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271 眷属と血の契約。


俺は、血の契約を交わした13人が、攻めて来ていた魔物と人の混成軍を駆逐するのを眺めていた。

すると、奥の方で一人の男が何かを喚き散らしながら逃げようとしていた。

たぶんあの男だろう。俺の父・母・弟・妹を娯楽のために殺した男だろう。

ただ、殺すのはダメだ。簡単すぎる。何かないだろうか?

私は思い付きで石を指で弾く。男に命中した。男は股を抑えて倒れ転がっているようだ。

これで、もう男の機能は失った筈だ。


「悪いが、あの男をここに連れて来てくれ。」


「かしこまりました。」


直ぐに近くにいた一人が、確かキャシーだったかが、捕まえてここに連れて来てくれた。


「うう。ズミませんでした。許してください。僕は公爵様に言われてやっただけなんです。」


今更ながらに命乞いをしてくるくそみたいな男だ。

だが、この男が持つ魔物を支配するスキルは手に入れたい。

ただのビーストテイマーでは無い。魔獣支配というスキルだ。チートスキルと言って良いだろう。


「名前は何と言う。」


「ミツムと言います。」


「他に何人が異世界転移させられたんだ?」


「後、男が四人います。皆、公爵家に居ると思います。」


「お前、俺の眷属に成るか?なるんだったら、助けてやってもいい。」


「な、なります!ならせてください!」


「俺の命令は絶対になるが良いのか?」


「はい!」


腐っている。腐っているがこの男が持つスキルは有能だ。


「良いだろう。」


そう言って、俺は指を切り、少しの血を葉につけ渡す。


「それを飲め。そうすれば血の契約が成立する。」


「は、はい!」


ミツムは急いで葉についた俺の血を舐めた。

すると先ほどから止まらなかった股間から流れていた血が止まった。


「力が漲る!」


ミツムは叫んだ。


「うるさい!」


「すいません。」


「お前以外の者もお前と同様にスキルを得ているのか?」


「はい。ですが、外れもあるようです。」


「そうか。先ずはそいつらを連れて来い。それがお前の最初の仕事だ。」


「わかりました!」


びっと立ち敬礼をして背中に生えた羽を使って飛んで行った。


「よろしいのですか?」


「あぁ、構わん。どうせ、スキルを奪ったら要は無くなる。その時はその時で利用するまでだ。利用価値はそれなりにあるだろう。」


「かしこまりました。」


俺の家族を奪った奴を生かしておく理由は簡単だ。

ただ、殺すのではなく、それ相応の死に方を与えてやるつもりだからだ。





◇◇◇◆◇◇◇



懐かしい夢を見たものだ。

ふと横を見ると女達が寝ている。全部で13人。

俺が眷属にした女達だ。

あの後、異世界転移してきた男どもは全て眷属としてスキルを奪い。スキルコピーして劣化した物を返した。今は俺が所有している。


そして男どもにはある程度好きに遊ばせている。

俺の命令は絶対だから、いついかなる時も俺が呼べば直ぐにやってくる。

使い勝手のいい駒になっている。


そして公爵家は完全に潰してやった。

異世界転移はその段階で方法が分からなくなってしまったが、問題は無い。

その代わり、転移魔法を覚えた。どうやら、公爵家は失われた古代魔法をいくつか発見していたようだった。が使えたのは転移魔法だけだった。まぁ、仕方がない。


「どうしたんですか?ナベリウス様?」


「起こしてしまったか?」


「いえ。気になさらないでください。それより、何かありましたか?」


「いや。あの女の男は今頃どうしているか?と思ってな。」


「まぁ、そんな事言って女の事を考えていらっしゃったのではないで、むぐっ。」


俺は口うるさくなりそうな予感がしてナリ―タの口を塞ぐ。そして右手で抱き寄せる。

チュッパという音共に唇が離れる。


「もう。ナベリウス様ったら。」


「欲しくなったか?」


顔を赤らめてナリ―タは頷き、オズオズと俺のモノを掴み腰を浮かせて自分の中へと飲み込んでいく。


「うぅ。あぁ。」


声を出すまいと必死に口に手を当てている様子が俺をその気にさせる。

俺はグイっとナリ―タの腰を掴み激しく下から突きあげる。


「あっあん。あっあっあん!」


我慢しきれなくなった様子で声を上げてしまっていた。

その声で気づいた他の女達も参戦してきて、その宴は朝まで続いた。



◇◇◇◆◇◇◇



≪という事だ。あの女には手をだすな。氷漬けにでもして記憶を生を保たせろ。≫


≪かしこまりました。ハデス様のおっしゃる通りに致します。≫


≪気に食わないが、これも理の一つだ。仕方がない。が、お前にも何かかんがえがあったのだろ?≫


≪はい。あの女には興味がありません。あの女を取り巻く環境に興味があるのです。特にあの男はきになっております。≫


≪だから、攫ったのか?≫


≪はい。楽しみにしていてください。楽しい物をお見せいたします。≫


≪わかった。楽しみにしておこう。≫


いつも、ハデス様とのやり取りは緊張する。

いくら強くなっても敵わないなと思わされる。いや、強くなればなるほど、ハデス様の強さがより鮮明にわかってくるのだ。


さぁ、今回の事は大きな問題ではない。

あの男はどこまで強くなって俺の前に現れるのか?

悲劇のヒロインを助け出せるのか?

楽しみだ。



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