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223 建築神の傍で・・・呼び出し


「セシリア。ザバルティ様がお呼びですよ。」


「はい。わかりました。お伺いします。」


我が主がお呼びだとミーリア様が呼びに来られました。

今日は何の呼び出しでしょうか?

地下都市ハイマーの事はハフマンが後処理をしていますし、要塞都市の方はカーリンが処理しています。

特に問題があるとは言っていなかったし、何かあればワタクシに先に報告があるはず。そもそもそのどちらもザバルティ様の手を煩わせる事はもうありません。

という事は、新しい何かが待っているという事になります。今度はどんな物を見せて頂ける事になるのでしょうか?ワクワクしてきました。


「セシリアです。何か御用でしょうか?」


「よく来てくれた。セシリア。一緒に現調に行こう。」


「了解です。」


ホラ来た。やっぱりそういう事です。


「で、今日はどちらに?何を造る予定ですか?」


「今回は、都市国家スパルタの隣に位置するミスル国のビテングの街に行く。街の中に街を造ろうと思っている。」


「街の中に街ですか?」


「そうだ。」


それ以上は、教えるつもりが無いのか、話しては頂けなかったが、『街の中に街』とは一体何なのでしょうか?


「ははは。わからないって顔だな。まぁ良い。それより、そこの現場を任せる担当者も連れていきたい。誰か連れて来てくれ。」


「わかりました。ではウーレアーを呼びます。」


「了解。」


ワタクシはウーレアーを呼ばせに従者の一人に指示をだしました。

ワタクシ達はウーレアーを待ってから、ゲートを使って、ミスル国のビテングの街へと向かいました。

馬車を出てザバルティ様が現地に居る仲間に挨拶をしている横を通り、現地を見る。どうやら、街の中心から離れた場所のようです。敷地と思える場所は広いようですが、木が立っているだけの場所。ただ広い。どうやら小さい山のような感じでしょうか?そんな場所です。今いる場所には建物が一つ立ってはいますがそれほど大きい物には見えません。こんな場所に何を造るのでしょうか?


「どうだい?街の中にあるには広い敷地だろ?」


「そうですね。かなり広いと思います。でもこの中に街を造るとは?」


「そうだね。それは設計図を作りながら話をするよ。」


格別に嬉しそうにそう話すザバルティ様。


「そうだ。ミーリア。ラムザを呼んで来てもらえないかな?」


「かしこまりました。」


そう言ってミーリア様は馬車に戻る。

ラムザ様がここで同の様に関わる事になるのだろうか?

少ししてラムザ様がやって来ました。ふっらと寄ったみたいな感じで国を移動できる≪ゲート≫はやはりそれだけでおかしい事だなと思います。

挨拶もそこそこにお二人は話し出されました。ザバルティ様からの話を聞いているラムザ様の顔が徐々にいたずらっ子のような顔になっていくのがここから見てもわかりました。


「それは、面白い!是非、やろう。」


「やっぱり、ラムザはわかってくれるか?ありがとう。」


がっしりと握手を交わす二人を見て、これはとんでもない事になりそうな予感がしてきました。

ぐふふふ。どんな建築物を想像なさるのでしょうか?


「セシリア。急いで戻りたいと思うから、手伝って欲しい。」


「どうなさるのですか?」


「ゲート部屋を造るんだけど、その前に、この敷地を一端壁で囲ってしまいたい。そっちをセシリアの部下達に任せて良いかな?」


「勿論です。」


「あと、建物が一戸あるから、その中を宿泊が出来るようにして欲しい。それも頼んで良いかな?」


「わかりました。ウーレアー、よろしいですね?」


「はい。わかりました。」


ウーレアーは直ぐにゲートで屋敷に戻って行った。


「後の事は、ウーレアーに任せておけば、大丈夫です。」


「了解。」


ワタクシからの確認を得て、ザバルティ様はリリアーナ殿に以降の指示を出されていました。

その指示出しを待ってから、ワタクシ達はゲートを使い屋敷に戻る。敷地の広さとか調べなくては普通はダメなのだが、カミコちゃんが居る我々は現場を直に見るという事のみで済んでしまうのです。

つまり詳細なデータはカミコちゃんが全て用意してくれるのです。


「よし。では戻ろう。」


普通でしたら、殆どの事をザバルティ様がおこなってしまう所なのでしょうが、今は『設計する』タイミングです。それ以外はしなくなる時期になるのです。それはつまり、ワタクシにとって新しい知識を垣間見る事が出来るという事にもなるのですから、ワクワクが止まりません。

そうなんです。建築神とワタクシがお慕いするザバルティ様のお力が発揮されるのですから、見逃せる訳がありません。この新しい物を創造なさる設計時には、殆どと言って良いほどにワタクシは後一緒させて頂いているのですが、それはもう半端ないです。神々しくていつの間にかワタクシは泣いてしまう程に。たぶんですが、これは何度経験しようとも慣れるという事はないでしょう。

ですが、『建築神』であられるザバルティ様は『建築神』と呼ばれる事を極端に嫌われます。何故なのでしょうか?ワタクシにとってそれだけは不満です。それ以外にワタクシに不満はありません。ワタクシは全てをザバルティ様に捧げているのですから。


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