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356 突撃?押掛?王女。


「そうか、やはりナベリウスが出てきたか。」


『はい。』


今、私はエグゼイドの街の執務室に居る。


「ナベリウスが出てきたという事は、おおよその拠点の場所は分かったかな?」


『わかりました。』


流石、カミコちゃん。とても優秀だ。


「助かる。ありがとう。精査しておいてくれ。」


『かしこまりました。』


これで、近いうちにナベリウスの拠点を把握できるだろう。

それに、このエグゼイドの街の事件も解決だ。

これも煉達のおかげだな。


「ふふふ。ブラック・デストロイヤーの役目は確りと果たしてくれたみたいですね。それにアリソンも。」


「ああ、そうだね。」


ミーリアの言う通りだ。

確りと果たしてくれた。これは帰ってきたら、誉めなくては。


「でも、あまり派手に誉めてはなりませんよ?」


「えっ?何で、誉めるとわかったの?」


「ふふふ。」


笑って誤魔化された気がするのだけども。


「それより、この後はどうなさいますか?」


「そこだよね。アリアさんは戻ってくるみたいだしね。」


そう、煉からすれば、無理にナベリウスを追う必要は無くなった。

ある意味で肩透かしを喰らう感じになってしまったのは事実だ。

私にしても、無理矢理に追う必要は無い。


別に、この世界をどうにかしてやろうとか、考えている訳では無いし、ナベリウスによってこの世界が終焉を迎える訳でも現時点では無い。


つまり、戦う必要性が無くなったという事だ。

しかし、アリアさんは元々カーリアン帝国の皇帝が探していた人物。

そして、ここはカーリアン帝国内。


「つまり、裏があるって事だろうな。」


「そうでしょうね。」


私の予想では、カーリアン帝国はカーリアン帝国で私とナベリウスを潰させ合いたい。

ナベリウスはナベリウスで私とカーリアン帝国を潰させ合いたい。

そういう思惑があるのだろうと思う。


「一度、皇帝に会いに行くか。」


「遂に覇権ですか?」


「ミーリアは私に何を求めているんだい?」


「ふふふ。冗談ですよ?」


本当に、最近のミーリアの思考について行けない。

いや、そもそも昔からそうなのかもしれないな。

女性の事は私にはいつまで経ってもわかりそうにないな。


「ところで、どのような形でカーリアン皇帝とお会いになるつもりですか?」


「どうだろうな?そもそも必要なくなるかもしれないしな。」


「それは・・・あれですか?」


「ああ。あの反乱は想定していたが、まさかそれに加わって行くとは思わなかったからな。」


「ふふふ。」


「だからこそ、人生は楽しいと思えるのだろうけどもね。」


私は、武器や防具の作成や、建物の建造を進めたいと思っているんだけど、なかなかそっちを落ち着いてやる事が出来ない。

学校の方も、自由で良いと言われているけれど、もう少し学業に励みたい。

しかし、頑張れば頑張る程、私が思う方向とは違う方に周りが動いてしまう。

どうしたもんかな?


「「たのもう!」」


「ふふふ。遂に我慢しきれずに来ましたわね。」


「えっ?誰が?」


「ふふふ。それはあのお二方ですよ。」


「?」


確かに聞き覚えがあるのだけど・・・。あっ!


「ザバるん。来ちゃった?」

「ザバるん。この街にファンクラブが出来たとか?」


「これは、マリリン第三王女にエリザネス第一王女。」


ど~んという感じで扉を開けて入ってきた王女コンビはそのまま私に向かって飛び込んでくる様な勢いで詰め寄って来た。


「もう!いつも通りの感じで呼んでくれないとダメ。」


「そうだぞ。いつもみたいな。さぁ。」


「ふふふ。いつも通りとは何ですかね?」


ふんふん言う感じの王女コンビニに、冷めた目で見てくるミーリア。

さて、どうしたものか?

期待した目で見る王女二人にはまぁ愛称で呼べば良いのだが、ミーリアがなぁ~。

仕方ない。ここは・・・戦略的撤退だ。

私はスッと真顔を作って、一歩引くと転移魔法を発動し、その場を去った。


「ミーリア。後は任せた。私は出る。」


そう言葉を残して。


転移した先は、自分の屋敷。

王都テーストの屋敷の鍛冶場。


「ふぅ。恐ろしい。ここは良いなぁ。落ち着く。」


私はもう16歳になり、性欲はある。

あるのだが、後が怖くて誰にも手を出していない。

もう少し、自由にして居たい。


近くにミーリアの目もあるし、どうしても私は前世の記憶があるばかりに、彼女達は娘か孫かに見えてしまう。


性欲に負けそうなときは街にふらっと出て、処理してしまう。

処理は愛情が無く、行為その物だけだ。


まぁ、ミーリアの事だから気づいていそうだが、それに対しては何も言われない。

それに、言われねばならぬ程、通っている訳じゃない。


「私は、いつになったら好きな事に没頭できるのだろうな?」


そう呟いていた。


「それは無理かと。」


ふっと振り返ると何故かミーリアが居た。


「逃げなくても良いじゃないですか?」


「偶には私とゆっくりしようではないか?」


ミーリアには何処に行くのか、わかっていたか。

ミーリアの後ろには王女コンビが少し泣きそうになっていた。


「わかったよ。さぁ、お茶にしよう。エリちゃん。マリちゃん。こっちに座って。ミーリア頼むね。」


「かしこまりました。」


「やったぁ!」


「良いだろう。」


ミーリアは苦笑いを浮かべてお茶を入れてくれている。

王女二人も嬉しそうに勧めた椅子に座った。

今日は二人との時間を楽しむ事にしよう。


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