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34 学院説明



今年から設立されたSSクラスの【教室】は本当に特別だった。教室はソファが人数分用意されている。

それに合う机も人数分あるのだ。


「これは、凄いな。」


「こういうもんなのかな~?」


「なわけなだろ。」


過ぎすぎる光景を見て全員が呆然としている。

そりゃそうだ。教室に入る前に、このフロアの入り口には兵士の詰所があった。しかもこのワンフロア全てがSSクラスの人間に与えられているらしからだ。そんな感じで教室にいると、一人のお爺さんみたいな人が入ってきた。


「ようこそ学院へ来られた。ワシはウラヌス・ケルガー。ここの副学院長じゃ。」


先導してくれた先輩は「では失礼します。」と去って行った。ウラヌス副学院長はどちらかと言えば、威厳があり学院長ではと思う程の風貌だ。


「学院生活についての話をさせてもらおう。では各々席に着いて欲しい。机に名前の書いたプレートがある。その責に着いてくれ。」


全員がそれぞれの名前を見つけ着席した。私も同じく席に着いた。


「ふむ。ではこの後の予定も詰まっておるから、早速説明させてもらおう。」


やはり、威厳がある。


「まずSSクラスはこの教室のあるワンフロアが全て与えれらておる。更に各人に個室も用意されておるのじゃ。それだけ特別扱いされているという事じゃ。また、各人に用意されている個室は好きなように使ってくれて良い。もちろん、寮の方も充実しておる。こちらも特別扱いじゃ。」


ここまで特別扱いであれば、それなりに羨望と嫉妬が出てくるのだろうし、少し面倒だと思うのは間違いだろうか?


「それで、授業はここでおこなわれるが、SSクラスは午前中のみしかないんじゃ。午後からは各自の好きな事をしてくれて構わない。昼からは他のランクのクラスの授業を受けても良いし、各自自由にしてくれ。他のランクの授業を受ける場合は事前に申請が必要となるので忘れぬようにしておくれ。急に行くとパニックじゃからの。ふぉふぉふぉ。」


と言った後、細かな事は机の中にある物を読めと言われた。


「では、ワシからの説明は以上じゃ。何か質問はあるかの?」


「ああ、一つ良いか?俺はカイ・ローエンだ。担任は誰だ?」


「それは、まだ秘密じゃ。ふぉふぉふぉ。」


「はぁ?もったいぶってんじゃねぇよ。」


口が悪い奴だな。尊敬の念が無い奴だ。見た目はイケメン風なんだけどな。好きじゃないな。


「これだから、下賎の者はダメだ。もう少し落ち着いて話をしたらどうかな?」


「あぁ?なんだと?てめぇは誰だよ?」


「これは失礼した。私はロクトル・ウメザキだ。副学院長殿に失礼だ。礼節を欠く話し振りは戴けない。止めたまえ。」


「ちっ。ウメザキ伯爵の子息か。」


ウメザキ?ウメザキだと?どう考えても日本人の名前だろ?私以外にも転生した?いやこれは転移か?

先祖が転移者なのかもしれない。こちらは黒髪の日本人らしい顔立ちで漫画の主人公のような顔立ちでこちらも美男子という感じだ。


「ふぉふぉふぉ。ロクトル君ありがとう。」


「副学院長。そろそろ、第三王女が待っていますので、王城へ連れて行かせてください。」


気づくと先ほど先導してくれた先輩が立っていた。そんなに過密スケジュール?


「第三王女が急げとの命令です。」


はい、命令が出てました。これは、スタジアムを出る時に言っていたあれだろうな。はぁ、気が重たい。行かないという選択肢が無い事が辛い。とりあえずダメ元で試してみよう。チャレンジだ。


「すいません。ザバルティ・マカロッサです。体調がよくないのですが、欠席という訳にはいきませんか?」


「無理です。他の方なら問題無く休めると思われますが、貴方はダメです。王女様から名指しで呼ばれています。あれなら、回復魔法を使える者を呼びますよ?」


「そうですか。わかりました。」


即答ダメ出しがありました。しかも何故か周りの視線が痛いのは何故か?鈍感を貫きます。

で、なんだか慌ただしく全員がそのまま席を立ち、王城へ向かう事になった。移動は馬車だ。


「ザバルティさん。凄い勇気がありますね。あの場所で断るなんて。」


「いや。とにかく試してみたんだ。余り気乗りする事じゃないから。で、君は?」


「すいません。私はセレスティア・ファフナーです。ファフナー商会の娘です。」


「あのファフナー商会の娘さんですか?」


道中に青髪のおしとやか風のお嬢さんが話しかけてきた。隣に居たミーリアがビックリしている。


「うん?そんなにビックリするほどか?」


「はい。ザバルティ様。超が付くほど有名な商会の一人娘さんです。国一番の商会ですからね。ファフナー商会に揃えれない物は無いとまで言われています。」


「へぇ。そうなんだぁ。ミーリアが驚くほどであるなら凄いんだな。」


「いえ。そんなにたいした物ではないです。それに私が凄い訳ではないですから。親が凄いんです。」


「いやいや。SSクラスに入れているだけでも凄い事なんじゃないかな?あんまり謙遜しすぎるのもよくないよ。」


あはは。と力なくセレスティアは笑った。この時どうしてか分からなかったが、この笑いは気になって仕方が無かった。馬車が止まった事を気づいた私達三人は黙った。


「さぁ、王城に着きましたよ。」









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