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60 屋敷 外観



入学式より二日後に、屋敷が完成した。今日はお披露目会だ。学院生活はスタートしているが、まだまだ本格的な活動は無い。体力測定や学力測定等が基本で、本格的に始まるのは週明けの予定となっている。

明日は部活勧誘が始まる日でもある。その前日とも言えるかもしれない。


「ふぉふぉふぉ。今日は楽しみの一つが解放される日じゃのぉ。」


「そうですね。楽しみですね。」


祖父母の二人が一番楽しみにしてくれているような気がする。


「いらっしゃいませ。マカロッサ家の皆様。私は、セシリア・ダンバルと申します。【建築神】ザバルティ様の建築知識に惚れ、弟子入りさせて頂いている者でございます。」


「ダンバル?もしかして貴女があの世界的建築家のダンバル殿ですか?というか、弟子入りと言われませんでしたか?」


「ええ、そうです。御子息はとても優れた知識をお持ちです。【建築神】ザバルティ様の名前は、今現在は業界において大注目されている存在です。今後は更に名前が世界中に広まる事でしょう。」


屋敷の前で待っていてくれたセシリアが挨拶をしてくれているが父上が相当に慌てている。そしてさらっとセシリアが爆弾発言をかましている気がする。


「これは、いやはや今回は流石にびっくりしたのう。世界的建築家を既に弟子入りさせているとは。」


「いえ、私はまだまだ未熟。【建築神】ザバルティ様の足元にも及ぼません。」


普通に【建築神】って言っちゃってるよ。どうやら、既に信者となっているようだ。

取り敢えず「ゴホン。」とけん制すると。


「この屋敷はこの世界のどこを探しても無いであろう物が色々と備わっております。世界一の技術で出来た屋敷です。これは全てご子息ザバルティ様の設計された物です。では、敷地内へ入りましょう。」


どうなっている?という顔で父上が私を見てくる。のだが、特にした事は無いので、わかりませんという顔で返しておいた。母上が私をフォローする感じで父上を先へと急がせてくれた。今回はお披露目という事もあり、敷地外から徒歩で入る。門からして実はこちらの建築様式では無い。和式を採用している。日本の時代劇に出てくる武家屋敷の門をイメージしてもらうと良いかもしれない。もちろん門の隣には出入りが出来る脇戸がある。そして木では出来ていない。表面は木材を貼ってあるが、中身は特殊鉄筋コンクリートで出来ている。瓦もつけているが此方は鉄製だ。そして、重要なのは、入り口は馬車が入れるように高さもあり、通れるように屋敷の扉まで、道が出来ている。門をくぐり、中を見渡すと道の両サイドは日本の庭園レベル様子だ。もちろん池も用意してある。この池は近くの川に繋がっている。ここまでくると武家屋敷なのだが、奥に建っている建物は和式では無い。洋館だ。大きく中央に一つ。そして両サイドに中央のより小さいのが二つある。それぞれ三階建てとなっており、三階部分が繋がっている。繋がっている部分を屋根として一階部分の渡り廊下がある。一階部分は見渡しが出来る様に全面ガラス張り。三階部分は鉄筋コンクリートで基礎を造り表面を加工し、上半分がガラス張りである。実は地下は全て繋ながっている状態なのだが、地上の部分は敢て独立した三つの建物として見せている。地下は緊急時のシェルターであったり、街から脱出できるような造りをしてある。また忍者屋敷のようにあちらこちらに隠し部屋や隠し通路を設置してある。何故ここまで拘ったのか?と言うと、私が一人狙われるだけなら特に問題は無いが、いない間に攻められてしまったらと考えての事だ。

用心には用心を重ねないとね。えっ?自分の趣味ではないのか?それは無い!!忍者屋敷とかに憧れがあるなんて事は無いのだ!絶対に無い!!はぁ、はぁ、はぁ。


≪マスター、誰に説明と釈明をしているのですか?≫


ちなみに、通常時は使わない隠し通路や隠し部屋は、基本的に魔法が設置されており、解除方法がわからない家の者以外は通れない仕組みとなっている。セキュリティーは万全である。


「な、な、なんだこれは?!」


父上が何とか言葉を発したが、他の者達は絶句している。


「これが、私の屋敷です。」


「本当にザバルティが設計したのか?このよな建物は今まで見た事が無い。素晴らしい。」


「褒めて頂き、ありがとうございます。」


まだ、外見を見ただけなのだが、ここまで感動してもらえたら、嬉しいものだ。横のセシリアを見るととても誇らしげだ。若干胸を張っているように見える。


「ふぉふぉふぉ、長生きはしてみるもんじゃのぉ。」


「本当にそうですね。良い物が見れました。」


全員と思っていたが、祖父母の二人は平常運転だった。


「なんと美しい庭でしょうか?このようなお庭は私も見た事がありません。あれは何て言う木なのですか?それに、あちらに咲いている花は?」


母上は庭に咲く花や木が気になるらしく、一生懸命にセシリアに聞いている。実はセシリアに伝手を使って地球でいう所の『松・桜・梅・竹』を見つけてもらっている。更に浴槽に使う為にもあの木を見つけてもらっている。そうあの木だ。流石は世界に名が知れ渡るセシリア・ダンバルだ。セシリアと目が合うとウインクされた。ドキリとした。やはりこの人も可愛い女性だと思わされた。あれが無ければなんだが。


「皆さま方、まだまだ半分ですよ。中にはいりましょう。」


セシリアが皆に声をかけ、中へ先導していくのだった。




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