって幸せだって時あるし」


「辛いだけじゃん!」

「仕方ねーだろ? 偶々、運が悪かったんだよ。つーか、そういう人生だって思うしかねーじゃん!」

「…晴輝…」



くしゃくしゃと私の髪をする。


ドキッ

私の胸が大きく跳ねる。



「そんな顔すんなよ!」

「えっ? 私は別に……」


「帰るぞ!」

「うん……」


「お前、明日バイト?」

「あ、うん……バイトだよ。晴輝は?」

「俺もバイト」

「……そっか……」



私達は、色々話しをしながら帰る。

どうやら、私は、計画的に津盛家に泊まる事になっているかのように着替えが一式、津盛家預けてあった。


















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