359 ミス.ドロンジョさんはシャーロットさん。
「じゃあ、安心して行こうかね?」
「何処に?」
「野暮な事言わないで欲しいね。W・B・Sの二人の所にだよ。まさか、忘れていたとか言わないよね?」
「そう言う事ですか。勿論、忘れていませんよ。二人も首を長くして待っている事でしょう。」
「そうかい。じゃあ、私は旅の準備をしようかね?」
「いいえ。旅の準備は必要ないですね。私の拠点に遊びに来る。それぐらいで十分ですよ。」
「何だって?」
驚いた顔になるミス.ドロンジョさん。
「まぁ、騙されたと思って私の拠点に来てください。」
「良いだろう。楽しみにしてるよ。」
こうして、ミス.ドロンジョさんとの面会は終了し、明日の朝一に拠点に来て頂ける様に話をした。
何故、明日の朝一なのか?それはご想像にお任せする。
女性には色々あるという事だけ書いておこう。
◇◇◇◆◇◇◇
トントン。
「ミス.ドロンジョ様が、来られました。」
ミーリアと一緒に、エグゼイドの街にある拠点の執務室でお茶をして待機していた所にシーリスがミス.ドロンジョさんを案内して部屋へ来た。
「邪魔するよ。」
「いらっしゃいませ。」
簡単な挨拶を済ます。
「一体、ここからどうやって行くんだい?」
「行く前に、これからの事を他言無用と約束して頂きたいんですが。」
「もちろん私にだってそんな事はわかっているよ。」
「ありがとうございます。では、早速行きましょう。ミーリア問題ないね?」
「はい。」
確認を念の為とり、直ぐに、亜空間の部屋に繋がる奥の部屋に向かう。
「こんな所に何かあるのかい?」
不安がるミス.ドロンジョさんを尻目に奥の部屋の先にある扉を開く。
そこには、ブリエンド達が立っていた。
「ようこそ、いらっしゃいました。」
「アンタ達は?」
「私どもはザバルティ様よりゲートの守護を承っておりますハイ・ダークエルフのセリンエンデス一族です。私はその長をしております。ブリエンド・セリンエンデスで御座います。お見知りおきを。」
「ゲート?」
「さぁ、どうぞこちらです。」
疑問を浮かべている様子のミス.ドロンジョさんを連れて、更に奥へと進む。
同じ様な空間が続くのだが、その途中で魔力を感じたのか、疑問が膨れ上がった様子を、ミス.ドロンジョさんは見せた。
「もしや・・・でも、まさか・・・。」
そして、魔力を感じたであろう次の部屋に、二人は揃って待っていた。
「久しぶりじゃのぉ~。シャーロットや。」
「本当に、久しぶりですね。シャーロット。」
「?!ロマネス様に、ミネルバ様?!」
驚きの顔を隠せないミス.ドロンジョさん改め、シャーロット・フリーアさん。
「何故?お二人が、エグゼイドの街にいらっしゃるんですか?」
あれれ?話し方がいつもと違う様な?
「何故?ここはエグゼイドの街ではないぞ?」
祖父母の二人は悪戯顔になっている気がする。
「えっ?ですが、確かにお二方の孫のザバルティ殿のエグゼイドの拠点でしたハズ?もしや?!」
「そうじゃな。その予想で間違いないじゃろう。」
「ゲートとは転移ゲートなのですか?」
「ふふふ。そういう事なのよ。」
自慢気な祖父母の顔とは対照的に、シャーロットさんは青ざめる。
「ザバルティ殿に反抗すれば、国など直ぐに滅ぼされてしまいますね。」
「そうかもしれんな。脅威である事には変わらんじゃろうな。」
そう、その点を留意しているからこそ、知る人を少なくしているとも言える。
「なるほど、そうでしたか。」
そこで、ハッとなったのか、慌てた様子になるシャーロットさん。
「数々の無礼をお許しください。」
「いえ。もうそれは謝罪を受けてますから。」
「いえ。そもそも、人類における最大戦力を遣わせて頂いていたという事に気がつかなかった私はまだまだ未熟。改めて痛感致しました。」
そう言って、シャーロットさんは私に深々と頭を下げた。
そんな態度をとられると、私の方が逆にへりくだってしまう。
「いえ、私はまだまだ若輩の身。無礼があったのは事等の方です。どうか、お許しください。」
私はシャーロットさんに頭を下げた。
「ふふふ。これで終了ね。さぁ、シャーロット向こうへ行きましょう。来てくれると聞いていたから色々と準備しているのよ。それにアルカティにも会ってやって頂戴。」
「はい。」
しおらしい姿を見せるシャーロットさんは、本当にフリーア一族なのだろうなと思わせる所作で祖父母の後について行く。
「孝行が一つ出来たと思って良いのかな?」
「そうですね。そう思って良いのではないですか?随分と祖父母様方は喜ばれている様子でしたよ。」
私の問いに返す形でミーリアが答えてくれた。
その後、シャーロットさんは祖父母と一緒に色んな話をしたらしい。
宿泊されたシャーロットさんは色々な設備を見て、私に設備工事を依頼された。
そして、もちろんかの様に、ゲートの接続も祖父母も交えた3人から強く要請された。
その為、後日シャーロットさんの屋敷に設置した事は言うまでもない。
「これで、いつでもお会いできますわね。」
キャラ違うんじゃない?って思う発言をシャーロットさんは平然と言っていた事は強烈な記憶として残った出来事だった。
う~ん女って怖い。




