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215 信者の私・・・誓い


今回、アリア様捜索隊の隊長として私が任命された。そして、隊員のほとんどが女性で占められる。私の元々の部下が全員参加する事になっている。私は元ビラッキオ隊においても女性が直属の部下になっていたからそうなったとも言える。

私たちは表の部隊として設置されている。裏の部隊としてシェリルさんが率いる部隊が居る。私たちのサポートがメインだ。先行して情報収集をしてくれる事になっている。私たちはそのシェリルさんが率いる部隊の情報を元にして行動する形だ。彼女の部隊は密偵や隠密行動をする部隊らしい。それに元々はザバルティ様の仲間ではなく、他から入ってきた者達であるという。私と同じザバルティ様の信者であると言えると思う。だから、私たちが彼女たちと話すときは、ザバルティ様の事が話題の中心だ。もちろんその事はザバルティ様は知らない。知っているのはミーリア様他女性陣のみだろう。男でもザバルティ様の信者はいるのだが、最近の男性仲間はどうやらミーリア様に傾倒している者も多くいる。それもミーリア信者と言っていいのではないかと思うのだが、あくまでも『ミーリア様ファンクラブ』だと言い張る。中には、ザバルティ様の仲間ではない、貴族の中にも居るとか居ないとか?だから、資金豊富であるとかないとか。まぁ、他の男どもの話はどうでも良い。私たちにとっては男とはザバルティ様である。協会のシスターが操を立てていると聞いた事があるが、実際に信者になるとわかる気がする。とはいえ偶像相手ではなく、実在する綺麗な顔をした男であるザバルティ様と比べられるのは神様たちに同情する気持ちはある。


「リリアーナ様。顔がニヤついてますよ。大丈夫ですか?」


「ゴホン。大丈夫です。ところで、準備は出来ましたか?」


危ない危ない。ザバルティ様の事を考えるとどうしても、あれだ。ニヤケテしまうらしい。


「それなんですが、まだ整っておりません。」


「何故です?シェリルさん達はとっくに出てしまいましたよ?」


「はい。それが装備品をザバルティ様が見られて、少し待てとおっしゃってまして、準備が整ってないんです。」


「ザバルティ様が?それは初耳です。どういう事ですか?」


ちょっとちょっと、私はきいてないんだけど?どういう事?


≪それは、マスター(ザバルティ)が見て気づいたのが遅かったから、急遽用意している。≫


カミコちゃんが親切に教えてくれた。


「と言う事です。」


「わかったわ。皆、休みなさい。ザバルティ様には私が直接お会いしに行くわ。」


カミコちゃんとの繋がりは今回招聘されたメンバー全員が繋がっており、情報共有にも一役かっている。


≪その必要は無い。リリアーナも一緒に待っていれば大丈夫。≫


「しかし、それでは失礼ではないですか?」


「大丈夫よ。リリアーナ。」


横から声がした。そこにはミーリア様が居た。


「ミーリア様、それは本当ですか?私達みたいな下々の者が伺わなくてよろしいのですか?」


「ふふふ。その心がけは私としては良しとするのですが、ザバルティ様はそのような考えはないのよ。私も貴女も同じザバルティ様の仲間なの。部下や従者扱いではないのよ。あくまでも仲間であり対等なの。そういう考えをする方よ。」


「そうなんですか。私達下々を対等に考えて頂いていたんですね。」


私は涙が出そうになる。すまない。正直に言います。泣きました。名誉のために言うと私だけじゃないよ?隊の皆はその話を聞いて泣いたよ。だってそうじゃない。私たちは一度はザバルティ様に敵対した訳だし、しかもザバルティ様はこの世界で一番尊い人『神の使徒』なんだよ?わかるでしょ?


「そうよ。そういう人なの。だから、そう言う人に歯向かうなんて愚かでしょ?だから、ザバルティ様に敵対する者には容赦しなくて良いわよ。私達で、そのザバルティ様の清らかな心を守る必要があるでしょ?」


私はビクンとなった。そうだ。ミーリア様のおっしゃる通りだ。私達はその為に存在しているんだ。そして私は周りを見渡すと、皆、涙を目に湛えながら、強い意志の宿る目になっていた。皆、私と同じ気持ちの様だ。だから、私は皆を代表して宣誓した。


「ミーリア様。私達は何事が起ったとしてもザバルティ様の清らかな心を守るべく最善を尽くします。そしてザバルティ様の望まれる世界になるべく、我が身を粉にして精進いたします!!」


「「「「「おぉおぉ!!!」


私の先生に続いて皆が応答してくれた。私たちは今心を一つにして目標を掲げたのだ。


「よろしい。この私、リン・・・ミーリアがその心意気に祝福を与えましょう。」


私達の心構えに対して最大の賛辞を頂いた気がする。心が熱く燃えるようだ。私達は皆、自分の存在の、生きる意味を見つけた気がしたのだ。

そう、ザバルティ様の清らかな心を守る役目を全うする為に私達は存在しているのだと。


「これで、貴女達は皆、私の同志ですね。嬉しい限りです。私と共にザバルティ様の望む世界に貢献していきましょう。」


「「「「「はい!!」」」」」


私達は皆、ミーリア様と一緒に泣き誓い合ったのだ。



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