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69 出発前夜



カンガリ大将からの依頼で要塞建設に向かう事になった私は、翌日出発の為に夕方から大急ぎで学院長に報告をして、今後の事の話し合いをして屋敷に帰る。屋敷でも皆に話をして今後の事を相談した。


・調査目的である事を伏せておき、前線基地の見舞いで大将が出向く事。

・要塞建設地の調査をする事からする事。

・私兵の参加が認められている事。

・学院在学中の者は連れて行かない事。

・国家機密である事。


以上の事を中心に据えて色々と話し合いをした。


・私兵として50人を連れて行く事。

・私兵の隊長はユカ屋敷の他に隊士4名が幹部として従軍し45名のダークエルフが編成される。

・屋敷の守備隊の隊長が不在となる為、ブリエンドが代理をする。副隊長は初期の隊士のカインズが任に着く事。

・秘書は2名が従者として一緒に同行する。アイリーンとシーリスの2名。

・屋敷の事等はトーマスが代理を務める事。

・調査補佐役としてセシリアに同行してもらう事。


以上が決定した。今回は時間が少なかったので、私の意見をほとんど反映させてもらった。


「皆、私が居ない間頼むよ。」


「ザバルティ様こそ、お気を付けください。こちらの事はどうか安心してください。」


自分の事はとにかく問題は無いと思えるのだが、屋敷の方が心配なのが正直な所。

居ない間に襲撃があったらと思うと心配になる。


「ユカ。ザバルティ様の事確り守ってね。」


「わかっております。ミーリア様ご安心ください。」


女同士で何やら話しあっていたりとお互いを心配し合っているのが現状だ。

この間、私が襲撃された事を皆が知っているから余計に心配になってしまうのかもしれない。


「ザバルティ様。馬は何頭用意したら良いでしょうか?」


「そうだな。兵士として連れて行く人数分で良い。その代わり馬車を三頭立てにしておいてくれ。」


「わかりました。早速手配してまいります。」


「トーマス頼む。ではユカ、ケンジとジャックとゾーイとシャルルの4人を連れてきてくれ。」


「かしこまりました。」


こんな感じで夕方から慌ただしく動き出した屋敷内はてんやわんやになっている。

それにしても、前回の件で仲間が増えたからこそ、今回の任務に向かう事だ出来るという面もある。

それもブリエンド達が信頼出来る仲間になってくれたという事も大きい。

つまり順調であるという事でもある。順調である時は何かと問題が起こりやすい時でもあるから、気を引き締めて行動に当たらなければと、前世の記憶がある私は思った。


「おぉ、ザバルティ。忙しそうじゃのぉ。」


「はい。急に軍の任務を受けてしまいまして大忙しです。」


「ふむ。カンガリ・プロスペクターからの依頼じゃな?」


「そうです。御存じなのですか?」


「いや。カンガリの奴が軍務に専念すると言っておったからの、そうじゃないかと思っての。」


「その通りです。」


「奴はお前を買っておるからのぉ。まぁこれも奴の好意じゃと思って精進してやってくれ。」


「わかりました。精一杯の事をやってまいります。」


「すまぬのぉ。ワシがまだまだ元気であれば一緒に向かうのじゃがのぉ。」


「また、そんな冗談を。」


「ふぉふぉふぉ。見抜かれておるか。ワシは軍務は嫌いじゃ。」


祖父が気を使って声をかけてくれたようだ。ついつい笑ってしまう。


「そうそう。その笑顔が大切じゃ。まぁ、この屋敷の事はワシが居るから大丈夫じゃ。」


「そう言ってもらえると助かります。宜しくい願いします。」


祖父の言葉を聞くと凄く安心してしまう。それだけ信用しているという事なのかな?

そして、準備はその後も続く。ただし、私兵として行く者達は早い段階で休みを取らせた。

騎乗して出る事になっているので疲れを残させないためだ。

結果準備は朝までかかったようだ。私は途中で皆が休むようにと言うので休ませてもらった。

残るメンバーは私の留守の間の命令系統の事など、有事が起こった際の行動などを話し合ったりした事で、かなり時間を使ったようだ。

私の思いを感じ取ってくれた結果だと感じている。


「おはよう。皆ご苦労様。」


「おはようございます。お気遣いありがとうございます。」


「まだ、出発まで時間があります。まだお休みになられてはいかがですか?」


「ミーリア、ありがとう。でも大丈夫だ。私は馬車で寝れるから。それより、ミーリア達の方こそ寝なくて大丈夫か?」


「今日は学院を休みます。一日位なら大丈夫でしょう。」


「そうか。すまないな。」


「いえ。当然の事ですから、ご心配なさらないでください。」


「ありがとう。頼もしい仲間が居て私は幸せだ。」


そんな和やかなやり取りをした。本当に頼もしい仲間達だ。

その後、出発時間になるまで、皆と朝食を取ったり、最終確認をする等して時間は過ぎていった。


「では、行ってくる。よろしく頼む。」


「「「いってらっしゃいませ。」」」


皆に見送られて屋敷を出て、カンガリ大将が待つ門へと向かったのだった。






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