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169 ここは何処?アナタはだあれ?



「あれ?ここは何処?僕は何をしていたんだっけ?」


つい、独り言を言ってしまったが、本当にここは何処なんだろう?辺りを見渡してみても草が生えている草原がずっと先まで広がっている。丘の様な所があるが、その先は蒼天が広がているだけ。


「うそ?これどういう事??」


僕の名前は神崎煉。中学三年生15歳だ。

今僕は自分の知識の範囲を超える状況に陥っている。意味が分からない。

僕は、友達とゲーセンで遊びその帰りに一人になった。そしていつもの帰り道の中、スマホを見ながら帰っていたんだけど、気づいたら辺りは真っ暗になっていて携帯の明かりも目の前に持ってこないと見えないようになっていた。慌てて光が見えた方向に走って「抜けた!」と思ったら、こんな所に出てきてしまったという事。どういう事?もしかしてこれ最近はやりの転生?いや生まれ変わってないから転移?でも魔法陣とか無かったし、転移とかであれば、神様とかに会うんじゃなかったっけ?

えっと、ただの迷子?でもそしたら、こんな草原の真ん中に出ないよね?僕は一体どうなってるんだ?


「誰か説明してくれ!!」


声を出しても何の反応も無い。

ただ、風が鳴る音が聞こえるだけだ。どうする?どうすれば良い?こんな時は普通神様が現れて道を示してくれるんじゃないの?


そうやって、途方に暮れて数時間が経過したんだと思う。

太陽が真上からだいぶ降りてきていた。ようやく冷静になれた所で、ふと丘を目指そうと思った。

もっと周りが見える高い所を目指そうと思った。

丘の上について辺りを見渡した。すると丘の向こうには森があってその手前に川があり、森の向こうに建物らしき物が見えた。


どうするべきだろう?森を抜けて建物らしき所へ向かうのか?

それとも、森を迂回して目指すべきだろうか?

それとも戻って草原の先に見える山を目指すべきだろうか?


兎に角、僕は人に会いたいと考えた。

建物を目指していく事。それが一番人に会う確率が上がる。それにその方向には川があって水が飲める。今の僕はスマホと少量のお金が入った財布。そして学校の教科書が入っている鞄しかない。

建物に向かって行くしかないと思った。



◇◇◇◆◇◇◇



あれから直ぐに川について水をガブガブ飲んだ。ペットボトルを持っていたから、水を入れて持って、近くに転がっている木の棒を拾い。小石を幾つか拾って鞄に入れた。

急がないと日が暮れてしまう。そうなったら、僕ではこの森を越える事が困難になると思って慌てて森の中に入った。途中で迷子を少しでもしないようにと木に石で傷をつけて目印にした。来た方向と向かう方向を迷わないようにするためだ。


そんな事をしながらどれくらい歩いただろうか?

目の前に小屋の様な建物が見えてきた。先ほど見えた建物では無さそうだ。周りの木の高さより低く建物の向こう側にもまだ木が茂っている。確か、森を抜けた向こう側は平原が広がっており、その向こう側に建物らしき物が見えたはずだからだ。

ともかく、目の前に見えた小屋に向かった。


「すいません。誰かいらっしゃいませんか?」


ドンドンと小屋の扉を叩きながら問いかけたが、反応は無い。


「すいません。開けますよ?」


そっと扉を開けるが中は暗い。小屋の中は土間のような所がありその向こうに囲炉裏のような物があるみたいだ。だが、どうもそこに人が横になっている感じがする。薄っすらと影があるのだ。


「あの、勝手に入ってすみません。」


怖いと正直思ったのだけど、人と話がしたいという気持ちが先に立ち近づいて行く。


「すみません。良ければ話をききたいのですが。」


返事は無い。屍のようだ。・・・じゃなくて、返事を貰えない。息はしている様子がある。胸が上下しているのだ。


「あのう。えっ?」


手を肩に置いて揺すろうとした瞬間。横になっていた人が急に動いた。気づいた時には僕は仰向けに倒されていた。そして横になっていた人は僕の上に馬乗りになっていた。そして僕の首には鈍く光る物が当てられている。


「何をするんですか?!」


「お前は何者だ?追ってにしては弱いわね。お前は人族?」


「じ、人族?えぇ、僕は人です。言葉をしゃべっているでしょう?!」


なんだこの人?急に僕の上に乗ってきて首に物を押し付けてきて。僕が何をしたっていうんだ。


「変な事を言う奴ね。まぁ良いこの程度なら大丈夫ね。悪いけど扉を閉めてくれる?」


そういうとその人は首にあった物をどけてくれて避けてくれた。僕は言われた通りに扉を閉めに行った。その人はゴソゴソしてるかと思ったら、囲炉裏のような物に火をつけてくれたようだ。

火が点いた事で小屋の中が明るくなり色々見える様になった。


「あっ。」


僕は止まってしまった。目の前に居る人に目を奪われてしまったからだ。

銀色の髪の奥に見える顔は、この世の物とは思えない美しい物だったからだ。


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