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251 精霊神様の御登場。


「我がヒミコじゃ。この辺りの主となる精霊神じゃ。」


自ら名乗るヒミコさんは、何度見てもコスプレ女子高生。のような感じだ。


「ふむふむ。すまんな。我が眷属が勝手なおもてなしをしてしまって。」


「大丈夫です。」


「それより、何故お止めになられなかったのですか?」


間髪入れずに桜花が聞き返す。


「無礼であるぞ!」


ヒミコの周りに立っている鎧姿の女性が警告してくる。

それをヒミコは手で制して改めてこちらに顔を向ける。


「すまぬな。勝手にと言うておるが聞えぬか?」


「聞こえています。勝手にという部分です。貴女様であれば、直ぐにお止めになる事が出来たのではありませんか?最初っからあの場にいらしていましたよね?」


「えっ?桜花。ヒミコさんはあの場には居なかったよね?」


「いいえ。いらっしゃいました。だから、聞いているのです。何故、お止めにならなかったのかと。」


桜花はちらりと僕を見て、そのままヒミコさんに顔を向けた。向けられたヒミコさんはというと、笑っていた。


「くっくっく。気づいておったか?やはり、その方はあの時に飛び出していっただけの事はあるな。」


「何の事ですか?」


ヒミコさんが言う意味がわからないという顔になって聞き返す桜花は驚きを隠せてないね。

というか、飛び出して行ったとは?


「なんじゃ?桜花よ。覚えておらんのか?お主は元々ここの住人じゃったが、現世の刀に呼ばれて出て行ったでは無いか?」


「すいません。覚えていません。」


「どういう事?」


「おお、いかんいかん。煉だったな。この桜花はこの精霊界の我が支配域から、人間の強い希望で刀に宿った者なのじゃ。」


「つまり、ここの住人だったという事ですか?」


「そういう事になるの。随分と成長しておるから、皆はわかっていないようじゃがな。」


辺りを見渡すと皆首を傾げているが、ヒミコさんはそう言う。

「まぁ、そういう訳でお前さんとの精霊契約をする精霊が現れなかったと言う訳じゃ。」


「ゴホン。ヒミコ様それでは飛躍しすぎです。」


「細かいのは面倒なんじゃ。キヌ。任せた。」


キヌさんは僕がポカンとした顔になったのをいち早く気付いてヒミコさんに注意してくれたのだけど、ヒミコさんは放棄した。その時のキヌさんの顔は見る事が出来なかったけど。


「そうですか。面倒ですか?良いでしょう。私から説明します。」


そう言ったキヌさんの顔を見ていた周りの方々が慌てた顔になったので想像できる事は一つだと思う。【想像に難くない】と言うやつだよ。で、キヌさんが僕達の方に向いて話しだす時には先導してくれていた時の顔になっている。女性って恐ろしい。と改めて思った事は内緒だ。


「つまり、今の桜花殿はこの精霊界でも屈指の存在となっているのです。ここら辺ではヒミコ様位の格になっておいでです。そんな方の傍に格の低い者は近づきたいと思わなかったと言う事です。」


むむむ、難しいな。でも僕の精霊という訳では無いはずなんだけどな。


「ふふふ、煉さん。考えてみてください。神に近い存在が近くに居ます。それも、精霊とはわかるが、名を知られていない存在。でも強いのはわかる。そんな存在の近くに行きたいと思うのでしょうか?」


「そうか、強さがわかるのなら、近づかないという選択をしちゃいますね。」


「そういうことじゃ。」


はい。良いとこどりをヒミコさんがおこないました!


「ですが、僕が直接、桜花と契約を結んでいる訳じゃないと思うんですが?」


「そこじゃ。そこが難しい所なんじゃが、桜花は先に刀を依り代として現世に関わっているのじゃが、主従の契約をお前さんと交わしていないかい?」


「あっ、そうですね。交わしてます?いや、あれは・・・。」


僕が言い淀むと、桜花が割って入ってくる。


「しています。私が名をお伝えし、主として認めました。」


「確かにそうですね。」


ちょっと桜花さんが怖い顔になっているので、僕はその勢いに負けて答える感じになってしまった。カッコ悪い。今更か?


「ふむふむ。という事よ。のぉ?キヌ?」


「そうです。そこが問題なのです。基本的に精霊と人との契約は一つなのです。その者のキャパを越えてしまうから。もちろん小さい格の者との契約はキャパを越えないように複数ともできますが、桜花殿は先程も話しましたが、精霊神となるヒミコ様と同等の格にまで成長されておられますので、キャパ的に近寄らないという問題も潜在的に感じているのです。」


「なるほど。でもそうすると、僕は契約者なので桜花を軸として精霊魔法が行使できるんじゃないですか?」


「流石異世界の方は違いますね。普通は使える様になるはずなのですが・・・。」


「私には魔法属性や、属性が無い。武技特化に成長している。」


「そういう事です。なので魔法が利用できないという事になります。思い当たる節はありませんか?」


そう言われて考えてみる。たしか、アリアさんは僕には魔法適正が無いと言っていた。だけど、桜花を手にしてから少しづつ魔力とMPが上昇するポイントが上がっている。


「もしかして、桜花と契約したから魔力が少し上昇しやすくなった?」


その答えを聞いて頷くヒミコさんとキヌさん。

そうなのか。魔法適正が有ったのではなく。桜花のおかげで付いたのか。




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