227 建築神の傍で・・・地表
地上三階・地表一階となる場所はホテルのロビーとレストラン街が融合する場所になるのですが、地表部分も利用した青空レストランの様なモノも設けることになっています。ですから、地表部分には芝生を植えて綺麗な庭を広大に用意する事になっています。
地表部分以上の建物になる所は、地下から地上2までの地中に隠れる部分で完成して店を入れていく状況になってからの設営になります。
「今から、地表以上の設営がとても楽しみだ。」
「ふふふ。見晴らしが良いのはとてもいいですね。」
そう、最上階にはザバルティ様の私室並びに、拠点の部屋が用意される事になっています。
「そろそろランチに致しませんか?」
ミーリア様が声をかけてくれました。もうお昼です。集中していると早いものです。
「そうだね。キリも良いしランチにしよう。」
それが合図となり、ダンバル一家は皆手を止める事になります。一家の皆は待ってました!とばかりに我先にランチの準備が出来ている地表に向かいます。
本日のランチメニューは。
「今日は、牛丼と豚汁と漬物よ。」
「「「オッシャー!!」」」
情けない事に、我がダンバル一家は皆胃袋を掴まれているのです。中には。
「ミーリア様の手作りランチが食えるぜ!ひゃほーいい!!」
等と、趣向が違う者まで居ます。でも初めて牛丼を食べた時の驚きは今でも忘れません。元々、牛は食用では無く、牛乳を飲むか、畑を耕す物だったのです。なので、牛を食べるのは農家で牛を飼っていて死んでしまった物だけ食べるという位な物でした。ですが、ザバルティ家では数年前から牛を食用として飼うようになっているとかで、美味しい牛肉が食べれます。ですが、そのような食用の牛でなくても牛丼は美味しく食べれるのです。食の革命と言って良いのではないでしょうか?どうやらそれもザバルティ様が、発見された様なのです。凄い事です。
「あれ?セシリアは食べないの?」
「棟梁が食べれないなら、俺が、ぐはっ!!」
ワタクシの食べ物を横取りしようする者には鉄槌をお見舞いしてやりました。
食事に対する感謝をしていたワタクシに対する挑戦と受け取りました。鉄槌をお見舞いした後には思いっきり睨んでやりました。
「あぁ、お前のボーナスはカットだな。」
「そ、そんな!違いますよね?棟梁??」
「・・・。」
ワタクシは無言のまま睨むだけです。
「ひ、ひぃ~。ボーナスカットだけはご勘弁を。母ちゃんに殺されます!!」
手を合わせて拝むようなポーズをとります。ので、仕方が有りません。
「では、お前の丼の肉を寄こしなさい。」
「そ、そんあ殺生なぁ~。」
情けない声で言うワタクシの部下のデリッチ。その様子を見ていた周りはドッと笑いが起こります。
おかしい。ワタクシは本気なのですが冗談と思われた様です。ワタクシが首を傾げると、ザバルティ様が周りの喧騒と注目されて他からも注意や揶揄いを受けているデリッチを見ながら、ワタクシの丼にお肉を数枚入れてくれました。
「頂けませんよ?」
「まぁまぁ、デリッチの代わりに私があげるよ。」
「す、すいません。ありがとうございます。」
ザバルティ様はワタクシが本気で言っていた事などお見通しだったようです。ワタクシは恥かしくなって下を向いてしまいました。するとザバルティ様とは反対の席にミーリア様が来られました。
「ふふふ。一杯あるからお替りをしたら良いわ。」
「・・・はい。」
恥ずかしさを乗り越えて今度は幸せな気分になりました。お肉が沢山ある。この情報は嬉しい。
ワタクシがこの後、ガツガツと牛丼を食べたのは言うまでもありませんね。
◇◇◇◆◇◇◇
楽しい嬉しい食事の時間は終わり、午後の部です。
ここからは、ザバルティ様が中心になって強度を強くしていきます。
とは言え、ほぼ一瞬で完了です。圧倒的な魔力で完成してしまいます。そして更に補強するのはワタクシ達、ダンバル一家の役目なのです。
「では、この後の補強は皆に任せて私達は、給排水の下準備をしよう。」
今回は給水関係は屋上に用意するタンクに水魔法の装置をつけます。
なので、排水はろ過装置を敷地の隅に用意しますので、そちらに集める様に配置していきます。
一番の問題は一階部分になる馬車場です。馬は生き物ですから、こればかりはチャンと処理できるようにしておかなければいけません。また匂いも籠ってしまうとツライです。なので基本的には完全密閉式でありながら、詰らない様に工夫する必要があるのです。
「それなら、問題無いよ?空気と水を一緒に吸い込む形をとるから。それにね。馬のふんや尿は畑の肥やしになるから、農地に譲るつもりだよ。」
「え?」
「あぁ、亜空間があるんじゃん?あれを応用するんだよ。それとゲートね。」
なるほど、その手がありましたか!これは益々目が離せませんね。おっと、涎が出る所でした。危ない。
「ぐふぐふしないのよ?」
ミーリア様に指摘されてしまいました。でも仕方が無いと思いませんか?ワタクシが知らない発想と解決策を用意されてしまうのですよ?もう、た・ま・り・ま・せ・ん!!




