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266 使徒の力の効果の一つ


10歳の誕生日を終え、1ヶ月が経った頃だったか?

俺はその日、偶然にも王都から離れて居た。

学園行事というモノで、訓練を兼ねた行事に最年少で参加していた。

他の者は皆15歳を迎える年齢の者ばかりだった。

行事の予定は一週間で、行きに一日掛けて目的地であるデュースの大森林に来ていた。

団体行動を教え込むというのが名目になっており、将来騎士や兵士として駆り出されるであろう者達を訓練し、鍛えるというモノだ。引率はその学年の担任と国軍から1000名の兵士が随行している。

魔物を仮想敵国に見立てると共に、この世界の共通の敵である魔物討伐に慣れさせるという事も考えられている。

そもそも、学園を卒業後には国軍や政府の各所、騎士団または冒険者になる者達ばかりが居る。

なので、武を鍛えるのは非常に大切な事とされているのだ。

俺の家は領地を持たない子爵家であるので、父の後を継ぐ事がほぼ決まっていた。

しかし、ここまで≪邪神の使徒≫らしい事は一切していない。出来ていないとも言えるかもしれない。

何せ、力が足りないのだ。勿論同世代やこの国の中では突出しているのかもしれないが、大きな事ができる歳でもないし、そんな権力を持たされているわけでもないので、出来る事は限られている。

ただ、≪邪神の使徒≫である事は隠しているが。能力は破格の物だった。

スキルを含めても魔力量や身体能力等が、半端なく成長する。

成長スピードも圧倒的だ。正直、今現在でも災害クラスの魔物が出てきても恐れる必要すらない。

しかし、子供の体は正直で、どんなに鍛えても、欲求に素直になってしまうと言う欠点を持っていた。

食欲・睡眠欲には勝てない。そして最近では性欲も高まっていると感じている。

10歳にしては、オカシイレベルだ。ただ、両親のおかげで顔立ちは整っており、年上の女から誘われるという状況で、処理が出来るのはありがたい事だ。20歳を超えた女も居たかな?

≪邪神の使徒≫という事で、どうやら相手に対して一定以上の魅力の様なモノを放つ効果もあるようで、神に仕える者ですら相手にして欲しいと懇願されてしまう程には、女に困る事は無い。


で、こういう行事に参加していると女が寄ってくる。女騎士に囚われの身になっている。いや正確には女騎士が所属する一隊に囚われていると言うのかな?まぁ、結果は俺の奴隷になり下がった女騎士隊という事になってはいるが、10歳で10人を相手にするのは結構な体力が必要であるとだけ伝えておこう。


「ナベリウス様。どうしたんですかぁ?」


俺が考え事をしていると、女騎士の一人が声をかけて来た。この女は隊長じゃなかったか?

初めて会った時は、凛々しい女だったと思うが、俺に抱えれば只の女になってしまうらしい。


「ただの考え事だ。お前こそどうした?」


「いえ。その。」


俺の顔を見て顔を赤くしてオズオズとおねだりしてくる女騎士。たしか名前は。


「ナリ―タ。また欲しいのか?」


「・・・はい。」


やれやれ、女騎士というのは伊達ではないな。それにこの隊長は確か国でもそこそこに有名な騎士だったと記憶している。

愚痴っても仕方がないし、そもそも俺もまだ足りてない。女は優しく扱うと言うのが俺の流儀だ。

まぁ、壊れてしまっても後々面倒になるので、どちらとも言えないがな。

すると、ぞろぞろと他の女騎士達も気づき、構ってほしそうに近づいてくる。

やれやれ、今日も寝不足になりそうだ。



◇◇◇◆◇◇◇



ちなみに、実力はほんの少ししか発揮はしていない。

強すぎると色々と厄介ごとに巻き込まれる事がわかっているからだ。

それでも今回のように、最年少で行事に参加する事になってしまったのだが。


「皆さん、良いですか?周りの人との距離は一定に保つのですよ?」


担任である。ギャネックという女の先生が俺の所属する隊の引率者だ。

そして、例の奴隷になった女騎士隊の一隊が護衛役&訓練役だ。

ちなみに、ギャネック先生は魔法が得意な先生でもある。

俺はどちらも使えるのだが、武については自分で色々と訓練が出来るので、魔術の方を専攻している。

とは言え、レベルは俺と違いすぎるので練習する為だけに参加しているとも言える。


「ナベリウス君。昨日はどこ行ってたの?」


「あぁ、夜の練習に出ていただけだ。」


「そんな危ない事したら、ダメだよ?確かにナベリウス君は強いけど。」


「あぁ、無茶はしないから大丈夫だ。」


この女は、俺の参加している隊の隊長だったかな?

まぁ、あまり興味は無いから名前すら憶えていないがな。


「おい!そこ!もうすぐ魔物と遭遇予定ポイントだ。持ち場に戻れ!」


「は、はい!」


女騎士の一人が俺の近くに寄ってきた女に戻れと指示を出していたが、俺には魔物が近づいている事は感じられなかったから、ただの嫉妬だろう。

それが証拠に、叱っていた女がウインクを俺にしてくる始末だ。

全く、大丈夫なのかこの国はと思わなくも無いが、俺の責任でもあるのだと自覚はあるので基本的にスルーだ。


そして、そんな訓練も3日が過ぎた頃だったと思う。そう毎日、昼間は魔物と、夜は女と対峙する日々が3日も過ぎた頃だった。



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