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284 現世に戻ってきました。


眩しい。それも凄く眩しい。

そう、思った瞬間にあれ?と思った。


「よっ!起きたか?」

≪元気そうじゃな。≫


僕は勢いよく上半身を起き上がらせていたようだ。


≪煉?大丈夫?≫


「おい?お前さんが桜花さんか?」


≪はい?あれ聞えていますか?≫


「桜花。聞こえるよ。」


≪ほぉ。これはこれは。≫


今まで、こちらでは桜花の声が聞えたのはほんの少しだけ。でも今は違う。僕だけでなくラムザさんにも聞こえているようだ。


「別嬪さんじゃねぇか?そうか、アンタが桜花さんか?」


どうやら、声が聞えるだけでは無く姿も見えているらしい。


≪別嬪さん?≫


「あぁ、格別の別嬪さんだな。かっかっか!」


≪主よ。それぐらいにしておけ。≫


「あぁ、そうだったな。さて煉。お前の帰りを首を長くして待っている奴らが沢山居る。早く戻るぞ。話は戻ってからだ。動けるだろ?」


そう言って、ラムザさんは僕に手を差し伸べてくれた。



◇◇◇◆◇◇◇



僕達は急ぎ山を下りザバルティさんの屋敷へと戻った。

道中で、色々とラムザさんから聞かれると思ったのだが、終始触れる事は無かった。

どうやら、ザバルティさん達と一緒に聞くつもりのようだ。

ゲートを利用して、ザバルティさんの館に戻った。

ゲートをくぐったその先でザバルティさんやブライトさん達が出迎えてくれた。


「ただいま、戻りました。」


「「「「「おかえり。」」」」」


「君は?もしかして?」


≪はい。桜花と申します。宜しくお願い致します。≫


一部の人には桜花が見えるみたいで、挨拶を交わしていた。


「さぁ、先ずは食事にしよう。」


直ぐに食堂へと皆で足を運び、美味しい食事をとりながら、出来事を順番に話していった。最後まで誰も口を挟む事なく聞いてくれていた。


「それで、精霊神ヒミコさんも力を貸してくれる事になりました。」


話し終えた。食事も終わっていて、皆でお酒やデザートを食べている時間になっていた。


「煉。お疲れ様だったね。」


皆を代表してザバルティさんがそう言ってくれた。

何故だか、懐かしい言葉を言われた様な不思議な感覚だ。


「それにしても、精霊界か、凄い話じゃの~。」


「それに、神様とそんなに沢山あったりするなんて、もう無いかもしれない事よね?いいなぁ。」


「俺は精霊界の温泉に行きたいなぁ~。流れるプールと入りたいぜ。」


「それは、今後、私が造ろう。」


「そうですね。ザバルティ様は前から温泉宿を造りたいとおっしゃてましたものね。」


「それは楽しみだぜ。」


「私も入りたい!」


こんな感じで、感想を述べていた。

それより、温泉宿を造るってどういう事?


「それより、煉。この国には温泉宿があるぞ。ヌレイの街で、流れる温泉は無いが、普通に凄い温泉宿がある。」


「そうそう、サドラーという名前の宿ですね。」


「そ、それは、是非行ってみたいです!」


「わかったよ。近いうちにブライトさん達と行ってきたら良い。宿は用意しておくよ。」


「「「「ありがとうございます。」」」」


ブライトさん達と僕は頭を下げて感謝した。


「偶には急速も必要だ。」


そう言ってくれた。

という事で温泉宿に行くことが決まった瞬間だった。

それで、今日は解散となり、長い一日はようやく終わったのだ。



◇◇◇◆◇◇◇



翌朝、朝食をとっていたら食事後にザバルティさんの部屋に行くようにと呼ばれた。


トントントン。


ドアをノックすると、シーリスさんが迎え入れてくれた。

もしかすると、ザバルティさんの執務室に入るのは初めてかもしれないなとか考えていた。


「おはよう。」


「おはようございます。」


「とにかく座ってくれ。」


そう言って僕を大きなソファに座る様に促してくれた。

フカフカなソファに座ると、ミーリアさんが、飲み物を出してくれた。


「改めて、お疲れ様。」


「ありがとうございます?って言うのも変ですかね?」


「確かに変だね。」


と笑いあった。

そして改めて最後の神様にあった時の話を聞かれた。

静かに頷きながら、その話を聞いていたザバルティ様は最後に大きく頷いた。


「やはり、これは君の為の物になりそうだな。」


そう言って、おもむろに空間に手を突き出すと、手が消える。


「えっ?」


そして、何かを引っ張り出すような仕草をすると、僕の目の前に鎧が出てきた。


「これは、私が造った物だが、これを煉にあげよう。」


「えっ?良いんですか?」


「あぁ、元々上げるつもりで造ったんだが、話を聞いてこれは造らされた物だと、改めて思ったよ。」


「それは、どういう事でしょうか?」


「煉の話からして、ヒミコ様の依り代になる物が無いのだろう?」


「あっ?!」


「そういう事だ。受け取りなさい。」


そう、&%$#“様は確かにおっしゃった。依り代が出来ると。まさか?


「たぶん、今思っている事は間違いがない事だ。私が【神の使徒】である事はもう知っているね?」


「はい。」


「私の予想では、煉が会った女神さまと私が仕えている神様は同一神だと思う。」


「まさか?」


「確かにそうだね。だけど、この鎧にはまだ名は無いが、間違いなく【村正・桜花】と同等以上の質になっているよ。」


いやいや、造ったって言ったよね?今?

この人、武器・防具とかも造れちゃうの?しかも伝説級以上の?


「この、防具に名前を与えなさい。私が予想している通りであれば、ヒミコ様の依り代になるだろう。」


こんなに、簡単に手に入れて良いの?ねぇ?



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