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328 死んだ後に ・・・ 作戦会議


「シェリル。どうするんだい?」


「どうするって今までと変わらないわよ?」


「そうかも知んねぇけど、あんな蟲がウヨウヨしてたらどうすんだ?」


見るだけでも気持ち悪い。あんな蟲がアタシらの体に入ってくると思うだけで吐き気がする。


「それは、ザバルティ様が対処して下さるから大丈夫よ。」


今は、ザバルティ様の指示を受けて部屋をでて自分達に与えられた場所に移っている。

目の前に有る訳じゃないのに、蟲を想像するだけで、先ほどパークリーという男の体から出された蟲を想像してしまい、気持ち悪くなるのだから、相当だぞ?って思う。


「まったく、だらしないわねぇ~。」


呆れた感じで言ってくるシェリルの精神構造は一体どうなっているんだろうか?

ふてぶてしいを越えていると思うぜ?


「それともアンタはザバルティ様を信用してないの?」


「そんな訳あるかぁ!」


「なら、ザバルティ様が対策してくれるんですから、私達がしなければいけない事をする迄よ。」


正論だけど、蟲はなぁ~。正直苦手だ。とにかく気持ち悪い。虫が大きくなった魔物もいるけど、実際好んでは戦いたくないけど、体に入ってくるわけじゃないからまだ我慢できる。

が、寄生虫はな・・・無理!


「はいはい。もう蟲の話は終わり。実際にこれからの行動の話をしましょう。」


そう手をパンパンと叩いて話題を変えようとシェリルがする。それを合図に部屋に何人か入ってくる。クラウディア、カトレア、ベネディクト、ルクリア、ヴァイオレットの五人はシェリルの部下の中でも直属でその他の部下の指揮を執る幹部でシェリルファイヴって仲間内では呼ばれてる。

アタシ?アタシはその指揮系統から外れた存在だよ。


「ステファネス。みっともないですよ?」

「カッコ悪い。」

「虫嫌いとか。子供か?」

「きも。」

「馬鹿。」


最後の方は只の悪態だと思う。


「なんだと?!」


「きゃー!シェリル様助けて?!」


クラウディアの馬鹿発言にキレて睨むと、シェリルの後ろに隠れるクラウディア。


「ステファネス。子供相手に何ムキになってんの?」


「そうだそうだ!」


「アンタもよクラウディア!調子に乗らない!!」


「は~い。でもアイツが悪い!」


「はぁ?!」


こうやっていつもクラウディアが突っかかってくる。

どうも後からやってきたアタシが優遇されている様子が気に入らないようだ。


「はいはい。終了!」


いつも止めてくれるのは、ヴァイオレットだ。


「で、シェリル様。ザバルティ様は何と?」


「調査を依頼されたわ。」


カトレアの質問に即答するシェリル。顔はもう真剣な様子になっている。


「やっぱり、盗賊ギルドと戦争ですか?」


「ルクリア。戦争にはならない。」


「そう、蹂躙するだけ。」


ベネディクトがルクリアに答え、補足をカトレアがする。

そう、彼女達は元々はラムザ様に仕えていた人達で、全員精霊使いでもある。それぞれが精霊との契約によって精霊を使いこなす強者だから蹂躙となる。

でも今回はそう上手くいかない気がする。


「どうかな?今回はそう簡単にはいかないんじゃないかな?」


「正直、私もそう思っている。」


アタシの意見にシェリルが同意を示す。

どうも、只の盗賊ギルドの関係者だけじゃない気がしているのをシェリルも感じているようね。


「と、いうと?」


「今回は例の【邪神の使徒】が絡んでいる気がするのよ。」


シェリルの答えにアタシは頷いた。危惧する所は同じだ。

根拠となる理由は違うと思う。アタシは直感だ。


「理由に、今回使われた寄生虫が特殊な個体である事よ。」


「そんなに特殊なんですか?」


「ええ。通常の寄生虫を使う暗殺では卵の状態で寄生させるのよ。だから時間が掛かる。だけど、今回のは時間をかけずに早く動いていた。成虫になった状態で寄生させている可能性が高い。」


「そっかぁ~。でも今回は蟲使いが居ただけなんじゃないですか?」


「そうね。でもあんなに大きな蟲を入れるのはただの蟲使いでは困難よ。自我でもない限り寄生虫があの大きさになって入るのは難しいでしょう。となると、よっぽどの腕かスキル持ちって事になるのよ。」


重たい空気に包まれる部屋。


「じゃあ、最悪死人が出てしまうかもしれませんね。」


ヴァイオレットの言葉でに皆は沈黙でもって答える。

が、アタシはそこまで暗く考えてない。


「最悪、死ななければ何とかなる。」


「「「あっ!」」」


皆も思い出した様だ。

私達が使えている主の事を。


「だから、死なない様に最大限の情報を手に入れれば良い。」


「そうだね。」


「で、何処から行きますか?」


そこからは小難しい話になっていった。


で、アタシは聞いている風を装い、ザバルティ様の事を考えていた。

このエグゼイドの街には最近【ザバるん応援隊】なるものが出来た。ザバルティ様が初めて目立つ行為を自らおこなったからだ。

私達の主が認められたと嬉しく思う気持ちと。この糞ミーハー共め!と思う気持ちが両方あるのだが、あいつ等も中々凄い。


なんと、公然とプロマイド写真が【ザバるん応援隊】内で売られているのだ。

アタシでも数枚しかない写真を何枚も持っている貴族の子女とかが居るのだ。


「恐るべしザバるん応援隊!」


「うん?何か言った?」


ついウッカリ口に出してしまっていた様だ。危ない危ない。


「いや。何でもない。」


「なら良いけど。」


「馬鹿は馬鹿。」


「何!」


どうやら、聞いていた奴が一人いた様だ。

そいつはクラウディア。そこからまた再度クラウディアと言い合いをしていたら、シェリルに喧嘩両成敗と言ってぶん殴られ、アタシとクラウディアは会議が終わる前正座をする羽目になった。ちくしょう!


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