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213 初めての洞窟探検・・・僕の一歩。


本当に疲れた。ぐったりだ。だから僕は一人先に宿に戻って寝る事にした。

慌てる気持ちが全くない訳じゃないけど、今考える事すらも無理だよ。頭の中がパンパンです。

痛いってのもある。他の方々は皆飲みに行ったよ。アリアさんも勿論一緒だ。僕と居るより安全だしね。

最後まで心配そうに見送ってくれた優しいアリアさん。だけど、今日はやせ我慢が出来そうになかった。

半端な無い疲労感が僕を襲っていた。


「疲れたな。」


ボソッと独り言を言ってベットに座った。今日は風呂にも入る気が起きない。生活魔法の洗浄を使って綺麗にした。これだけは使える様になりなさい。とアリアさんに言われて、洞窟に行くまでの間に習得した魔法の一つだ。

ふぅー。そう一息ついたら僕の意識は無くなっていた。



◇◇◇◆◇◇◇



「おい!起きろ!この寝坊助!!」


何だろ?声が聞こえる?どこから?


「早く起きろアリア様がご用命だ!!」


はぁ?アリアさんが何だって??


「起きれば良いんだ!起きれば!!」


つうか、そもそも僕は寝ていたよね?自分の部屋で?あれ?この声って?


「アリアさん?!」


「そうだぞォ~。アリア様だぞォ~。ぎゃはははは!」


これってもしかして酔っ払ってるアリアさん?僕の目は一気に覚めた。


「どうしたの?」


「どうしたもこうしたも無い!」


いつもの感じとだいぶ違う。イヤ別物じゃないか?


「まったく、お前は心配ばかりさせやがって。」


「すいません。」


「何がすいませんだ?!反省しろ反省!!ぎゃはははは。」


謝っているのに反省しろって、どうすりゃ好いんだよ?つうか、これが世に言う『酔っ払い』?

これはやべぇなぁ~。それが最初の感想。だってあのアリアさんだよ?

笑ってるかと思うと怒り出すし、で今度は黙った。


「・・・したんだぞ?」


「えっ?何?」


「だから!本当に心配したんだからね!」


「ごめん。心配してくれてありがとう。」


今度は眼に涙を湛えて頬を膨らませている。可愛い。思わず抱きしめた。


「ちょっと?!」


「少しだけ。」


「ねぇ?本当に反省してる?」


「うん。してるよ?ね?少しだけこのままで。」


「もう。少しだけだからね?」


「うん。少しだけ。」


抱きしめていた少しの間。徐々に何か圧が掛って来た。


「あれ?」


寝てました。とっても可愛い顔して寝てました。あははは。で、仕方がないので、そのままベットに横にしてあげて寝かせました。ってこのままで良いのかって?勿論毛布を掛けてあげたよ。そうじゃない?他に何があるの?生活魔法?もちろんかけたよ?えっ?それでもない?う~ん??

・・・ヘタレな男、神崎煉です。


で、僕は起こされてしまったので喉が渇いたから、宿の食堂へ行こうと部屋の扉を開けた。


ドガシャン!


何故か勢いよく扉は開いて、扉の向こうから、人が流れてきた。ってオイ!!


「すまんすまん。」


「ついね?つい。」


「無問題。」


「これはごきげんよう。」


諸先輩方だ。


「何ですか?覗きですか?」


「いやいや、酔っ払いが一人で帰るって言うから見送って来ただけよ?」


「そ、そうじゃ。その通り!」


白々しい嘘をつく人達。


「はい。わかりました。とりあえず僕は食堂に行きますから、アリアさんを見ておいてくださいね?」


「おっ?ワタシが責任を持って見ておきます!お任せあれ!!」


ミスコンティさんが名乗りを上げた。僕は誰でも良かったのでそのまま先輩方を放置して部屋を出て行く。部屋の方から声が聞こえてきた。


「さぁさぁ、今日はお開き。」


「なんじゃ?お前だけが残るのか?」


ふと、これはいいタイミング何じゃないか?


「すいません。水を飲んだら戻ってきますので、皆さんこのまま居てください。」


「良いのかい?」


「ええ、話がありますので。」


「わかった。ではお言葉に甘えて待たせてもらうよ。」


率先してバーナードさんが答えるが、他のメンツも文句はないようだ。そのまま僕は食堂へ降りて水を貰いのんでから、人数分の飲み物と摘まめるモノを用意してもらって部屋に戻った。


「すいません。お待たせして。」


「「「いやいや。」」」


なんか別の思いがあるのか怪しい笑顔で迎えられた。


「で、坊主。どんな話だ?」


正直に全てを話すか少し悩んだが、嘘なんかついた所で特にならないと思ったから正直に話す事にしよう。


「今、この街に向かってアリアさんへの追っ手が近づいています。」


ビクッと全員がした。いや、一人だけしていなかった。バーナードさんだけ。


「お主、知っておるのか?」


「何をですか?」


「アリアの事に決まっておろうが!」


「いえ。全てがわかっている訳じゃありません。でも追われているのは薄々気づいてました。」


「そうりゃそうよね。」


「ええ。」


「でも、なんで追ってが近づいているとわかったの?」


「それは、『桜花』が教えてくれました。」


「『桜花』って君の持っている刀だったね?元はブライトが所持していた。」


「はい。」


「話せるのか?」


「話せるのとは違うと思いますけど、教えてくれる事は出来るみたいです。」


「ぞうじゃな。お主はその刀『桜花』に選ばれし者じゃったな。」


ブライトさんの一言で一気に信ぴょう性が生まれたみたいで、皆がピリッとした空気感に包まれていく。さぁ、これからが僕の一歩だ。

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