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238 旅に出た僕達。


「なんでかなぁ~。上手くいかないなぁ~。」


僕は部屋に着いて、アリアさんをベットに横にした後、独り言を言ってしまっていた。


「はぁ~。」


「ごめんね。」


「?」


「煉君・・・八つ当たりしてごめん。」


「起きて、は無いか?」


これも何度目だろうか?寝言を言いながら謝罪しているアリアさんを見るのは?

アリアさんの目元にキラリと光る物が見えた気がした。



◇◇◇◆◇◇◇



僕達は今、東北を目指している。

東北の位置には今話題の都市国家スパルタがある方向。

都市国家スパルタは魔王国から独立した出来たばかりの国なのだけが、国として認めてもらうべく外交に力を入れているらしく、貿易を盛んにおこなっているらしい。しかも魔王国から独立したので魔王国とは敵対関係にある為に、世界の国々が協力を惜しまず援助をおこなっているとか噂されている。


「アリアさん。少し旅にでませんか?」


「えっ?まぁ良いけど何処に?」


「都市国家スパルタです。」


「何でまた急に?」


「都市国家スパルタ。僕の世界では滅びた国?都市?の名前なんです。だから気になって。」


「そ、そうなの?」


「はい。手がかりが手に入るかもしれないと思うんです。」


嘘だ。確かに聞いた事がある名前だった。スパルタ。確か訓練がキツイ事をスパルタって呼んでたけど、それは確か古代ギリシャ時代にあった都市国家の名前のハズだ。だから全くの嘘ではないけど、今の僕には結構どうでも良かったりするんだけど。

それより、アリアさんと逃げる。対応する時間を稼ぐという意味で逃げる為だ。

都市国家スパルタという名前を聞いて思いついた事だから、あまり良い策だとは思えないけど、ここから逃げる理由にはなるはずだと思う。


「良いね~。面白そうだ。」


「うむ。もしかするとジャパンの事が少しわかる者が居るやもしれないな。」


意外にも、バーナードさんとブライトさんが先に食いついた。


「じゃあアタシ達も行くよ。ねぇ?クリスチーナ?」


「同意。」


「じゃあ、決定ね?良いわよねアリア?」


「えぇ。皆がそう言うなら良いわ。でも店とかどうするの?」


「なに。ワシらが居らんでもどうにかなるわい。」


「たしかに、ブライトの所は良いでしょうね。アタシの所は店番を頼むわよ。」


「私の所は店を閉めますよ。」


「わかったわ。じゃあ行きましょう。後の二人はどうする?」


「放っておけ。そのうち気づくじゃろ?」


「アンタは昔かっらそう。馬鹿ね。そういう訳にはいかないわね。じゃあ出発は3日後。それまでには連絡をつけるわ。」


こうして、その3日後には街を出る事になった。結局後の二人は後から来る事になったんだ。

まぁ何年もかかる工程ではない大丈夫とはミスコンティさんの談。

そして、今はミスル国の王都シャンティイに来ているわけ。

冒険者として魔物狩りをして路銀を稼いでいる。メンバーが強いので恐ろしい目には合ってない。

弱い魔物の時は僕も戦わせて貰えている。

『村正・桜花』を使って戦うスタイルだけど、徐々に強くなってきている気がする。


「ほぉ。成長するのが早いですね。これはスキルや称号の所為ですかね?」


僕の戦闘を見てバーナードさんが感想を述べている。


「同意。成長が早い。」


「そうね。煉君の強さがドンドンと上がっているって感じるもんね。」


「うん。私も嬉しいわ。」


こうやって女性に褒められると嬉しいもんだな。


「ふん。調子に乗りおってからに。」


ぼそっとブライトさんがボヤくのが聞こえるがスルーします。


「でも、皆さんが強すぎて自分何も出来てない気がします。」


「良いのよ。経験の差は仕方ないモノだから気にしないの。」


「はい。」


このような感じで旅をしていた。楽しい旅だった。それから少しして様子が変わった。

キッカケはアリアさんの仲間の残り二人が一度合流してからだ。


「やぁ、初めまして、俺はシーブックだ。よろしく。こっちはセシリーだ。」


「貴方が煉君ね。噂は聞いてるわ。よろしく。」


「はい。煉です。よろしくお願いします。」


「早速で悪いんだけど、皆に話したい事があるんだ。」


「どうした?」


「気を悪くしてほしくないんだが、煉君は部屋から出て貰えないだろうか?」


シーブックさんがイケメンスマイルを少し気を使った顔にして僕に言ってきた。


「あっ、はい。わかりました。ちょっと屋台を覗いてきます。」


僕は何かマズイ事が起こったんだと気をもんだけど、ここは素直に出るべきだと思って部屋を出た。

あっちこっちと見て回るけど、話の内容が気になって楽しめる感じでは無かったけど頑張って時間をつぶした。

屋台も食べ物ばかりじゃ無かった気がするんだけど、あまり憶えていない。


で、部屋に戻ったら、シーブックさんとセシリーさんはもう居なかった。


「お帰り煉君。ごめんね。」


「大丈夫です。それよりお二人は?」


「何か、用事があるとかで出てったわ。」


「そうですか。」


そこから、何の話をしたのか?とかこんな事になったとかの話はしてもらえなかったし、僕から聞く事は出来なかった。で、その日の夜から、アリアさんの様子が少しおかしくなっていった。そして今日みたいに悪酔いする様になったんだ。


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