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152 平和と約束



「その話は私が確りと報告しています。お二人ともに二回も。やはり聞いていませんでしたね?」


ドコラテヌ宰相が徐々に怒りの形相になりつつセイレス女王とディスラテヌさんに詰め寄る姿がそこにはあった。私は思った。これが日常なのであると。


≪解説は良いので、止めに入られた方が良いかと具申致します。≫


やっぱりかぁ~。やっぱり私かぁ~。って王族が他に四人も居るのに?


≪ええ。そうです。≫


一刀両断とはこの事ではないか?ってくらいスッパリアッサリと言い切ったカミコちゃん。私は肩を落として言葉を探した。


「ドコラテヌ宰相、少し落ち着いてください。お二方とも謝罪をされた方が良い事ではありませんか?」


「有無。ドコラテヌ宰相すまん。」

「そうじゃ。ザバルティ殿の言う通りじゃ。ドコラテヌよ、すまなかった。」


土下座をしそうな勢いで直ぐに謝罪の言葉を紡いだので、ドコラテヌ宰相は落ち着きを取り戻す。


「ふぅ。そうですね。ザバルティ殿もいらっしゃいますし・・・。」


「「そうじゃ。そ、うっ。」」


ちょっと調子が戻りそうなセイレス女王とディスラテヌさんを人睨みして黙らせるドコラテヌ宰相。

その様子を見てもビックリともしない王族達を見て平和だと感じる私はおかしいのだろうか?


「ですが、お二人がおっしゃりたい事もわかりますわ。」


「うむ。あの強さとあの結果を実際に見なければ納得できる事ではないとは思うがな。」


マリリン第三王女とエリザネス第一王女が弁護する形で私の事を話す。


「「ほぉ~。」」


キラリと輝く目が四つ。


「これは御前試合を組まねばなるまい。」


「うむ。セイレスお嬢もたまにはいい事言うでは無いか。」


あっ、これ止まらないやつだ。


「そうすれば、諸侯も婚姻に納得するであろう。」


「そうじゃ。どこぞの他国の子爵の息子では無く、強き男であると認識すれば貴族どもを納得させる事が容易かろう。皆、エリザネス第一王女と結ばれたいと思っておるような者共を対戦相手にすればよいのだからのぉ~。」


「なり程!」


ドコラテヌ宰相は手を叩いて頷いている。


「では早速その準備に取り掛かりましょう。」


「うむ。許可する!」


「楽しみじゃ。」


私に承諾なく進めようとする三名。その三名にドコラテヌ宰相が入っているのが納得できない。


「ちょっと。母上に、ディスラテヌ叔母さまにドコラテヌ宰相も待ってください。」


ようやく、エリザネス第一王女が私の味方になってくれる。


「どうせやるなら、その≪全員対ザバるん≫でやりましょう!」


「「「なっ、なんと!そこまで強いのか?」」」


驚きを隠せない三名に対して二名が胸をはり、エリザネス第一王女の代わりにマリリン第三王女がズイッと前に出る感じで更に言ってしまう。


「余裕です。何せ≪神の使徒≫ですから!あっ!!」


気づいて私の顔を覗き込むように見るマリリン第三王女はシマッタという顔になっている。

そして先ほど迄盛り上がっていた三名とベロニカ第二王女とギャニック第一王子の計五名は口を開けっぱなしの状態だ。たぶん、頭の中は≪神の使徒≫という言葉がずっと反響しているに違いない。


「マリリン第三王女。その事は他言無用とお伝えしておりませんでしたか?」


敢て敬語で言う私に心底怯えた顔になるマリリン第三王女。


「違うの。違うのよザバるん。」


「ああ、これは事故だ!」


マリリン第三王女だけでなくエリザネス第一王女までも怯えている。これは同じ様に言うつもりでいたな。


「どういう事ですか?エリザネス第一王女。」


「いや、その、あの・・・。」


私はちらりとエリザネス第一王女を見て聞くが答えれそうもなく。今度はマリリン第三王女を見て聞く。


「説明して頂けますか?マリリン第三王女。」


「うっと。えっと。その・・・。」


やはり、こちらもか・・・。心の中で溜息をついてから仕方がないと思いなおし落し処を考える。


「で、お二人共言う事?」


「「「「「「「すいませんでした!!!」」」」」」」


何故か、エリザネス第一王女とマリリン第三王女だけでなく、セイレス女王とディスラテヌさんとドコラテヌ宰相。そして、ベロニカ第二王女とギャニック第一王子まで土下座して謝罪を言っている。


「いや。エリザネス第一王女とマリリン第三王女だけで他の方はもらい事故みたいなもんですから、誤らなくて大丈夫ですから、普通にしてください。」


「「「「「いや。これまでの行ないを含めて謝罪しているんです。」」」」」


「いや、だから止めてください。気にしてませんから。私はただの子爵家の息子ですから。」


この後、普通に接して欲しいと頼み込み何とかある程度回復したが、間違いなくベロニカ第二王女とギャニック第一王子とは距離が離れたと思う。そんな中に名の王女はでは私達も見たいな顔して普通に接してこようとしたので、改めて教育致しました。ただ、御前試合はする事になってしまいました。仕方がないよね?他で絡まれても面倒だから。で、お願いされたのでこちらもお願いしてみた。


「皆さんが知ってしまった。≪神の使徒≫である事は本当に他言無用でお願いします。」


頭を下げてお願いした。そしてら皆が首を縦にブンブン振ってお願いを聞き入れてくれる事になった。

深いため息が出る。

この状況を若者言葉で何というのか?≪マジ勘弁≫古い?やっぱり歳は隠せません・・・残念。




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