38 謁見 その4
「はひ~。失礼しました!!」
と、言って今度は土下座だよ。建築家ダンバルさん。
「【建築神】様申し訳ございません。どうか、お赦しください!!」
≪ピロン♪ 【建築神】の称号を得ました。≫
「えぇ?え~!!」
急に称号を獲得してしまったので、ビックリして声を出してしまった。それにより、場がシ~ンとなる。
「何でもない。それより名を名乗ってくれ。」
「はい。私はセシリア・ダンバルと申します。どうか、【建築神】様に師事を仰ぎたく、御尊顔を拝見しにまいりました。」
面倒だから、突っ込み無しでいく。つうか、ダンバルって苗字かよ。
「で、セシリア殿が如何にして私に師事されたいと申すのか?」
「はい。【建築神】様が描かれた図面を見て私が知らない世界を見ていらっしゃると感じました。その【神】の知識を少しでも教わりたいと思いました。【建築神】様にこも身を捧げる所存で参りました!!」
やっぱりおかしいでしょ?この感覚。横のマリリン第三王女も目が据わってきたよ。
「却下だ!」
「そこを何とかお願いいたします!どうか!!どうか!!」
「教えるは構わないんだけど、身を捧げるとかいらない。」
「そんな。私には魅力が無いとおっしゃるのでしょうか?」
そっち?そっちにとるの?隣のマリリン第三王女がニヤリとした様な気がした。目が元に戻ってるし。
「そういう意味じゃない。」
「でも、私に魅力が無いから却下なのではないですか?」
「違うよ。魅力が無い訳じゃないよ。逆にかなり魅力的な女性だと思うよ?美人だし。」
「はぅ。【建築神】様に美人と褒められた。うふ。」
また、マリリン第三王女が目が据わってきたし、肘でウリウリしてきてる。
「私はどうでうすか?」
そして変な質問してきてる。これスルーで良いよね?
「兎に角、教えるのは構わないから、神とかいうのはやめてもらえる?」
「で、ザバるん。私はどうですか?」
聞いてない美人建築家に、スルーは許さないといった第三王女。
これ、どうするよ?頭を抱えた15歳の男の子は23歳の大人の女性と28歳の大人の女性に挟まれて苦悶の表情するのであった・・・。はぁ。
◇◇◇◆◇◇◇
あの後、入ってきた第三王女の側使えが第三王女を。セシリア建築家を部下の人が宥めてその場は落ち着いた。もちろん、第三王女には「美しいです。」建築家には「契約を結びましょう。」という言葉を伝えねばならなかった。あの場所はカオスだったと伝えておこう。
そして現在は、クラスに戻ってきている。
「一カ月後に君達の入学式をおこなう。その為、ご家族への連絡を我が校からするので、連絡先を記入し渡してくれ。各自の個室についても一か月間の間に考えておいてくれ。後、何かわからない事があれば気軽に俺の部屋へ来てくれ。部屋はこのフロアの入り口前にある。では、今日はこれで終わりだ。」
副担当のキース・レイランド先生は私達にそう伝え、出て行った。レクリエーションのような物をするのかと思っていたので、肩透かしをくらった状態だ。まぁ、良いか帰ろう。
「やぁ、主席殿。私は、ミア・ロメオ。提案があるのだが、よろしいだろうか?」
赤髪の綺麗な女性に声をかけられた。自己紹介をしないか?という提案だった。断る理由が無い。順番にやる事になった。
「先ずは私から。ミア・ロメオだ。ロメオ伯爵家の長女だ。将来は軍隊に入りたいと思っている。よろしく。」
丁寧な喋り方をしていたので、貴族ではあると思っていたが、まさか伯爵令嬢だと思わなかった。しかも軍隊に入隊希望のようだ。しかも試験の時に居たのは彼女だったようだ。
「では、次は私が。ロクトル・ウメザキだ。よろしく頼む。」
「俺はカイ・ローエンだ。」
「ディデル・ハイマン。魔術を追求したいと思っている。」
「セレスティア・ファフナーです。ファフナー商会の娘です。宜しくお願いします。」
そして、私達5人が軽く自己紹介をした。
「私はザバルティ・マカロッサです。よろしく。」
「ロバート・セルフランです。」
「トーマス・シュベルツです。」
「アリソン・フォランですぅ~。」
「ミーリアです。私達は皆、ザバルティ・マカロッサ様の従者です。」
「そうか、君達は皆、ザバルティ君の従者なのか。凄いな。」
「凄いぃ~です。」
「ははは。偶々だよ。」
「ふん。気に入らないな。」
一人、カイは気に入らないと言うと出て行った。
「では、私も失礼しよう。彼が気になるからね。」
ロクトルもついて出て行った。そして少し話をしてから残った8人で、帰宅する事になった。
「魔術の追求って、何を中心にするの?」
「時空を超える魔法を考えている。まだまだだが。概念から考えねばならない。」
「へぇ~。面白そう~。」
アリソンが食いついた。やっぱり魔術師だからかな?
さて、これから帰ったら、個室の利用だったり、自分の立場の事(建築神)であったり、色々考えねば。
「城での事を教えてくださいませ。」
キツイ眼差しでミーリアがそっと言ってきた。怖いんですけど・・・。




