275 ロロ様のいらっしゃる軍港大都市
しばらく海沿いの道を堪能して就いた場所。
そこは、本当に大きな港であり、大きな街だった。
城壁?街を高い塀で囲っており壁の厚さもそれなりに厚く造られている様子だった。
「でかくて分厚い壁ですねぇ~。」
「そうね。見た目は凄いけど、争いが無いこの世界では無用なのかと思うけど、趣味なのよね。このエリアを統治している歴代の方々の。」
「えっ?もしかして、戦闘狂?好戦的な方々なんですか?」
「そうじゃないのよ?だけど、そういうのが好きな方々ばかりだったのよ。何かロマンだとか何とか?」
う~ん。精霊様の考える事はよくわからんね?
そういう話をしながら門を潜り、街中へと入っていくと目の前に現れたのは、レンガで建造されている建物が整列しているかのように綺麗に並んでいる。
計画的に設計された街並みだと直ぐにわかる。
大きな道が街の中の主要道となっている様で、城壁に沿って出来ている道。
そして中心を縦にはしる道。そしてそれを横断する形でいくつも道がある。
道も広く設計されており、馬車が数台並行して動ける道幅がある。
道もレンガのように綺麗に並べられた同じ大きさの石が綺麗になれべられており、道路のようだ。まさしく、よく見るRPG系の街並みだ。
「この道はまっすぐ進むと宮殿の入口に繋がっているのよ。」
「じゃあ宮殿がこの街の中心にあるという事ですか?」
「そうね。宮殿を中心に創造された街なのよ。宮殿の入り口前には街を横に横断する広い道があるの。これが今通っている道と同じく、街の中心道という事になるわね。」
宮殿を囲う様に道は繋がっており、宮殿の裏から真っすぐ進むと港に繋がるという。
「ここだったら、普通に住めそうですね?」
「あら?和のエリアは気に入らなかったかしら?」
「そういう意味では無いですよ?!」
「じゃあどういう意味よ?!」
梅花さんだけでなく、桃花さんまで厳しめな突っ込みを入れてくる。
「いや、現世に一番近い街並みだなぁ~と思ってです。深い意味は無いですよ?」
「「あやしい!」」
ジーっと見てくる4つの眼。
「す、すいませんでした!!」
我慢できずに謝罪しました。はい。
だってさ、本当にきついんだもの。
「ふふふ。」
「あははは。」
二人は吹き出して笑いだした。
「ヘタレ。」
隣に座る桜花が僕にボソッと呟く。
妙に堪える一言。自覚があるからより刺さるのかもしれないな。う~ん。
「もうすぐ着きますよ。」
火花さんが僕達に教えてくれた。
少し緊張するな。ロロ様ってどんな感じの方なのだろう?
そして馬車は停止した。そこは宮殿の入口の門だった。
護衛役の4人と梅花さんが降りると、門番の方が待っていた。
「エイリーク様。お久しぶりです。」
「おぉ、これは梅花殿ではないか?ロロ様への謁見か?」
「はい。連絡が来ていると思うのですが?」
「確かに来ておるな。了解した。」
こうして、僕達は馬車のまま宮殿入口から奥へ通された。
宮殿は白く統一された壁に煌びやかな紋様がはいっており、彫刻で飾られている。宮殿の玄関部分には噴水が中心に置かれておりその周りが道となっている。その道を通り玄関前に着くと僕達は降りた。
「ようこそ、お越しくださいました。どうぞこちらです。」
衛兵の格好をした方とメイドの格好をした方が僕達を誘導してくれる。
宮殿の天井は三階建ての三階部分の天井の位置にある位に天井が高い。
煌びやかな装飾品が部屋ばかりでなく通路にも置かれている。
成金趣味ではなく、豪華なのに品がある。そういった趣だ。
そして僕達は謁見の間に入る前の控室の一室に通された。
「しばらく、ここでお待ちください。御用が在れば、こちらに居りますメイドにお伝えください。」
そう衛兵の姿の方が言って、部屋を出て行かれた。
「ふぅ。緊張した。」
「そんな感じに見えなかったけど?」
桃花さんに、僕はついうっかり突っ込みを入れてしまった。
そこからは桃花さんの応酬が始まった・・・。
それはもう、ありとあらゆる事を言われたしまった。
ヘタレだとか、スケベだとか、デリカシーが無いだとか。聞くに堪えない事を一通り言われた後、衛兵さんが迎えに来た。周りは只々苦笑いをしているだけだった。
僕達は衛兵さんに連れられてロロ様の前に来た。
「よくぞ参った。」
「お久しぶりで御座います。」
「おぉ、梅花よ。久しいのぉ~。」
「はい。ロロ様におかれましてはご健勝の事とお見受けいたします。」
「うむ。元気にしておるよ。まぁ硬い挨拶はそれくらいにして、ヒミコ殿がご執心の神崎煉とやらを、早く紹介してくれんかな?」
「これは失礼しました。」
えっ?もしかしてかなり広まっているの?その話?梅花さんが僕に合図を送る。
「初めまして、神崎煉と申します。」
「おぉ、この者か。ワシはこのエリアを統括しておるロロだ。宜しくの。」
「はい。宜しくお願い致します。」
「ほぉ、人間にしてはなかなかしっかりしておるようだの。」
ニコニコした顔をしているロロ様には威厳を感じられる。
だけど、僕にはこの笑顔が少し怖い。目が笑っていないのだ。
「して、ワシはお主を知りたいと思っておる。あのヒミコ殿がお主の何に惹かれておるのかを知りたいのだよ。」
「は、はい。」
えっと、これって面倒事になるのでは?はっ?ダメだ!これフラグになってしまう気がする。
ヤバいよね?




