表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

50/367

50 精霊使いと情報員(暗部)



冒険者のクラウン【シャルマン】と【シャルマン】商会はただ一つ、【シャルマン】の捜索をする為にラムザが立ち上げた組織である。しかしながら、その存在が大きくなるにつれて影響力が大きくなる物である。その影響力を行使する事はラムザには無いが、その存在を疎ましく感じる者達は居る。さらに【シャルマン】に在籍する者達のほとんどが、ハーフとういう人である。地球の差別意識よりも遥かに強く酷い意識をこの世界の人々はハーフに対して持っているのであるから、【シャルマン】に対する敵愾心を勝手に持つ者は多い。


「この間、ルバンダ商会が潰れたらしいぞ。」


「えっ?あの大店が潰れたのか?」


「あぁ、どうもシャルマン商会の攻勢の前に商売で負けたらしい。」


「嘘だろ?またシャルマン商会かよ。」


「前にも、ボッタクラ商会が潰れたのもシャルマン商会が原因だって言っていなかったか?」


「そうだな。全くハーフ共にやられるなんておかしいぜ。」


このように心無い者達は言っていたりするのだ。結論的には関与が有る無し関係なく敵愾心がそんな感想をもたらしてしまうのである。

善良な商店経営をしているだけのシャルマン商会であり、薄利多売をしているに過ぎない。他の商店は特に潰れてしまう商店は酷い経営をしているだけに過ぎなくてもだ。

単純なやっかみだけであれば良いのだが、差別意識がプラスされると問題は複雑になってしまうのだ。

その人の闇の部分を知っているラムザは商店経営の安定化を図る為に冒険者組織も同時に作ったのだが、それだけでは事足りなく暗部も組織したのだ。表の仕事ではなく裏の仕事だ。

何も人を殺す為に存在しているわけでは無い。スパイ行動が中心であり、情報を集めるのが目的の組織だ。勿論、殺人術が出来ないわけでは無いが、ラムザはそれを良しとはせず、基本的に殺人を容認していない。殺人術も自身の防衛の為に身につけるのだ。そんな者達は現在【アーダム大陸】のどの国にも入り込んでおりあらゆる情報を持つようになっている。その情報をラムザは有益に利用して、商売繁盛や大陸の平和の為に活用している。

大陸の平和の為に暗部を動かし破壊活動をしたり、商人の立場を使って利益を出したり、冒険者を派遣して防衛したりと活動している。ある意味で【アーダム大陸】の統治者のような存在になりつつあるのだ。あくまでも権力者ではないし、武力介入をする程度なので、本当の統治には至らないのだが、各国の統治者は【シャルマン】に対して一定の畏怖の念感じており、蔑ろにするには危険が伴うと理解しているのである。ただ、国同士の戦争に個人的見解を持って介入する事は無く、あくまでも中立の立場を貫いているのである。中立にありながらも介入しなければならない案件のみ介入するのである。人の為に動くだけなのだ。


「何?ゼントン子爵家が領地で不正を働いていた?民を人身販売していただと?」


「はい。【シャルマン】からの情報が入り調べさせた所事実である証拠が出てきました。これを。」


「ふむ。間違いないな。直ぐにゼントン子爵を呼べ。兵を差し向け拘束するのだ!」


「はは。直ぐに手配いたします!」


このように、情報をいち早く掴み国に働きかけたりしているのである。各国の統治者にとって感謝の気持ちを持たせたり畏怖させたりしてしまうのも事実なのである。全ての行動原理に人の為という物があっても結果的にそうなってしまうのである。

情報の価値を理解しているラムザは暗部に精霊使いである事と共にそれぞれに情報伝達能力向上の為に使い魔を持たせている。これが秀逸であり、全土の情報を瞬時に集める事も出来し、瞬時に全土に情報を流す事が出来るのである。


『全情報員は速やかに近況報告を行うべし。ラムザ様の帰還である。』


『リーズン帝国、帝都デニスにおける戦争機運は先の戦敗以降、ありません。』


『オートリア国、国王オートリア八世は愛人が王妃に見つかり、騒動が起きております。』


これらの情報を纏め、ラムザに提出する役目を側近となったサファー、キャリー、ミネア、ソフランの4人が受け持っているのである。また、直接のスパイ行動もおこなう事もある。この四人はラムザの暗部の纏め役で幹部でもある。この下には30人の幹部がおり、さらに下に現場の纏め役。その下に情報員という組織体制になっている。


「サファー。アイゼンはどうであった?」


「現在の情報では例のアイゼン個人の組織を動かし、ラムザ様のご子息探しを徹底しておこなうようです。ですが、他に目的があるようで、ご子息探しが終了した後、何かしらの行動に出るものと思われます。今後も継続して我ら四人のが見張っておきます。」


「そうか。わかった。頼む。」


「はい。お任せください。」


≪ふむ。わらわも、それとなく探っておこう。≫


「あまり無理はするな。あいつは良い奴だからな。」


≪わかっておる。どうせ、個人が抱えた問題であろうよ。ラムザに話しておけば良いものを。≫


「彼奴は遠慮しているんだよ。真面目だからな。」


ラムザもペレもそしてサファーも苦笑している。仲間を信じているのだ。暗部を使う物としてはダメだろが、彼らの仲間意識は半端ないのだ。心配で見張らせる位に。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ