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197 約束の時


時間は来た。私は今回は一人で向かう事はしなかった。

トーマス、ロバート、ミーリア、シーリス、ユカ、シェリル、ステファネスなどの所要メンバーを引き連れていく。他にも仲間をつれていく。総勢500名にも及ぶ。


「一人ではダメだと言ったからって、こんなに要ります?」


「そうだね。たぶん必要になるね。」


「もしかして戦う事になると?」


「それは無いだろうね。彼らは馬鹿では無いからね。それに、隊長のビラッキオさんは中々の好人物だから変なマネはしないと思うよ。」


そう、ビラッキオ隊長を仲間にしたいと思っている。彼は頼りになる隊長だ。彼のような者は幾ら居てくれても困るという事は無い。武に関しては仲間になってから鍛えるつもりだ。直ぐに強くなるだろう。

彼の強みは自身の現状を正確に判断できる所だ。彼は正確にわかっている。わかっているからこそ、自分が心底嫌でも、行動に移す事が出来る。その時は冷徹な顔になって、感情を抑える事が出来る。そこは、経験がモノを言うと思う。更に、善性を強く持っている。彼は気づいていないようだが、光と聖に対する素質が以上に高い。つまり環境が環境なら、聖騎士や聖者もしくは勇者とかになっているべき存在だ。だが残念ながらその素質を開花できる環境には無かったようだ。素質があっても開花できるかは環境によって変化する。人間は誰しもがそういうモノだと私は思っている。前世では鑑定系統のスキルが無かったから言い切る事は出来ないが、聖だからこそ、邪に引っ張られ、邪だからこそ聖になれるとも言える。

前世で何て言ってたっけ?そうそう『天才と馬鹿は紙一重』だっけ?つまり中国の思想家たちが唱えてたと思うけど、この世の者は全て円で表す事が出来るんだと思う。紙一重とはそれを指すのかな?まぁ難しく考えても仕方がないが、彼の持つ素質は気になっている。是非仲間になって頂きたいものだ。

ただ、彼らの意志の尊重はしたいと思う。結果がどうであれ受け入れるつもりだ。

ちなみに戦闘にならないとふんでいる理由は他にもある。あの後、どうやらステファネスが動いていたようだし、シェリルもなんかしたようだ。その情報が上がっているからでもある。


「それなら良いんですが、まぁ戦闘になっても負ける未来は想像できませんけどね。油断だけはだめですが。」


「そうだね。でも、ここにシーリスがついて来ている時点で、相応の準備が出来ている考えてはいるけどね。そうだろシェリル?」


「えぇ、まぁそうですね。」


ミーリアの質問?忠告に対して答えたうえでシェリルに投げかけるが歯切れの悪い答えだ。

シェリルはシーリスにこ口止めされている事がありそうだね。まぁ、追求はしない様にしよう。彼ら、彼女らは私の為と思い色々と考え行動してくれているからね。


そんな話をしながらビラッキオ隊の陣に到着した。案の定、武装は解除されていた。見張り一つ無しって訳では無いが、戦う意思は感じられない。


「待たせてしまったかな?」


「いいえ。約束通りキッチリとお越し頂いて助かります。準備はできました。」


ビラッキオ隊長自らが先頭で迎え知れてくれた。


「そうか。結果はでましたか?」


「はい。俺たちは皆各自の意志に従いたいと思います。」


やっぱりそうきたか。たぶんそういう答えを出すと思っていた。なぜなら、今後の未来を他人に決められるのは厳しいからだ。人生の分岐点と言っても過言ではない。


「で、どうされますか?」


「一つは祖国に帰る者達。一つは他国へ逃げる者達。そしてもう一つは貴方の仲間になり者達です。」


想像通りだね。


「人数の内訳は?」


「祖国に帰る者達はおよそ150人。他国へ逃げるのは100人後の750名は俺を含めて、ザバルティ様の仲間にならせて頂きたい。」


結構残ったね。もっと減ると考えていた。祖国に帰るのが多くなるとも思っていた。そこだけは見当が外れたな。


「わかりました。ではジュスター王国を出るまではこちらが確りと面倒を見ましょう。」


「ありがとうございます。それだけが心配でした。でも本当に大丈夫でしょうか?」


確かに規格外の行動ではあるが、問題ない。その為にも仲間を連れて来たのだから。


「大丈夫です。私が責任を持ちましょう。」


「本当にありがとうございます。」


とういう代表者のやり取りを済ませて、ビラッキオ隊を三つに分けて、それぞれに100人の私の仲間をつけた。トーマスとロバートに引率させる事にしている。そしてロバートの隊とトーマスの隊が出発を開始するまで、黙って見守った。そしてビラッキオ隊長達は仲間との別れを惜しむかのように挨拶を交わしていた。一通り見送った後にビラッキオ隊長が私の前に跪き、宣誓した。


「これよりビラッキオ隊。俺ビラッキオを含めた総勢750名は貴方の元に集い、これからの人生は貴方と共に進む所存です!」


ビラッキオ隊長の宣誓の後には彼の部下達全員がビラッキオ隊長と同じ姿勢になって私に宣誓した。


「「「我らビラッキオ隊は、何時如何なる時もザバルティ様と共に!」」」


揃った宣誓を聞いた私はとても高潔な宣誓だ思った。


「諸君らの気持ちは確かに受け取った!よろしく頼む!!」


「「「「「「おぉー!!!」」」」」」


新たな頼もしい仲間の誕生だ。

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