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26 発表 その1



結果発表当日。発表が行われるのは午前10時という事もあり、今日は早めに屋敷を出て、最近行きつけになりつつあるパン屋で5人揃って朝食を頂いてから、学院へ向かった。

昼は学院近くの店で一緒に昼飯を食べる予定となっている。


「皆が揃って特等生になりますように!」


「ロバート。今からでは遅いだろ?」


「でも、遅くても祈りたい気持ちなんだよ。」


「ロバート様の気持ちはわかるわかります。」


「そうだよな?ミーリア。トーマスにはわからないのか?」


「神の使徒様がここに居るんだからぁ~。大丈夫だよぉ~。」


トーマスとロバートとミーリアの会話を受けてアリソンは呑気に言う。


「それもそうですね。」


「頼む。ザバルティ様。」


「いやいや。使徒だからと言っても何もかわらんぞ?何もしてないからな?」


急に振られて私は困惑した。神の使徒という力はあるが、現実問題になにかしら神の威光が発揮できるわけではないからだ。


≪問題ありません。【幸運の星】が発揮されているでしょう。≫


そんな事をシステム様がおっしゃるから問題ないか?それはそうと、やっぱり【神の声】だよね?これ?今後は【神の声】のカミコちゃんって呼ぼうかな?


≪マスターの思うがままに呼んでください。≫


そうおっしゃってくれているので、今後はカミコちゃんでいきます。宣言しました。


『システムはカミコちゃんとして名前を変更致しました。』


仕事が早い。特に反対も無いのだったら、早々に換えて貰えば良かったと思う。


「ザバルティ様。もうすぐ着きます。」


そのミーリアの声で頭の中の会話を終わらせて現実に戻ってきた。


学院に着くと合格者発表掲示板に向かう。まだ10時前というのに人の数が増えてきていた。やはり、合否が気になるのだろう。しかも成績によるクラス分けがあるので、それも気になる要素だろう。


私たちは5人とも特待生狙いなので、勿論Sクラス狙いだ。

この学院は国中から集められる同年代の人間で構成されている。なので一学年の人数は半端が無い。

一クラスは50名。Sから始まり下にA・B・C・D・E・Fまである。一学年で構成される人数はおよそ1万人にも上るのである。5学年あるので5万人もの人間がこの学院にて学んでいる事になる。

そして特待生とはSの生徒のみだ。


「受験者の者達。これから合否発表とクラス発表が同時におこなわれ事になる。中へ。」


スタジアムのような感じの建物へと全員誘導される。

数万人規模で入れる施設の様だ。受験した者達はそれぞれが思い思いの席へ着席する。


さぁ、発表の時間だ。いつも間にか受験生達は全員と言っても過言では無い程の人が集まっている。

ワクワクするなぁ。

するとスタジアムの中心に地中からせり上がるような物がある。ステージかな?

その上には数人の学院生と教員と思われる人物がいた。その一人の教員らしき人物がマイクのような物を持って話し出すと、会場全体に声が響き渡る。


「受験生の諸君。これより我がアスワン王国筆頭理事でもあり、第三王女であるマリリン・アスワン様がお言葉を頂く。前例のない特例である。全員心して聞くように。」


そう紹介された後、会場の私達受験生が入った入り口とは逆から馬車が騎士の先導により入ってきた。


「うそだろ?」

「本当かよ?」

「ラッキー!」


等という声が聞こえていたが、馬車の登場に合わせて音楽が流れてきたとたん、全員が沈黙し馬車に注目している。優雅な音楽と共に入ってきた馬車がステージ横に止まると。バンっという音共にスタジアム上部に沢山ある液晶のような物に映像が流れだす。その映像は今入ってきた馬車を映し出している。

そして優雅な曲に合わせたかのように馬車の前に騎士が並び、馬車の扉が開く。

中から現れたのは、エメラルドグリーンの髪に薄いグリーンのドレスを着た女性が出てきたのである。出る所は出て引っ込むところは引っ込む。まさしく男の憧れのようなスタイルは抜群。かの有名は漫画?アニメ?に出てくる峰〇〇子のスタイルだ。顔はおっとりとした感じで眼もグリーンで宝石のような輝きだ。


「まさに女神!」

「俺はもう死んでも良い!」


なんて言いながら気絶している男や同性のハズの女性達からも、ため息が出ている。

そう彼女は、世界5大美女の一人として有名なアスワン王国第三王女なのである。その美貌の為に求婚が絶たないがその全てを断っている。


「私には、もう心に決めた方が居ます。その方以外はありえません。」


有名な言葉だ。だが、それでも後を絶たないのだ。凄い事である。

あれだけの美女から、そう慕われている者は果報者だ。


「ザバルティ様。よだれが出てますよ?」


「何?」


そう言って慌てて拭く。


「冗談です。男の人はああいう感じが良いんですか?」


ミーリアの顔を見ると、少し怒っている感じの顔だ。私はミーリアに何かしたのだろうか?


「まったく!だらしない顔しないでください!」


だらしない顔をしていたのか?


≪だらしない顔はしておりませんでした。が、私も気に入りません。≫


そうだよな?普通に見てただけだよな?あれ?最後おかしくない??











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