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285 決心したのじゃ! その2


『ヒミコよ。直ぐに迎えが来るでしょう。』


「こんなに早くですか?」


「そうだ。&%$#“様が申しておるのだ。当たり前だろう。」


カエサル様がヤレヤレといった感じでおっしゃるが、先ほど戻ったばかりなのだぞ?

はやる気持ちを抑えているから聞いただけなのじゃが。


『ふふふ。カエサル。ヒミコは一刻も早く煉の元に行きたくてウズウズしているのを我慢しているのですよ。』


ぐっ!気づかれておる。流石は創造神様じゃ。


『ときにカエサル。頼みがあります。』


「何でしょうか?」


『今すぐに、神界に赴き報告を上げて来てください。ワタクシは寄らねばならぬ所があります。それにこの事は連絡済みです。報告後は任務に戻ってください。』


「かしこまりました。では、早速、行動いたします。」


スッとカエサル様の気が遠のいていったじゃ。


『さて、ヒミコにキヌよ。煉をありがとう。』


「それはどういう・・・。」


聞こうとした瞬間に、&%$#“様の人差し指が我の口を塞がれたのじゃ。


『ふふふ。深く考えずとも良いで。それに、いずれわかる時が来るでしょう。』


そうおっしゃた。


『さて、迎えが来たようですよ?』


そう、言われたタイミングで我の前に白い胴丸鎧が浮かび上がってきたのじゃ。


「これは?」


『ほら、煉の声が聞えませんか?』


「あっ?」


≪汝は【胴丸・卑弥呼】我に力をかしたまえ!≫


確かに聞こえてくる声は煉のモノじゃ。


「ヒミコ様。今までありがとうございました。頑張ってください。私も早く追いついてみせます。」


キヌは涙を目に貯めて、別れの挨拶をしてくれたのじゃ。


『さぁ、お行きなさい。楽しんでくるのですよ。』


「ありがとうございます。キヌよ。ありがとう。後は頼むのじゃ。」


「いってらっしゃいませ。」


そう、キヌは笑って送り出してくれたのじゃ。

我は、意識を煉の声に向けて集中した。すると体が徐々に透けていく。


「では、またなのじゃ。」


「はい。ご達者で。」


そうして我の体はフッと軽くなり、煉の元へと来たのじゃ。


おぉ、これが現世か?

ふむふむ悪くない。落下している感じで我は一直線に煉の方へと向かっている事がわかるのじゃ。


『煉!ヒミコが来てやったぞ~!』


「うぉ?!」


「あれが、ヒミコ様か?」


我が一直線に煉に向かって飛びついたやったのじゃ。どうじゃ嬉しかろう?ウリウリ。


「卑弥呼さん。やめてくださいませんか?皆が見ています?」


『見ている?』


辺りを見渡すと、確かに目が合う人間ばかりなのじゃ?もしや?


『見えておるのか?』


我はプルプルしだす、恥ずかしい。


「気にしなくて良いですよ?」


そんな中で、優しく声を掛けてくれた御仁がおった。

その声を掛けてくれた御仁の方を向いた時、電撃がはしったのじゃ。

我は、その御仁を見た瞬間に頭を下げておった。


「申し訳ございません。」


「どうしたんですか?卑弥呼様?」


あくまでも、優しく声を掛けてくれるその御仁。


『煉。この方は?』


「あぁ、ほら夢で見たっていうお祖父ちゃんとして登場したザバルティさんですよ。個の館の主人でもあります。」


『そうでじゃったか。ザバルティ様。我は卑弥呼と申し精霊神です。どうか末永く宜しくお願い致します。』


「なに?その結婚後に話すみたいなセリフは?」


『いや、そういう意味ではないんじゃよ?』


「大丈夫ですよ。卑弥呼様。それに僕は神ではありません。神である貴方の方が上なんですから、その様に畏まらないでください。」


『いや。そう言われましても。』


「まぁ、そんな事より、どうですか?その鎧は?」


『?』


「その鎧はザバルティさんが造ってくれたんだよ。だから、卑弥呼さんを呼ぶことが出来ました。」


煉。自分が言っている言葉の意味が分かっておるのじゃろうか?

この様な格の物を造るという意味を?

まぁ、でもこの御仁であれば、そんなに変な話ではないのかもしれんが。


「凄すぎるでしょ?」


煉がボソッと言ってきた。

どうやら、煉にもわかっているようじゃ。この鎧の異常性を。

人の手で造る事が出来る枠をはるかに超越しておるのじゃ。

そんな時にふと目が合った女性が居る。


「あの方は?」


「あぁ、ザバルティさんのメイドでミーリアさん。」


あの方には&%$#“様の力の一端を感じる。

もしや、これは?


「ザバルティ様のメイドのミーリアと申します。卑弥呼様、宜しくお願いします。」


心を読まれたのであろうか?

ミーリアと名乗る&%$#“様の力を感じる女性が先に挨拶をしてこられた。


『こちらこそ、宜しくお願いするのじゃ。』


「卑弥呼様に神の祝福があって良かったですね?またお会い出来ましたね?」


「また会った?」


『気にするな煉。』


我はヒア汗が止まらんよ?

慌てて、煉を止めたが、心臓が止まるかと思ったのじゃ。

間違いないじゃろう?これは?人が悪い。居やこの場合、神が悪いというんじゃろうか?


「さぁ、煉。とにかく装備して見せてくれ。」


「わかりました。ザバルティさん。」


煉は我を着る。

白き【胴丸鎧・卑弥呼】の初装着じゃ。

うむ。なんかこうこそばゆいが、嬉しいというか、気持ちいいというか?

はっ?!

桜花!お前は何ていう顔で我をみておるのじゃ?!その顔は止めい!頼むから止めてくれ。なっ?

我はこれでも神なんじゃよ?


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