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237 神を信じるか?

「あなたは神を信じますか?」


僕はその質問に対してどう答えたら良いのだろうか?

僕は神の存在は信じている。この世に神は居ると思う。

だけど、全知全能であるとか、人々を救う、人々を導く存在だとは思っていない。

そもそも、神様が人を助ける必要が何処にあるのかわからないと思うからだ。

もちろん、気まぐれで事を起こす事はあると思う。だけどそれは人が起こす動機とかでは無いのでは無いかと思うのだ。


この考えは祖父に教え込まれた考え方でもある。

もし、善性と悪性という考え方があり、神が善性であるならば、この世に災害は無く。

抵抗する事も出来ずに死ぬ事は無いのではないか?と言っていた。

それに、神様が全知全能であり、人を救い、人を導く存在であると言っていたという記述は無い。あくまでも神様に接した者がそう言っているに過ぎないのだ。


では、神様はいないのか?

それもそれで居ないとは言えないと思う。少なくともゲームや小説を作っている人はそのゲームや小説の中では神様だ。想像できる限りの事が出来る様にする事が出来るからだ。

つまり、この世界、地球の存在する世界において神様という存在は居るのではないか?そう思うのだ。


過去歴史を遡ると時の国のトップを神様として讃えていた時代や国がある。

それも一つの例だが、国を興した者でその国においては好きな事が出来る権力者である。

その権力者はその国の中では何でも出来る。となると、先に話した事に当て嵌まる。

その世界の中では神様と同義なのだ。何でも出来るのだから。

それに過去の歴史においては知る限り、移動は大変だった。そう考えると、国と国を認知するのにはそれ相当の移動が必要だった訳だ。

そう考えると、神様として国のトップは君臨できるのではないだろうか?

国のトップを王と呼ぶのか?皇帝と呼ぶのか?天皇と呼ぶのか?神と呼ぶのか?

それは自由だろう。

ただ、その本当の所は誰にもわからない。そこはその呼ばれた者にしか分かり得ないのではないだろうか?

だから煉。お前は神様を信じながらも神様にに縋るのではなく頼るのではなく、自分の成長を最大限に考えて行動しなさい。そうすれば、お前は何でも出来る様になる。


祖父はそう僕に話してくれたものだ。

で、今の僕はその言葉を胸の奥に押し込めている。


「どうか神様!この窮地を救ってください!!」


目の前では僕の好きなアリアさんが大暴れ真っ最中なのだ。


「うっさい!」


お酒をしこたま飲んだアリアさんは日頃のストレスが大爆発したのか、大荒れしている。僕の手には負えない状況だ。


「アンタねぇ、ひっく。いつも遅いのよ!」


「ほれほれ、アリアよ。少し落ち着かんか。」


ブライトさんが宥めようと声をかけてくれるのだが、全く聞く耳を持ってないアリアさんは、ブライトさんの頭を鷲掴みするとぶん投げながら火の魔法をぶっ放す。


「イデっ!熱っ!!」


これで犠牲者は3人目だ。


初っ端は近くに座っていた。他の冒険者グループの者だった。

いきなりアリアさんに腕を廻してきた。


「ネェチャン。こっち来て一緒に飲もうやぁ?」


「調子に乗ってんのか?ああぁん?!」


そう言ってアリアさんは瞬殺した。いやまぁ殺しては居ないけど・・・。

二人目はそのヤラレタ冒険者の連れ。


「おいおい。嬢ちゃん何しちゃってくれてんの?」


「うっさい!黙れこのピーピーピーがっ!」


瞬殺。つまりチャラい冒険者二人がアリアさんを見てナンパしてきたのがスタートだ。

そして、僕の方を見て。


「優男がっ!自分の女が他の男に絡まれたら直ぐに助けんかい!」


「えっ?す、すいません!!」


「何、直ぐ謝ってんだ!誰も謝って欲しいなんて言ってない!私の男なら男らしくして!って言ってんの!!」


「はい。すいません。」


「だから・・・。」


「もうそれ位にしてやれアリア。」


「うるさいよブライト。」


という流れからのブライトさんの鷲掴みぶん投げ、魔法ぶっ放しなのだ。


「邪魔するな!ブライト!!」


「ちょっと、そこまでする事無くない?」


ミスコンティさん参戦。


「ちょっと、バーナードも見てないでどうにかしてやってよ。」


「仕方が有りませんね。」


「何?バーナードも何か言いたいの?」


「いえいえ。そんな事は有りませんよ。ただ、少し残念なだけです。」


「何が残念なの?」


「楽しくなってきた処で、寝て頂かなければいけないので。」


「どう…い…う…ぐぅ~。」


話しかけながら魔法を行使していたようで、アリアさんは寝てしまった。


「ふぅ。煉君。後は任せましたよ?」


「ほんと、煉君シッカリしてよね?」


「本当にすみません。」


「やれやれじゃのぉ。これで酒飲んで荒れたのは何回目じゃったかのぉ~。」


そうなんだ。今回旅に出る事になってもう三回目なんだ。


「仕方がないとはいえ、ちょっと酷いのぉ~。」


「煉君がシッカリしないからなんだからね。」


「同意。」


「まぁまぁ、それでは私達は飲みなおしましょう。では煉君よろしく。」


バーナードさんが助け船を出してくれるが、皆からシッカリしろと言われる僕は自分が情けない。情けないとは思うけど、イザってなると腰が引けてしまう。どうしても。そんな事を考えながら、今日もアリアさんをおぶって自室へと戻る僕だった。


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