表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
346/367

346 パーティー名。


「一体、何が目的なんですかね?」


「あん?何のことだ?」


「アホなのかお前?敵の事だろうが。マコトの事だよ。」


「そうなのか?」


「そうに決まってるでしょう?」


今、僕、プレストンさんにパークリーさんの三人で話し合いをしている。

話し合いとは言え、食事を兼ねての事だから、プレストンさんはこうなるっちゃっこうなる。


「そんな難しい話より、先にパーティー名を決めないといけないだろ?」


「なんで?」


「そりゃ、ミス.ドロンジョに怒られるからに決まってるじゃねぇか。」


そうなのだ。

冒険者ギルドにおいて、パティー登録は必須とされている。

臨時のパーティーを組む時は名前までは必要ないが、申請は絶対なのだ。

それは命の危険に伴う仕事だからという事が表向きの話で、どうも昔は義務化されてない時にアコギな事をした奴が居た様だ。パーティーを組んで洞窟とかに入り、仲間の筈のパーティーメンバーを殺す。そして財産を奪う事をした奴が居たようで、現在は冒険者ギルドの管理面として、何をするにも申請が必要になっている。

ある意味で自由を縛られているとも言えるが、ならず者が多いこの世界では冒険者ギルドのメンバーを守る為にも、糞みたいな事をする奴を抑止する為にも、現在の申請式になったとミス.ドロンジョさんから教わった。

で、パークリーさんが仲間になった事を伝えた時にミス.ドロンジョさんから、僕等にパーティー名を決めて登録するようにと、厳しく言われた。


「そうですね。先ずはそれから決めますか?」


「ああ。そうしようぜ。」


「仕方が無いか。」


誰の反対も無く、話はパーティー名をどうするか?に移行した。


さて、ここで問題になるのが、センスだよね?命名センス。

僕は密かに思う所があったけど、センスがないと思っているので、黙って二人の話を聴く事にした。出てきたパーティー名の一部を列挙しよう。


・ドラゴンチェーサー(竜を追う者)

・ドラゴンハンター(竜を狩る者)

・ドラゴンファング(竜の牙)

・ドラゴンテイル(竜の尾)

・ドラゴンフレイム(竜の息吹)


などなど、竜にちなむ名前ばかりが列挙されたのだった!

じゃない!僕は頭を抱えた。痛い。痛いんですよ。

もうちょっと良い名前は無いモノか?そう思っています。


・・・


数時間使っても僕はしっくりくる名前が出てきませんでした。

どうしよ?


「おい。本当にどうすんだよ?」


「もう、【ドラゴンチェーサー】で決めてしまおうぜ。」


ヤバいっす。

こうなったら、仕方がない。


「【ドリームチェイサー】はどうですか?いや、この場合【ドリーム・チェイサーズ】が正しいかな?」


「うん?何だそれ?」


「【ドリーム・チェイサーズ】は、夢を追う者達という意味があります。僕達はそれぞれに夢と言うか目標があるじゃないですか?だからピッタリだと思うんです!」


そう、そうなんです。僕の案も痛いんです。たぶん。

でも確か、宇宙船の名前にもあったような?気がしてます。


「いいじゃないか!」


「それにしようぜ!」


こうしてあっけなく、あっさりと決まりました。

反対されなかったです。何故でしょうか?


「【ドリーム・チェイサーズ】良い響きだ。」


「夢を追う者達。ロマンがあるな。」


ニマニマする人達が目の前に・・・。僕の顔もニマニマしているみたいですが、それは置いておきます。


直ぐに、冒険者ギルドに行って、パーティー登録をしました。

うん。流石に他人の目に触れられると少し恥ずかしい。


「良い名前じゃないか。あんた等に相応しい名前だよ。」


ミス.ドロンジョさんにそう言って貰えたのは非常に精神に良かった。


「ただ、なんだ。あんたら三人じゃ、あんまりバランスが良くないね。」


「そうだな。魔法使い系が居ないからな。」


「まぁ、仲間は追々募集するしかないかね?」


「ああ。そんじょそこらの魔法使いじゃ、足手まといだからな。」


仲間って言っても、この世界の冒険者パーティーは命を賭ける事が当たり前だから、それなりに選んでしまうモノだと思う。信用が置けないとそもそも一緒に居られないしね。


「よし、今日は祝いだね。」


「「おぉ!!」」


「えっ?また飲むんですか?」


「当り前だよ!」


こんなやり取りで登録は終わった。

パーティーランクはBからスタートになった。

これは、プレストンさんのランクが関係している様だったけど、まぁたぶんミス.ドロンジョさんの意向だろうなって思います。はい。


この日も朝まで付き合わされる事になったんだけど、これってパワハラとかじゃないの?

異世界じゃ違うのかな?


「なんだい?アタシの酒が飲めないのかい?ヒック。」


「いえ。そういう訳じゃないです。」


僕は諦めて、目の前のコップを掲げ一気に飲み干す。


「良い飲みっぷりだねぇ~。」


今日はこのやり取りを何回した事だろうか?

ミス.ドロンジョさんは僕達三人を順番に一気飲みをさせる。

これが所謂、アルコールハラスメント?

大人の階段を登り始めたという事なのだろうか?


こうして、僕は気を失った。

一体、僕達のパーティーはまともに活動できるのだろうか?

そんな事を考えながら。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ