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37 謁見 その3



「申し訳ありません。あの事件の王に謁見した時にお会いしておりました。申し訳ございません。」


「思い出してくれたのですね。良かったです。謝罪を受け入れます。」


少し、ホッとした様子のマリリン第三王女。しかし直ぐに眉間に皺が寄る。


「でも、手紙が来ていないというのはおかしいですわ。毎週のようにお出ししていたのに。」


「申し訳ございません。それについては本当に知りません。」


「返事も無かった理由がわかりましたわ。そうですわね、わかりました。それについては今はどうする事もできませんので、良いです。(絶対調べて渡っていなかった理由を見つけるわ。)」


心の声が聞こえてきた気がする。


「では、改めてお願いです。ザバルティじゃなく、ザバるんと呼ぶ事を許可してください。そして、私の事をマリちゃんと呼んでください。」


「ザバるんと呼んで頂くのは構いませんが、マリちゃんと呼ぶのは不敬罪で処刑されそうなので、お赦しください。」


「ダメです。私を忘れていた罰です。後、敬語も禁止です。」


「いや・・・」


「却下します。」


「でも・・・」


「却下します。」



「わかりました。ただ、二人の時だけにさせてください。他が居る時は本当に処刑されてしまうと思いますから、それだけは許してください。」


「仕方ないですね。それで許可しましょう。さぁ、言ってみましょうか?」


「マ、マリちゃん。で良いですか?」


「良いですか?」


「良い?」


「はい。よくできました。」


私は、尻に敷かれる将来を見た気がした。

何故か嫌な気分じゃない。それが怖い。やはり美女は別格なのであろうか?

すると間が良いというか、絶妙なタイミングでドアがノックされる。マリリン第三王女が「ちっ!もう時間ですか。」とブツブツ言った後、入るように促した。


「失礼いたします。建築家ダンバル様との面会時間となります。」


「わかりました。では、少し待つようお伝えください。後、お茶の用意を人数分して頂戴。」


「かしこまりました。」


「ザバるん。実はね今回SSクラスを立ち上げる事になった理由の一つに貴方が大きく関係してるのよ。」


「なぜ、で・・・なぜ?」


敬語を使いそうになると、鋭い視線が飛んでくる。


「私的にはザバるんが来るであろう事はわかっていたから、初めから超特待生構想は考えていたの。けど、現実的になったのは、ザバるんが申請した建築試験での図面提出に起因するの。その試験の図をみた。建築家がダンバルさん。そのダンバルさんが、国に対してお願いしてきたの?」


「もったいぶらずに言ってくだ・・・言ってくれ。」


「ゴホン。この図面を書いた方に師事したいって言ってきたの。」


「それって、国を動かすほどの事?」


「それはそうよ。建築家ダンバルさんはこの国だけでなく世界に名前が轟く超有名建築家なのよ?知らないの?建築で申請したのに?」


「すみ・・・ごめん。知らなかった。」


「そう、まぁ良いわ。ザバるんは特別だもの。でね、私がこの話を聞いて直ぐに超特待生構想を実現する事になったの。先生にもなれる人材を特待生で留めるのはおかしいって話にもなってね。流石、私のザバるんだわ。」


最終的にいつも間にかマリリン第三王女の物扱いだよ。しかも、私に師事したい有名建築家とかいるらしいし、正直面倒だ。


「で、その建築家に師事させるさせないは、ザバるん次第であるので、断っていたんだけど、どうしても会わせろって、煩くて、押しかけられても困るから、会わせる事を約束して待たせていたの。呼んで良いかしら?」


「わかった。配慮ありがとうご・・。宜しく。」


「じゃ、呼んで頂戴。」


こう見えて、マリリン第三王女が私の為に配慮してくれているとは思わなかったが、ありがたく甘えるとして感謝を表わした。

その後、直に人が入ってきた。ダンバルという名前から、男性をイメージしていたのだが・・・ブルーヘアーのブルーアイ。黙って落ち着いていると、美女として通ると思う。見た目もスレンダーであるし、そこそこ身長もあるから。そうお察しの通り、凄く興奮していらっしゃる。


「き、き、貴殿がザバルティ・マカロッサ殿か?」


なぜだろう?私が知る事になる美女?は何かが残念に見えるのは?フガフガ言ってるし。


「なぜ?黙っている?違うのか?」


違う人を王女が紹介すると思うのだろうか?ひいているだけなんだが。


「そんなに興奮しなくても、大丈夫ですよ。ダンバル殿。」


「マリリン第三王女。そうは言ってもワシはこの時を待ち焦がれていたのだぞ?興奮しないはずがないではないか!」


あの第三王女が冷静に対応している。若干引き気味だよ。でも黙っているのも良くないね。


「初めまして、私がザバルティ・マカロッサです。」


「おぉ、ありがたや。ありがたや。」


今度は拝みだした。頭のネジがトンでいるのだろうか?


「いつもはこんな感じの方ではないのですが。」


とマリリン第三王女が耳打ちする。


「とりあえず、落ち着いてください。」


聞いてないよこの人。どうすんの?まだ拝み続けてる。


「とりあえず、座りませんか?」


マリリン第三王女も何とか落ち着かせようとしている。が、効果なし。ここまで聞かない人は、前世にも会った事はない。動物ぐらいだ。イライラしてきた。


「いい加減にしろ!私はザバルティ・マカロッサだ。貴殿はどうしたいのだ。私に話があるならば、名前を名乗り、礼儀を尽くすのが筋であろう。用が無いのなら即刻立ち去れ!」


過去の映像を見て思い出していた私は、あの時の緊張感をもって言い放っていた。あれだけグダグダやっていたのに・・・。













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