表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

39/367

39 学院個室



あれから時間の経つのが早かった。色々と自身の事を考えたり、祝いの言葉を受けたり、セシリア・ダンバル建築家への対応であったり、マリリン第三王女の訪問であったりと忙しい日々だ。

街に繰り出す事も忘れていないし、与えられる予定の個室の事を考えたりと楽しい時間だった。一部例外はあるのだが。そして今日は個室の件で五人での話し合いをする事になった。何を話し合うのか?という事だが・・・結果から言うと、四人は個室は要らないと言うのだ。私の従者であるからと理由で。であるならば、五人の部屋を五人で活用しようという事になるわけだ。その話し合いだ。


「ザバルティ様。いかがいたしますか?」


「そうだな。先ずは皆からの意見が欲しいな。」


言うと直ぐにトーマスが声をあげた。


「では、私から。今回は5部屋用意してもらえるわけですから、武術・魔術・学術・会議室・休憩室ではいかがでしょうか?」


「「「面白い!」」」


皆が食いついている。続けるトーマス。


「詳しく言うと。武術だけを極める部屋。魔術だけを極める部屋。学術だけを極める部屋。会議が行える事に特化した部屋。休憩のみをする部屋。そしてその部屋毎に改造します。後はプラスのアイディアでいかがでしょうか?」


「「「いいねぇ~。」」」


やはり、こういう事はトーマスは得意だと思う。それに、悪くない。どちらかと言えば良い。あえて突っ込みを入れてみよう。


「しかしそれでは個室の意味をなさないのではないかな?」


「部屋の使い方は自由となっていますから問題ないかと思います。それに、休憩室は加工して各自の専用スペースを用意すれば良いかと思います。更に言えば、馬車のような加工もありではないでしょうか?」


うん。その通りだ。良いね。確りと考えてくれている。


「そうだね。じゃあ大枠はそれで決まりって事でどうだろうか?」


「「「賛成!!」」」


でもね。ここからが本当の勝負なのだよ。中身が大変なのだ。男と女の闘いが待っていると言っても過言ではない!!部屋の内容とか・・・かなり厳しい戦いなるだろう。なにせ、ミーリアとアリソンが相手だからね。


「では、先ずは武術専用室から話し合おう。」


「「「おう!!」」」


長い長い話し合いの時間のスタートだった。・・・やっぱりな。



◇◇◇◆◇◇◇



「だからねぇ!これは赤い方が良いんですぅ!!」


「いや、でもさここの部屋の全体的に見ると・・・。」


「だ・か・ら?赤ですよね??ザバルティ様もそう思うでしょう?トーちゃんに言ってやってください。」


ほら、もう来たよ。こっちに。ちらっとトーマスを見ると、超ぐったりしてる。反論しなければ良いのに。アリソンのだけじゃなくミーリアまで、トーちゃん呼びしてるけど。とりあえず、打開策をだそう。


「そう、あんまりカッカするな。じゃあ、【色】は女性チームが基本的に決めて、内容は男性チームが基本的に決める。私は男性チーム女性チーム関係ない中立でいるから。最終決定は私がする。それで良いな?」


チョット強めに言い切っておいたから、両陣営は一端落ち着いた。


「「わかりました。」」


「「ザバルティ様のいう通りにします。」」


こんな感じだ。女性チームは渋々。男性チームはホッとして。これも仕方ないかな?いつの時代も女性が強いのは変わらない。異世界でも変わらないようだ。


「そういえば、内装の事はどうやるのですか?」


「それは問題ない。セシリア・ダンバルという建築家が私に師事したいと来たから許可した。セシリアが受け持ってくれると思うぞ?」


「ボソ。(ちっ。また女かよ・・・。)わかりました。」


うん?ミーリアの心の声が聞こえた気がした。前からこんな感じだっただろうか?最近のミーリアは結構怖い気がする。それをとりあえずスルーして。


「彼女に頼めば国の建築に関わる人の力を借りれるだろう。細かい所はとりあえず、4人で詰めておいてくれ。トーマス纏めて報告をくれ。」


「わかりました。」


この状況で逃げるんですか?って顔をしてる気がするが、スルーして任せなければいけない。私も国家プロジェクト(自分の野望)に着手しなければいけないからだ。善は急げ?思い立ったら吉日?兎に角出なければ。


「私は、王城に行ってくる。」


「わかりました。でも何しに行くんですか?」


「建築家と国とを交えた国家プロジェクトの会議だ。」


「えぇ?何ですそれ?」


「楽しみにしておけいぃ~。」


「付き添いは?」


「良いよ。護衛も必要は無いしね。だから、我らが個室利用会議はトーマスに後を託す。」


「ずるい気がするぅ~。」

「如何にもみたいな話だな。」

「また、女がらみですか?」

「気が重い・・・。」


4人それぞれの反応を見た後、王城へ向かったのだった。頑張れトーマス!









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ