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267 王都での異変。


その日の昼間の魔物狩りは無事に完了した。

そして夜、毎日の様に呼ばれている女騎士隊の天幕に居た時だった。


「夜分に失礼します!」


天幕の中へ、伝令兵と思われる使者が呼びかけてくる。


「なんだ?」


ナリ―タ隊長が返事を返す。水浴びを終えて、薄着になっている格好で、俺に甘い顔をしていながら、声だけは威厳を持って外の者に答えている。その姿を見て俺は声を出して笑いそうになったほどだ。


「ナリ―タ殿。ザグルツ大隊長がお呼びです。緊急の御用だという事です。」


「わかった。直ぐに良くと伝えてくれ。」


「はっ!」


そして、遠のく足音を聞いてナリ―タの甘えた顔は俺の方へ向けられる。


「急がなくて良いのか?」


「そうですけど、こうなっているナベリウス様のを放置しては行けません。」


「ナリ―タ隊長。気にせず行ってください。」


他の女騎士が答えている。


「ミーシャ。貴女もわかっているでしょう?」


そうか、この女騎士はミーシャと言うのか。


「わかってはいますが・・・。あっ。」


ミーシャの答えを聞きながらナリ―タは俺の前にかがむと、俺のモノを咥えた。その光景を見たミーシャは声を漏らしてから顔を赤らめて俺に縋るような視線を送ってくる。


他も女騎士もそれを見て顔を赤らめている。その中から一人の女騎士。確か、ジェリーだったかが、自分の体をさらけ出して、俺の所に寄って来る。


節操が無くなっている。このままでは、また呼びに来る状況になってしまうだろう。

俺はナリ―タの耳元に顔を近づける。


「ナリ―タ。先に用事を済ませて来い。そしたら今日は今までで一番可愛がってやる。」


とても優しい声音であったと思う。それを聞いたナリ―タは俺のモノから口を離し、確認してくる。


「約束ですよ?絶対ですよ?」


「あぁ、約束する。絶対だ。」


「わかりました。」


名残惜しそうな顔になりながらも俺のモノから手を放して、大隊長の所へ行く準備をしだす。その間も顔は俺に向けたままだ。

そして準備を終え、天幕から出て行った。



◇◇◇◆◇◇◇



1時間から2時間後であっただろうか?

慌てた顔をしたナリ―タが戻ってきて、俺の前にやってきた。


「どうした?そんな怖い顔をして?」


俺は他の女が俺に可愛がられるのを想像して怖い顔になっていると思っていた。


「お、王都が、王都が急襲され、陥落いたしました。」


「なに?!」


思っていた事と違う事だった。


「どういう事だ?」


「公爵家の反乱で、王は首を刎ねられ殺されたそうです。反乱が成功した模様です。しかも、王様に就いていた者は一族皆殺しにされたという情報が入っております。」


「なっ?!」


正気の沙汰では無い。

反乱は仕方がない事だ。しかし、王に就いて戦った者はあくまで国の人材である。

それを全て一族ごと殺してしまっては軍事力の低下を招く事体だ。


「どうも、公爵家には隣国のカーリアン帝国が後押しをする盟約がされているという噂もあるようです。」


「バカな!あの国は信用が置けない国だぞ?!」


俺は悪態をついた。

俺は更に悪い予感がした。俺の父や母もそして弟や妹達の事が気になりだした。

俺は直ぐに服を着だす。


「どうしたのです?」


「家族が心配だ。戻る。」


「今から行っても。それにここからでは馬を走らせても早くても半日。この夜道ではもっとかかってしまいます!」


しかし、そうも言っていられない。

走れば、馬よりも早く戻れるはずだ。そう考えていた時だった。


≪おう。久しぶりだな。≫


俺は、本当に懐かしく感じる声を聴いた。いや、頭の中に直接声を掛けられている事に気がついた。だから、俺も心の中で答える。


≪お久しぶりでございます。邪神ハデス様。≫


≪おぉ、憶えていたか?≫


≪忘れるはずもございません。≫


≪そうか。ところで日々励んでいるお前に少し力を開放してやろう。≫


≪良いのですか?≫


≪あぁ、悪魔や天使にならぬと手に入らぬものだが、お前は見込みがある。先に使わせてやる。≫


≪ありがとうございます。≫


≪俺様を楽しませろ。くっくっく。≫


そう言うやり取りをした。ほんの数秒間の出来事なので、不審に思う者が居ない程だ。

会話が終わり、俺は自分に与えられた力が何かを直ぐに理解した。

神から授かる事は無条件で理解させられるといった所だ。


「本当に行くのですか?」


「あぁ、もちろんだ。」


「では、私達も!」


「いや、必要ない。俺一人で十分だ。」


「しかし!」


「ではお前たちに命令する。この場所に留まり、学生たちとここに拠点を造って維持して俺の帰る場所を用意してくれ。」


「でも!」


「でもじゃない。今のお前達では俺にとって足手まといでしかない。俺に協力したいというのであれば、俺の言う通りに行動しろ。」


「わ、わかりました。」


「皆はどうする?」


「「「「かしこまりました!」」」」


「良い娘達だ。帰ったらタップリと可愛がっていやろう。」


「「「「「はい♪」」」」」


こうして、皆を納得させ置いていく事にした俺は、準備に戻る。

そして、ようやく準備が終わり、天幕から出ると俺は力を開放したのだった。


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