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84 体育祭のエントリー



「ザバるんもようやく知ったのね?」


「知るも何も聞いただけですよ?」


「そうよね。でも私を含めてあの決闘を見た者は全てミーリアに対して畏怖の念と尊敬の念で見る様になったわ。」


なるほど、だからこの間ミーリアに取り押さえられたんだなって思ったが、言わないでおこう。確かにあれは人外の者の動きだと思うから。聞いただけでそう思うのだから、実際見た人はそれ以上の思いがあるだろう。


「それより、マリリン第三王女。色々手を回してくれたと聞いたよ。ありがとう。」


「うぅ。ザバるん。そんなの気にしないで良いのよ。私が勝手にやっただけなんだから。でも感謝してくれてありがとう。じゃあ、婚約しましょう。」


「それは別の話ですよ。全く油断できないじゃないですか。ここぐらいは気を緩めさせてくださいよ。」


「それは可笑しくない?私は仮にもこの国の第三王女なのよ?わかってる?」


「( ̄∇ ̄;)ハッハッハ。やっぱりだめですか?」


「ダメに決まってるわ。それに、このタイミングでしか会えないんですから。」


「ですよね~。」


やはり駄目なようだ。婚約云々は別にしてもマリリン第三王女とはかなり親しみを持って接する事が出来る様になってきたと思う。まぁ、なめているとも言えるかな?


その後、私はいつも通りの午後を過ごし翌日を迎えた。

今日は体育祭の出場種目を決める日だ。今回は何かに出るつもりは無い。単純に見学者で居たいと思う。



◇◇◇◆◇◇◇



「さて、今日は出場種目決定日だ。決めてきたであろうな?」


何故か今日は学院長自らが朝礼をしている。やはりこの体育祭には並々ならぬ力を入れているのだろう。気合が入っているようだ。


その後、エントリー用紙を渡され記入するように言われたので、エントリー無しで出した。


「では後程発表があるであろう。そうそう。ザバルティ君。」


「はい。」


「君は、基本的にエントリーの物は通らんと思っておいて欲しい。君は武闘会の参加になるからのぉ。」


「はぁ?それは推薦のみで決まるのではないのですか?」


「その通りだ。だからこそだよ。君も聞いたのであろう?前回の団体決闘の事を。」


「はい。聞いてます。」


「では想像できるのではないかな?従者よりも弱い主人であるとは誰も思うまい。ましてやその従者が自分より遥かに強いと、自分など足元にも及ばないという主人を見てみたいと思うものではないかな?」


あちゃー(ノ∀`)アチャー

これは逃げ道がないのでは?私は諦めるべき?


「ザバルティ様大丈夫ですよ。皆が応援しますから。」


そういう事ではないよロバート。私は目立つのは避けたいのだけど。


≪本当にそう思っていますか?≫


そう?思って無さそうかな?やっぱり?


「わかりました。心の準備をしておきます。」


「おう?!やる気になったな?」

「いいじゃん。いいじゃん。」

「無理しないでね。」


周りが騒めき出す。そりゃそうか。この間の団体決闘でトーマス達が凄い事をやらかしてるから期待値高いんだろうな。


「ふむ。わかれば良い。期待しておるぞ。お前の為に特別な物にする予定だからな。」


「特別?」


「期待しておれ。」


学院長は不敵な笑顔を見せると、そのまま教室を出て行った。ねぇどんだけ期待されてんの私は?


≪かなりです。超特待生を見せる機会であり、学院の力を示すいい機会だと捉えられているようです。ミーリア殿達の活躍が期待を更に膨らませているようです。≫


マジか?仕方ないかなこれは?従者のした事に対する結果だし、責任はとらないとダメか。


≪ザバルティ様なら大丈夫ですよ。ちゃんと期待に応える事が出来ますよ。≫


そりゃ、そこら辺の人が来ても負ける事は無いと思うよ?でも本気出す事は難しいでしょう?強すぎてしまうのだから。


≪それも心配しなくて良いと思われますよ。何せ世界は広いですから。≫


危険な香りのする言葉が出たよ。世界は広いってさ。


「どうしたんですか?」


「いや何でもないよ。ちょっと考え事をしていただけだよ。」


ミーリアに心配される位に一人考えていたようだ。


「でもワクワクしますね。一体どのようなサプライズがあるんでしょうか?学院長は『特別』にって言われていましたから、きっと凄いスペシャルがあるんですよね?」


「そうだね~。アリソンとしては凄い魔法使いが来ると燃えるんだけどなぁ~。」


「ふん。前回はお前たちに主役の座は譲ったが、今回は俺、カイ・ローエン様が主役になる!!」


「でもさ、ザバルティ様がやるとなると、会場の防御システムを作り直したり大変だと思うな~。」


「そうなの?そんなに凄いの?」


見事なカイスルーをしてアリソンが言うとセレスティアが食いつく。


「俺が本気を出せば山は跡形も無く消し飛ぶ事になるから補強が必要だろう!」


「そうねのです。ザバルティ様の力は私達では足元にも及びません。」


「誠ですか?それは一度ちゃんと見てみたい。」


ミーリアが自分の如き自慢をするとミアが食いついた。やはりここでもカイはスルーされた。

カイ頑張れ!!私は応援してるよ。






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