表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
208/367

208 初めての洞窟探検・・・大丈夫だよね?


「ふ~。こんなもんかのぉ?」


「ブライト。腕鈍った。」


「誰がじゃ!」


ゴブリンソルジャーとゴブリンシャーマンの死体を前にしてブライトさんとクリスチーナさんの会話だ。


「前なら、一撃で葬れたハズ。」


「確かにそうね。魔法なんて喰らう事なく倒してたもんね?」


ここは、地下5階を越えてもう直ぐ地下6階に到達するらしいポイント。


「うぬぅ。鍛冶が忙しかったんじゃ。」


「それはそれ。これはこれ。」


言いくるめられているブライトさん。片言系しか言わないのに、あのブライトさんを言い負かしてる?凄いな。

凄いのはそれだけじゃない。本当にブライトさん達は凄い。あっという間に倒してしまう。動きも連携もスムーズ。流れるような動きで圧倒してしまう。

今もそうだ。出現してそんなに経ってない。ソルジャーが5体にシャーマン3体のゴブリン集団だったんだけど、ご覧の通り一撃で仕留めていった。

で、ここまで見ていたんだけど、基本的に敵の攻撃はブライトさんが統べて受ける感じで、その隙間を縫って他が攻撃するって感じ。大雑把に言うとそんな感じでした。

ただ、バーナードさんとアリアさんは僕の側を離れず動かないって感じ。守られてるねぇ~。はぁ~。


「バーナード。貴方は戦っても良いのよ?少しは体動かしたら?」


「いえいえ。私なんかが動けば、邪魔をしてしまうだけですよ?」


「ふ~ん。まぁ好きにしたら良いわ。」


もしかすると、バーナードさんは動きたくないだけかもしれないけど・・・。


「雑魚を倒すのも面倒になって来たわね。」


「同意。」


「煉君。もう少し早く動ける?」


「大丈夫です。」


「そうね。煉君は大丈夫だと思うわ。」


アリアさんの後押しを受けて、進むスピードを上げる事になった。


「じゃあ、スピードを上げるわね。」


先ほどまでは確か、ブライトさんが先頭だった気がする。


「では、私は殿を受け持ちましょう。」


先頭にクリスチーナさんが立ち、最後方にバーナードさん二番手にミスコンティさん三番手真ん中にアリアさんと僕。その後ろにブライトさんが続く。最後はバーナードさんという形になって進む。


ちなみに、洞窟内の魔物たちは死ぬと魔石やアイテムをドロップして死体は洞窟の床に吸い込まれる感じ。装備とかもそのまま吸い込まれていくから不思議だ。


隊列を変更してからのスピードは格段に上がった。その分だけ、魔物とのエンカウントも上がっているきがするんだけど、魔法を利用して、打ち合い無く進んでいる。何だろう、この疎外感。僕は本当に何もしてない。ただ着いていってるだけ。う~ん。本当にこれだけで良いのだろうか?


「煉君。今日は見る事で経験するの。だから、確りと見て体感してね。次ここに来る時からは戦闘に参加してもらうから。今日は見ているだけでも、いい経験になるはずよ。彼らは一流と呼ばれる冒険者でもあるから。」


アリアさんのその言葉通りに、経験点は加算されているようで、レベルが上がっていたりする。これも不思議だと思ったら、パーティー効果という物らしい。この世界はよくわからない所が多いな。


そんな事を考えながら、一生懸命に皆についていった。

危なげなく進んで行く。そして遂にボス部屋の前まで来た。


「もしかして、道を覚えているんですか?」


「そうね。少なくともブライト以外は憶えてるんじゃないかしら?」


「儂だって憶えておるわ!」


ちなみに後から聞いた話だけど、『未来の(フューチャーキー)』はこの洞窟の最深部記録を持っているそうだ。ただ、クリアするつもりがあったわけでは無く、レベル上げなどの訓練の為だったらしい。

強い人たちの考える事はわかりません。


「さて、皆準備はいいかの?」


「ええ。いいわ。」


「バーナード。最後位は・・・。」


「良いのかい?私がやると、経験にならないかもしれないけど?」


「付与位はできるでしょ?」


「あぁ、そう言う事か。わかった。引き受けよう。」


そんな会話をしながら、少し休んだ。僕の為に休んでくれているんだろう。


「煉君。今回は敢て、集団戦を見せるわ。彼らならソロでも倒せる相手だけど、今後の為に倒し方を通常の物にするわ。」


「うん?わかった?」


何か腑に落ちない感じだけど、たぶん個々が強すぎて通常の闘いにならないのかもしれない。だから、普通の倒し方が出来るようにセーブして戦ってくれるという事かな?


「敵は、ミノタウロス。そこそこに強い魔物なんだけど、私達にとっては・・・。」


「なるほど。わかりました。」


僕がアリアさんの説明に納得した所で、扉を開ける事になった。


「では、行くぞ!」


「「「おぉ!」」」


何故かこの時はいつも皆張り切って答える。あのバーナードさんも一緒だ。やっぱりパーティーなんだなと思わされる瞬間だ。

真っ暗な部屋の中には中心に向かって火が灯る道が出来上がる。そして最後に僕とアリアさんが部屋の中に入った。かなり広い空間になっている。僕の想像通りなら、ミノタウロスは大きな魔物のはずだから、この広さにも納得だ。火が灯る道の先に白い魔法陣が浮かび上がると同時に後ろの扉が閉まる。

ドキドキが止まらない。う~ん。大丈夫だよね?たぶん。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ