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93 武闘会 その6



私達はマリリン第三王女の招待を受けたランチを堪能した。ランチの最中に事あるごとにマリリン第三王女が父上や母上を「お義父様」「お義母様」等と呼ぶなど、アピールが凄かった。まぁその度にミーリアから打撃を与えられていたが、くじけず言い続けていた事だけ報告しておく。

そして、その後は屋台へ移動して家族一同で食べ歩きをした。この世界の色々な物を堪能した。食べ物もそうだが、金魚すくいならぬ珍魚?すくいや、的当て等の余興もしっかりと楽しんだのだ。私がやるとズルい気がして余興関係はやらなかったが、弟達が一生懸命する姿は見ていて楽しかったし心がほっこりした。特にがむしゃらな姿は皆を笑顔にしたし、珍魚すくいでゲットした珍魚を母上に見せて母上の絶叫などもあり充分と遊んだ。だからその夜の弟達は屋敷に戻るとシャワーを浴びてベットに横になると直ぐにぐっすりと眠った。


「ザバルティ様、準備が出来ました。」


「わかった。」


ミーリアを伴い寝室を出て食堂に向かう。食堂には父上やお爺様や屋敷の主だったメンバーが顔を揃えた。


「すいません。集まってもらって。」


「良い。で大切な話とは何だ?」


父上が代表して聞いてくれた。


「はい。正直言いますと屋敷のメンバーは知っている事なのです、父上達にも知っておいて欲しいと思いまして、お集まり頂きました。今から話す内容は他言無用でお願いいたします。」


「良いだろう。お前の言う通り他言せぬ。皆も良いな?」


父上は自身の部下を見渡し確認を取る。父上の部下たちは皆頷いている。


「では、早速本題に入ります。一か月前に神託を女神様より頂きました。内容は悪魔が興味を私に持ったという物でした。そして本日、叡智の悪魔ジャスティと名乗る者が私に会いに控室にきました。」


「な、なんと?!」


「まぁ、ザバルティが神の使徒であるのだから悪魔と名乗る者が出てきても不思議ではないのぉ。」


色々な発言があったが、皆一様に驚きと不安を抱いているようだった。


「私自身は負ける気がしませんでしたが、正直私の知る悪魔という者達は正面から仕掛けてくるような者達では無いのです。ただ全ての悪魔がそうであるとは言えません。私に知識が足りてないので。情報を集める為にラムザ殿の力を借りるつもりです。ただ、少なくとも皆さんは警戒をしていて欲しいのです。いつ襲われても大丈夫なように。」


皆が険しい顔になる。悪魔と聞いて険しくならない方がおかしいというものだ。


「それで、今日は容赦がない闘いをお見せになったという事ですか?」


「そういう事です。牽制を込めた行動という事になります。ただ、あの悪魔があれを見たからと言って手を引いてくれるとは思いません。ですので、警戒をして欲しいのです。」


「なるほど。良く分かった。しかし悪魔か。また大変な者に目を付けられたな。」


「全くです。」


苦笑するしかなかった。しかし今いるメンバーで怯える者が居なかったのは良い事だと思う。怯えていては戦えない。


「では警備体制をすり合わせしましょう。」


ここまで黙って聞いていたトーマスが口を開いた。それに返事をしたのはロバートの父であるルクセントさんだ。マカロッサ家に代々仕えてくれている騎士であり、父上の右腕でもある。話は逸れるが名の父を持ていて何故ロバートはああなのだろうか?

そして、もう一人、マカロッサ家の魔術師を束ねるアリソンの父であるアルカードさんも返事をしていた。ここでも逸れてしまうが、何故あの聡明な父を持ちながらアリソンはああなのだろうか?


「良いだろう。ではアルカティ様にロマネス様、そしてザバルティ様。細かい所は私達にお任せを。皆の者もゆっくりと休める時に休んでおいてくれ。」


「では私達は別室で話をしましょう。」


二人に答える様に、トーマスとユカが席を立ち、四人は部屋を出て行く。


「父上、今後は王都に来た時はこちらの屋敷をお使いください。」


「そうしよう。その方が警備も楽だろうからな。」


即座に、理解してくれて納得してくれた。そうして着々と準備を進めたのだ。



◇◇◇◆◇◇◇



武闘会において私は着々と勝ち進んだ。

二回戦は宮廷魔術師のデイトナー・ビッセルが相手であった。相手の動きを封じる事なくデイトナーに好きなように魔法を撃たせた。それを全て真っ向から同じ魔法で対抗するという形で力を見せる事にした。最後の方でデイトナーが泣きそうになっていたのに気づいて、その後直ぐに気絶させて勝利した。

続く準々決勝は前年優勝者のゼスクド・バイエン。ゼスクドはそれまで見せていなかったバイエン家に伝わる秘技や精霊魔法等を駆使して挑んできたが、それも二回戦と同じく同じ魔法で、同じ秘技でゼスクドより威力や正確さ等を越えてみせる形で返した。流石のゼスクドも降参を選んだ。このように完勝したと言って良い内容で準決勝にコマを進めたのだ。


「次の相手は異国の魔法剣エリザネス・ジェスターだな。」


「そうなりますね。彼女はどうもアスワン王の推薦を受けて参加の様です。闘いを見てきましたが、未だ魔法を使用しておらず、圧勝して勝ち上がっています。お気をつけください。」


シーリスから見ても少し不安にさせる相手のようだ。改めて気を引き締めよう。




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