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198 我らビラッキオ隊 その9


我らビラッキオ隊総勢750名は新たにザバルティ様を主としたザバルティ様の私設兵団に組み込まれる事になった。


「俺隊に商業は無理だしな!わはははは!!」


「私は無理では無いですけどね?」


直ぐに、リリアーナが反論するが聞こえないフリだ。ここで応えたら負けだ!

それにしても祖国を裏切る形になったのに、全然落ち込まない。それどころか、清々しい気持ちになっている。何故だろうな?わからんがな。


「がははは!」


「どうしたんですか?頭が遂におかしくなったんですか?」


つい笑ったら、リリアーナから酷いツッコミを受けた。

まぁ、こういう冗談が言えるような空気感になった事は良い事だな。


「冗談では無いですよ?」


こうも何故考えを読まれるようになったんだ?いつからだ?


「ふう。まぁ、良いです。先に進まない気がしますから。ところで、ザバルティ様より指示書がきました。」


「わかった。」


何か前よりも俺への扱いが酷いような気がするな?気のせいか?



==============


ビラッキオ殿


貴殿の隊は二つの隊に分ける事になった。総勢500名をビラッキオ殿がそのまま率いて頂きたい。

そしてビラッキオ隊の任地は都市国家スパルタとする。尚、人選は貴殿に任せる。

詳細は、全員が居るタイミングにて、私が直接する。


ザバルティ・マカロッサ 


==============



ヨコダテ?どこかで聞いた気がするな?どこだろうか?


「なんと書いてありましたか?」


「あぁ、都市国家スパルタが俺たちの任地になるそうだ。あと、500名を選べとも書いてあった。」


「都市国家スパルタって言ったらイグナシオ大陸の魔王が居る国の一部で独立した新しい国じゃないですか!そんなに遠い国に行く事になるなんて!」


ちょっとショックを受けている感じだな。そんなに遠いのか?そもそもそんなに遠い国で何をするんだ?わからない事だらけだ。


「とにかく、詳細はザバルティ様から聞ける事になっているから、先ずは合流してからだ。」


「そうですか。では急いで向かいましょう。」


急いで陣を撤収してザバルティ様の元へ向かう。どうにか急いで動いたので、日のあるうちに到着した。


「ザバルティ様。どういう事ですか?」


「?どういう事とは?」


「仲間にして頂いたのに、任地が遠すぎてはお会いできないではないですか?」


「いや?基本的には毎日顔を合わせる事になるよ?」


「はぁ?」


任地の勘違いだろうか?話がかみ合ってない気がする。もしかして天然か?訝しむ顔で見ている俺やリリアーナを見て、ポンっと手を打つザバルティ様。


「そうだった。ごめんね。まだ話してない事が色々あるもんね。とりあえず、一端私の屋敷に連れて行こう。そこで、皆に話すね。」


「はぁ。」


そうおっしゃっている訳だから、とりあえず言う事を聞くしかないな。


「シーリス。悪いけど、皆を王都の私の屋敷に案内してくれ。私は先に戻っておくよ。」


「わかりました。」


ザバルティ様はそうおっしゃるとテントの中に消えた。


「では、皆さま。何もおっしゃらず私の後について来てください。」


シーリス殿に言われて、ぞろぞろと750名の我らビラッキオ隊はついていく。ザバルティ様が消えたテントの中へ入ると奥に扉がある。その扉の中へシーリス殿が入って行く。俺たちもついて入るとそこは真っ白い空間?部屋?になっていた。その空間は俺達が全員入ってもまだ余裕がある。

魔法の空間の様だ。

その空間には俺たちが入ってきた扉とは別に2つの扉がある。合計3つの扉がある事になる。


「やべぇ!」

「すげぇ!」


など、ボヤいている者達が多い。先ほど迄は「入れるのかよ?」と言っていた者達の方がそういう傾向にあるようだ。


「では皆さん。ここにいるダークエルフのゲートの守護者の一族の紹介をします。では、よろしく。」


前に出て来たのは何とも色っぽく綺麗なダークエルフの女だ。


「私はブリエンド。ザバルティ様からゲートの守護者の任を与えられている一族の長だ。これより、君達には私の守護するゲートを使ってもらう。ザバルティ様の仲間になった以上、この事は他言無用だ。と言ってももう既に契約済みであろうがな。他言しようとすると、制約により喋れなくなるから注意してくれ。では、これから末永くよろしく。」


ヤバい、俺目が合った!イイ女だなぁ。


「隊長。鼻の下が伸びてますよ?」


「はっ!マジか?」


「なわけないでしょう。」


またリリアーナに揶揄われた様だ。つうかよ、ゲートってなんだ?


「リリアーナ。ゲートって何だ?」


「さぁ?扉の事ですかね?」


そんな俺たちを余所にシーリスが俺たちに向かって言う。


「では、行きますのでついて来てください。」


そう言って目の前の一つの扉に入って行った。勿論俺たちも続く。その先も白い部屋になっていた。そして続いて扉をまた入ると、その前にはザバルティ様がいらっしゃった。


「よく来たね。ここが私の屋敷であり、君たちの拠点になる屋敷でもある。そして、ここはアスワン王国の王都テーストだ。」


ザバルティ様が手で指した先には街並みと大きな城が見えた。

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