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325 内乱が起こる。


「おい!聞いたか?」


「何だよ?」


「どうもアギドの街で反乱があったらしいぞ!」


「何?それは本当か?」


「ああ、間違いないらしい。反乱軍はオーブと名乗っているみたいだ。」


こんな会話が聞えてきた。


「遂に始まっちまたかい。」


「ミス.ドロンジョさん。どういう事ですか?」


「そういう運動をしている組織があるのは知っていたんだよ。まぁ、こんだけ世界中で色々と動きがあって、このカーリアン帝国も戦争を仕掛けたタイミングは絶好のチャンスだと思ったんだろうね。」


確かにミス.ドロンジョさんが言う様に色々と動きがあるこの時期はチャンスに映る。


「だがねぇ~。」


「なんだ?ミス.ドロンジョは気に入らないのか?」


「アンタは馬鹿なんだから、口を挟むんじゃないよ!」


プレストンさんはミス.ドロンジョさんにバシバシと叩かれている。


「簡単な話だよ。カーリアン帝国にとって敵は外だけじゃない。中にも居る事は承知していると思うんだよ。あの宰相が何も考えてないとは思えなくてね。」


このカーリアン帝国の宰相はラシアンという名前で、高齢だ。ただ、優秀な者しか側におかないと有名なカーリアン皇帝の傍に王に即位したときからずっと仕えている人物であり、そんな優秀な人物が、ミス.ドロンジョさんでも知っている様な情報を放置しているのは何か意図が在る筈だ。と言うのだ。


「たぶん、上手く釣られてしまったというのが正しいんだろうが、今を逃しても出来る状況でもないとは思うけどね。」


街一つの反乱ではビクともしないのがカーリアン皇帝のカーリアン帝国の怖さだと言うのだ。以前にも似たような事があり、その時は反乱に加担した者以外にその街も消滅させられたという話があるようだ。


「カーリアン帝国は反乱とかには徹底して対処するからね。アイツらは半端な事はしないんだよ。現にその街以外は反乱に加わっていないだろうね。よくてもロックフェラ連合に組み込んでもらえなければ、待っているのは全滅だね。」


地方都市とは言え、アギトの街は大きい。国境に面している事が最大の長所であり、ロックフェラ連合との窓口になっているからだ。およそ30万人は居る街である。

その街を全滅させてしまう。恐ろしい話だ。


「まぁ、他所の街の事より自分達の街の事だね。」


そう、この街にも不安な要素がある。

人が消えるという事。特に男の人ばかりが居なくなる。その原因は未だに掴めてない。


「明後日には解ると思うんだがな。」


「それはあの情報屋パークリーの事を言ってんのかい?」


そうなんだ。情報屋に依頼をしているんだけど、もし相手があの邪神の使徒絡みだと手に入らない可能性もある。と僕は思っている。


「厳しいかもしれないね。」


「何でミス.ドロンジョがそんな事を言うんだよ?もしかして?」


「ああ、フレイズにも探らしているが、未だに情報が手に入らないんだよ。まぁ、本職より優秀という訳じゃないし、命を懸けるなと言ってあるから仕方がないのかもしれないけどね。まぁ、今日は飲もうじゃないか。」


「おっ、ミス.ドロンジョのおごりか?」


「馬鹿言うじゃないよ。確り儲けたプレストンの奢りに決まってるだろ!」


またプレストンさんはミス.ドロンジョさんに殴られていた。

あの暴力も愛情表現なのだろうか?と思ってしまう。

その後は世間話をして遅くまで三人プラス三精霊で遅くまで飲んでいた。

僕はノンアルコールだったけどね。



◇◇◇◆◇◇◇



翌々日に盗賊ギルドに来た僕達を待っていたのは、パークリーさんでは無かった。

目の前には、壮年の紳士というのが似合う格好をした人だった。


「君達が、パークリーに依頼を出したプレストン殿と煉殿かな?」


「はい。」


「ああ、そうだ。」


部屋に通された僕達は待たされ、そして来たこの人の一言目はこれだった。


「私は、この盗賊ギルドのいや、正確にはこの支部だけじゃなく、盗賊ギルドのロードスト大陸会長をしているノーアと言う者だ。実は、君達が依頼したパークリーはここの支部長だったんだが、パークリーが大怪我を負ってしまってね。代わりに私が対応する事になったんだよ。」


「もしかして?」


「察しが良いね。君達の依頼の件で動いていて、どうやら確信を突く情報を手に入れてしまったみたいで、命からがら逃げてきたという事らしい。」


「じゃあ、情報は?」


ノーア会長はニヤリとして僕達見る。


「勿論、手に入れた。こうして纏めてもある。」


ノーアさんの手には書類があった。


「渡す前に、聞きたい事があるんだが、良いかな?」


「おいおい。ちゃんと金は払ってるぞ!」


「わかっている。信用の為にこの書類は必ず渡すよ。ただね、パークリーが助かったのは手助けしてくれた存在があるかららしいんだが、その彼らの情報が無くてね。知っていないかと思ってね。もし知っていれば、教えて欲しいんだよ。その情報をくれれば、お金はお返ししよう。」


落ち着き払いノーア会長はゆっくりした口調で話す。

ロードスト大陸一番の大物であるノーア会長が出張ってきたという事は何か大きな収穫があると思っているという事だろうか?


「私もね。人の子だという事なんだろうね。私の可愛い部下があんな状況でも助かったわけだから、命の恩人に感謝しているんだ。お礼がしたくてね。」


「へぇ。それは律義なもんだな。」


「心配しなくても二人には迷惑をかける事はないよ。」


ノーア会長はそう言うのだが、僕はイマイチ信用できない所があると思う。


「俺には心当たり何てないぜ?」


「そうか、それは残念だ。では、煉殿はどうかな?」


僕はどうするべきなのか考えた。

一つの結論に達した。

僕は姿勢を直し改めてノーア会長を見た。



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