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79 ひと悶着 その3



「おいおい。それじゃ、アクセラ学院長公認で団体決闘って事?」


「結果そうなりました。」


「マジか?でその後はどうなったの?皆が無事の様子だから特に問題は無かったんだと思うけど。」


「えぇ。まぁそうですね。」


「何々?その歯切れの悪さは?」


ちょっと怖いんですけど?



◇◇◇◆◇◇◇



「という事で今より丁度一週間後に団体戦の決闘をおこなう事になった。異存はないな。」


「「「「「はい!」」」」」


「よし。では各自準備をしておくように。対戦相手は事前に知らせておくのは今回はしない。当日発表となる。こちらの順番を決めておくように。」


「「「「「はい!」」」」」


キースからそう告げられた後、今回のメンバーになった5人を中心として集まった。


「順番どうするの?」


「俺様は大将だな。」


「はぁ?カイがカンセンと言うのはダメね。」


「あん?どういう事だ。」


「男のアンタが圧勝しても、プライドを折る事にはならないわ。」


「じゃあどうすんだよ。どう考えてもアイツは大将として出てくんだろ?」


「私がやるわよ。あんな奴は私で十分よ。」


「は?なんでミーリアなんだよ?お前戦えるのか?」


「私が伊達にSSクラスに居るわけじゃないのよ?戦えるわ。」


「そうなのか?トーマス。」


「問題ない。ロバートに剣では負ける。アリソンに魔法では負ける。しかし共に得意じゃない方ではミーリアの方が強い。まぁ純粋な能力ではという事だが。」


「そういう事。徹底的にプライドをへし折ってやるわ。それにザバルティ様に対する発言を絶対に撤回させてから、数回にわたり気絶させて公衆の面前に立てなくしてやるんだから、それに・・・」


ミーリアの恐ろしい顔を全員が目撃した。反対をする者は現れなかった。ミーリアの最後の方の言葉は皆意識的に聞こえないようにした。


「兎に角、大将がミーリアなら副大将は?」


「じゃあ、それこそ俺だ・・・」


「副大将はアリソンにしよう。中堅は?」


「それこそが俺・・・」


「中堅はロバートで次鋒がトーマス。残りは・・・。」


「先鋒こそ、俺に相応しい!」


「うん。カイだな。」


めげないカイにメンバー以外のメンツたちは称賛を心で送っていた。


「先鋒は勝負を左右する大切なポジションだ。確りと頼むよカイ。」


「応よ。任せておけ!!」


トーマスの上手なよいしょに、カイは満足顔だ。メンバー以外のメンツはトーマスの恐ろしさを感じていた。こいつは危険だと頭の中で警笛が鳴るのだった。脳筋の扱いが上手いと。


「じゃあ、順番も決まったしこれからどうする?練習でもするかい?」


ロクトルの言葉にカイ以外が反応した。


「いやいや、必要ないよ。例えどんな奴が出てきても問題は無い。余裕だよ。」


「うん?そんなに余裕ってどういう事?少なくとも伯爵家が揃えてくるメンバーだよ?決して弱くは無いよ?」


怪訝なロクトルを尻目にザバルティ・カルテットが答える。


「「「「どんな奴も魔物でさえも、ザバルティ様の足元にも及ばない。そんな奴に後れを取る私達ではない。」」」」


唖然とするカルテット以外のクラスメイト達。


「あぁ、そうかい?これは失礼した。」


ただ唯一ロクトルだけがなんとか声を絞り出しただけだった。



◇◇◇◆◇◇◇



「ちょっと待って?何かおかしくないか?」


「何がですか?」


えぇ?それが常識の当たり前なの??しかし、疑問符を頭に浮かべているような彼らを前に私は疑問を打ち消す事にした。引くしかなかったとも言える。


「いや、すまない。ちょっと何か、気になっただけだ。話の腰を折ってすまない。」


「いえ。問題ありません。続きを話しても良いですか?」


「あ、あぁ頼む。」


若干、カルテット以外のメンツから可哀そうな人を見る顔を向けられた気がした。



◇◇◇◆◇◇◇



それから一週間何事も無く無事に日々を送った。もちろん悪魔の襲撃を気にする警備体制を敷いたままである。


「今日が、決闘日だ。準備は良いな?」


「「「「「おう!!」」」」」


「それにしても訓練らしい訓練をしたいなかったようだが、大丈夫か?」


「「「「問題なし!」」」」


「相変わらず自信たっぷりだな。」


「自信では無いですよ。確信です。」


「あぁ、はいはい。でも何でそんなに確信と言えるほどの心持なんだ?」


「「「「簡単な事。ザバルティ様より強い相手を見た事がない、話を聞いた事がない。ただそれだけです。」」」」


「おいおい。そんなにザバルティ君は強いのか?」


「そんな当たり前の事を聞かないでください。」


「ザバルティ様は神に認められた存在なんだよ~。」


「どういう事だよそれ?」


「それは秘密なの~。」


アリソンの回答にずっこけそうなクラスメイトと副担任キース。


「もういい。とりあえず今日は確りと頼むよ。超特待生のプライドが掛かってるんだから。」


「いいえ。そんな軽いものではありません。」


「はい???」


「「「「ザバルティ様の名誉が掛かっているのです!!」」」」


「あぁ、そうでしたね。」


やはりここでもロクトルだけが返事をする事が出来たのみだった。







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