53 家族との再会
ザバルティの父アルカティ達一行は入学式の三日前に、王都テーストに到着した。
予告通りに、マカロッサ家一同揃い踏みだ。ちょっと面食らう。予告通りであって恥ずかし。
「「「兄上~。」」」
兄弟たちが私を見つけると皆で声を揃えて手を振ってくる。凄く恥ずかしい。が顔がにやけてしまうのは何故だろう?嬉しいのかな?
「ザバルティ様はモテモテですね。」
そんな感じでロバートが茶化してくるぐらい、私の顔は照れた顔になっているのだろう。
そして兄弟達が乗っている馬車が屋敷の門を潜り玄関の前に来て停まって直ぐに馬車のドアが開かれ兄弟達が飛び出してくる。私は圧倒されると共に尻もちをつかされた。皆が飛び込んできたのだ。
「ふふふ。そんなに飛び込んだら、危ないですよ?」
母上がそう言うがもう遅い気がする。既にこうだ。
「ははは、自慢の兄に会ったのだ仕方が無かろう。」
「そうじゃの。仕方ない仕方ない。」
父上だけでなく、祖父までこんな感じだ。
「兄上。本当におめでとうございます。」
「うん。ありがとう。」
シャルマンが代表して言ってくれた後に、皆から言葉をもらった。嬉しかった。
周りを見渡すと、ロバートもアリソンもそしてトーマスまでも家族に囲まれていた。皆が幸せそうだった。
その後、ミーリアにも私の家族は「おめでとう。よく頑張った。」と声をかけられていた。いつも冷静な?ミーリアも頬を緩めていた。その後、家の先輩従者達からの祝福されていた。
その後、来てくれていた家族以外の私の従者のご家族の皆さんに挨拶をして屋敷の中へと入る事になった。これから滞在期間中は皆、マカロッサ家の屋敷の中で過ごすようだ。
ある意味でマカロッサ家のお祭り騒ぎと言えるのではないだろうか?
屋敷の中からは子供の声が彼方此方からしている。凄く賑やかだ。私達家族はホストの役目もあるのだが、その前に一端マカロッサ家の一族だけで一部屋に集まった。
「兄上。本当に凄いですね。超特待生って言うのですよね?僕は鼻が高いです。」
「そう思ってもらえるのは嬉しい限りだよ。シャルマン。」
「「「「流石は、私達の子(孫)だ。」」」」
なんて声を揃えて言われた時は流石に恥ずかしさのあまり顔を伏した。
一通りの賛辞を受けた後、私以外の子供は自分の部屋に行くようにと、父上から言われ部屋を出て行った。そして、父上が私の方を向くと大人達は一斉に私に顔を向けた。そして父上から私に話しかけてきた。
「ザバルティに会ってもらいたい人物がいる。」
「かしこまりました。どのような方でしょうか?」
「それは、シャルマンに関する人物だ。お前にも会ってもらいたいのだ。今日の夜にこの屋敷にくる予定になっている。詳しい話はその時にしよう。夕食後は時間を空けておいてくれ。」
「わかりました。」
私にもと父上がおっしゃっているという事は父上達は全員会っているという事になる。
質問をしたが、益々よく分からなかった。そこで、私は報告がある事を伝えた。
「父上、母上。私からもお話があります。」
「なんだ?」
皆が少し身構えているような気がしたがそのまま話を続けた。
「実は、私はこことは別の所に居を構える事させて頂きました。」
「寮に入るという事か?」
「いえ、実は・・・」
といって、今日までに起こった事の話をした。なぜ、屋敷を手に入れる事になったのか迄、結構時間がかかった気がする。
「そ、そんな事があったのか。」
「凄いですわね。」
「超特待生とかの話なんかよりそっちの方が凄い。お金とかは大丈夫なのか?」
父上達の反応は様々だったが、祖父母様の二人はただ、黙って聞いていただけだった。急に祖父様が笑い出した。
「かっかっか。やりおるなぁ。我が孫ながら凄すぎて意味がわからん。じゃが、温泉旅館はたのしみじゃのぅ。ミネルバ。」
「そうですね。気になりますね。ザバルティや、是非、完成したら招待してくださいね。」
「はい。わかりました。」
「そうそう。貴方の仲間たちにも合わせてくださいね。屋敷が完成したら見てみたいわ。」
祖父母様達がそうおっしゃった。
「そうだ。それが一番だ。まったく。誰に似たのか?」
「あら、貴方。アナタに似たのではなくて?」
「俺はそんなに無茶はせんよ?」
「まぁ~。ミーリア達を連れて来たのはどちら様でしたっけ?」
「いや。あれはザバルティが・・・。俺に似たのか?!」
そんなやり取りをしている父上と母上。それを見て皆で笑ってしまった。
そんなこんなで、私の屋敷が後日完成したら、招待する事が決まった。当分はこちらに居るとの事。
どうも、ポワロー叔父さんが領地の領主代理を務めているので、安心して王都に居られるようだ。
その後、夕食を全員で頂いた。とても豪華な料理だった。メイドや執事に料理人と大忙しであった。これは、温泉旅館が出来た時には家中の皆を招待しないといけないと思った。
そして、夕食後二時間ぐらい経った頃、メイドの一人が来客を告げた。




